トリモノ帖

鳥に関するあらゆるコト。あらゆるモノ。

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リョコウバト〜オーデュボンの祈り〜

090411ryokoubato0.jpgリョコウバトは、すでに絶滅した鳥です。
その名のとおり渡りをするハトの仲間で
最も美しいハトだったとも言われています。

18世紀には全米で50〜90億羽が生息しており
世界でもっとも数の多い陸の野鳥と
言われていたにもかかわらず、その後
たった200年ほどで絶滅してしまったのです。

オーデュボンとは、リョコウバトが億単位で
群れを成して飛んでいた頃の鳥類研究家。
この画像は博物画家でもあった彼の作品で
リョコウバトの求愛の様子が描かれています。

彼は1838年の日記に、頭上を通過中のリョコウバトの群れが
3日間途切れることなく飛び続けたと記録しています。

想像してみてください。億単位の鳥の群れを。空を覆う鳥・鳥・鳥です。
その群れが飛ぶと太陽の光がさえぎられ、空一面が暗くなったそうです。
まさかその鳥が絶滅するなんて。
当時の人々が想像できなかったのも無理はないかもしれません。

『オーデュボンの祈り』とはそのリョコウバトとオーデュボンを
モチーフにした伊坂幸太郎の長編小説。
「誰にも止められない、悲しい結末に向かうことを」
「人間ってのは失わないと、ことの大きさに気がつかない」
という伊坂氏の痛烈なメッセージが胸に突き刺さります。

今もこの地上から次々姿を消してゆく動物たち。
そして私たち人間にとっても、それは他人事ではありません。
まさか絶滅するはずがないと思っているわれわれ自身が
滅びる日が一刻一刻と近づいているかもしれないのです。

誰にも止められないかもしれないけれど、止めなくてはいけない。
それが私たち一人ひとりに与えられた宿命なのかもしれません。


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090411ryokoubato1.jpg090411ryokoubato2.jpg090411ryokoubato3.jpg090411ryokoubato4.jpgリョコウバト (旅行鳩)
学名:Ectopistes migratorius
英名:Passenger Pigeon
   Wild Pigeon
ハト目ハト科リョコウバト属

全長は約40〜43cm。
ドバトより少し小さい。
オスの上面は青灰色または紫色。(画像3)
メスは褐色(画像4)。
下部はバラ色または赤褐色。
くちばしは黒、脚は赤色。
先が尖り長い羽と尾を持つ。

18世紀には、当時の全人類の人口よりも多くの
数(50億)が生息していたとされます。
それが乱獲が行われ、数が激減していきます。
1890年代に入ってようやく保護されはじめましたが
すでに手遅れでした。

◇乱獲された理由◇
・肉がとっても美味。食用・飼料に。
・羽毛の採取
・富裕層の趣味の狩猟の的として。
・群れが大きく撃ちやすかった。
・莫大な数がいたので、絶滅するはずが
 ないと考えられていた。

◇絶滅した理由◇
・繁殖力が弱いため、小さな集団では繁殖できない。
・1度の繁殖期が訪れるのは数年に一度で
 1回の産卵数は1卵だけ。
・乱獲だけではなく自然環境の破壊にもよる。
以上の理由から、一度大きく減った個体数を
回復させることができなかったとされる。

◇最後の野生の個体◇
1906年にハンターに撃ち落される。

◇最後の個体◇
1908年に7羽いた個体が、1910年8月には
ついにオハイオ州のシンシナティ動物園で飼育されていた雌のマーサ
(ジョージ・ワシントンの妻マーサから名をとった)のみとなる。
マーサは動物園で生まれ、檻の中で一生を過ごした。
1914年9月1日午後1時、マーサが老衰のため死亡し、リョコウバトは絶滅。
マーサの標本は現在スミソニアン博物館に収蔵されている。(画像5)



2009/04/11 Sat


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