トリモノ帖

鳥に関するあらゆるコト。あらゆるモノ。

世界中の鳥好きさんに捧ぐ。

神話伝説の鳥図鑑・その20『鴆(ちん(Zhen))』

090414hooded_pitohui.jpg中国の古文献などに出てくる鳥で
猛毒をもつと言われているそうです。
かつては、毒をもつ鳥などいないと
思われていたので、すっかり架空の
鳥という扱いを受けていました。

それが毒鳥・ビトフーイの存在が
明らかになったことで、この鳥の
存在がたちまちクローズアップ。

もしやビトフーイがこの鳥のモデル?

ただこの鳥は、緑色の体に赤銅色の
クチバシを持つ鷲ほどの大型の鳥だとされているので
写真のビトフーイとは似ていない模様。

ただビトフーイの存在が、鴆(ちん(Zhen))の研究に
大きな光を投げかけたことは確かです。

猛毒の元は、この鳥が食べる毒蛇が元になっているそうで
ビトフーイの毒の元が餌の中の甲虫だというのと似ています。

ビトフーイの存在が世に知られたのは、1990年代になってからのこと。
まだまだこれから、この鳥に似たさらなる毒鳥の存在が明らかに
なる日も来るのかもしれません。

2009/05/01 Fri
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神話伝説の鳥図鑑・その19『カラドリウス』

080908karadorius.jpgCharadrius

不思議な霊力を持つと、中世ヨーロッパで
信仰されていた神鳥・霊鳥。

神の使いとも言われ王が病床にあるとき
その枕元に現れ、回復か死か、予言をしたという。

回復の見込みがあるなら目をじっと見つめ、病(の原因である悪霊)を
吸い取ってくれるが、見込みがなければ、目をそむけて飛び去ってしまう。

病人の目から病魔を吸い取るため
病人は「カラドリウス」の目を直視できれば助かるとされ、
この鳥を見たり近づいただけで病が薄まる、糞を飲めば
不老長寿になるなとど信仰されている。

全身真っ白な小鳥だとも、全体は白っぽいが、首周り、尾の付け根、足は黒い
とも言われる。目は非常に小さく、くちばしは堅く小さい。
首にアヌビス( (Anubis) エジプト神話に登場する冥界の神)の書かれた
黒い袋を提げており、それに吸い取った病を貯める。それが最大まで達すると
卵を産む。


2008/09/08 Mon
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神話伝説の鳥図鑑・その18『ハンサ』

080822hamsa.jpgハンサ Hamsa
アートマン(『ヴェーダの宗教(*1)』用語。
意識の最も深い内側にある個の根源を意味する。
真我。=ブラフマン)を象徴する神聖な鳥。

ヒンドゥー神話では、万物の父で
創造神ブラフマーの乗り物とされる。

中央アジアに生息するガチョウのことを
指していたともいわれる。
ブラフマーの乗り物は他に白鳥、孔雀がいる。

インドではガチョウは飛び方の高貴さと色の白さから神聖視されていて、
純粋さや神の知識などを司る。
    
  
*1:ヴェーダの宗教 (Vedic Religions)とは、ヴェーダを聖典とする
 古代インドの宗教で、『バラモン教(*2)』と呼ばれている。

*2:バラモン教(Brahmanism)=ブラフミンの宗教。
 司祭階級バラモン(ブラフミン)を神と同一視して敬う強いカースト制が特徴。
 ブラフミンは宇宙原理であり創造神ブラフマーと同一だとされる。

つまり、アートマン=ブラフミン=ブラフマン。

仏教などのちにインドで起こった新宗教はアンチ・ヴェーダの立場で、
カースト制度を否定するものであり、釈迦はブラフミンも神も否定したが、
のちに仏教はバラモン教の神々を守護神や眷属として取り込んでゆく。

バラモン教と対峙する形で始まった仏教だが、広まって行くにつれ、
バラモン教の神々を吸収して行く事となる。

仏教に対峙して衰退したバラモン教は、のちにヒンドゥー教として発展して行く。 
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神話伝説の鳥図鑑・その17『ジャターユ』

080819jateryu.jpgジャターユ(Jateryu)
インドの叙事詩『ラーマーヤナ』に
登場する、ガルーダの子とされる鳥の王。
老齢の禿鷹で、年齢は六千年以上とされる。
ダンダカの森に棲む。

ラーマ王子の妃・シーターが
ラークシャサの王ラーヴァナに
略奪されたのを見て、勇敢に
ラーヴァナに襲いかかった。

ラーヴァナの背中に傷を負わせ、
10の腕を食いちぎったが、
ラーヴァナの腕はすぐに再生し、
ジャターユは剣で翼を切り裂かれ、
落下して瀕死の重傷を負う。

ジャターユは最後の力を振り絞って
ラーマの元へ飛び、事態を報告して息絶えた。

2008/08/19 Tue
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神話伝説の鳥図鑑・その16『フギンとムニン』

080818hugin_munin.jpgフギン(古ノルド語:Huginn,
    英語:Hugin)
ムニン(古ノルド語:Muninn,
    英語:Munin)

北欧神話の最高神オーディンに
飼われている一対のワタリガラス。
フギンは「思考」、ムニンは「記憶」を象徴。
フギンとムニンは、夜明けに外に出てゆき、世界中を飛び回って
情報を集めて帰ってくる。そしてオーディンに世界中で起こったこと
すべてを報告するという。

賢いカラスは様々な国の神話で、霊鳥として登場する。
日本神話「八咫烏」
中国「火烏」
北米インディアンの伝承「ガ・ガアー」

2008/08/16 Sat
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神話伝説の鳥図鑑・その15『ガ・ガアー』

080813gaga.jpg英名: Ga-gaah
北アメリカ北東部、イロクォイ族に伝わる
賢いカラス。霊鳥。

伝承ではこの聖なる烏は、イロクォイ族に
太陽の国からトウモロコシを運んできた
と言われている。

そのトウモロコシは、創造神ハーグウェーディユが、
大地の女神の体内に蒔いていたもので、ガ・ガアーは
トウモロコシの種を耳の中に一ついれて持ってきた。

カラスって実際に賢いせいでしょうか。
いろんな神話で「賢い聖なる鳥」として扱われていますね。
日本神話「八咫烏」
中国「火烏」
北欧神話「フギンとムニン」

080813gaga2.jpg
2008/08/13 Wed
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神話伝説の鳥図鑑・その14『火烏(かう)』

080808kau.jpg足が3本あり、太陽の化身だとされる、日本の八咫烏に似た
中国の伝説上の鳥。
中国では古くから、太陽の中にカラスが棲むとされ、
それが火烏と呼ばれていた。

太古の中国では、太陽が10個あったため、地上は干ばつで
苦しんでいた。弓の名手が9個の太陽を矢で射ると
射抜かれた太陽は、火烏となって落ちたと言う。

背に太陽を乗せて運ぶとも、口から噴いた火が太陽になる、
ともいわれる。
干ばつの神。太陽の象徴。三足烏(さんそくう)。瑞鳥。

天帝の子であるという説があり、弓の名手が我が子である
火烏を矢で射抜いて殺したことに腹を立てた天帝が、
弓の名手を天界から追放してしまう。

困った名手は西王母から不死の薬をもらう。
その薬を半分飲むと不死になり、全部飲むと天界に
帰ることができるというので、名手は妻と二人で分け合い、
不死になろうとするが、妻は一人で全部飲んでしまう。

妻はさすがに天には戻らず、月へ行くが、そこでなぜかカエルになってしまう。
それで中国では、太陽にカラスが、月にカエルがいる、と言われているそうだ。

で、名手はどうなったんでしょうかね???
関係ない奥さんはカエルになって残ってるのに。

2008/08/08 Fri
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神話伝説の鳥図鑑・その13『ヴェズルフェルニル』

080804vedrfolnir.jpg北欧神話に登場する鷹。
古ノルド語。

世界樹(ユグドラシル)の枝に留まる
1羽の鷲の目と目の間に留まっている鷹。
ヴェズルフェルニルの留っている鷲は、
一説では雄鶏とされるヴィゾフニルではないかと
言われる。

画像は17世紀の写本『AM 738 4to』より。

2008/08/03 Sun
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神話伝説の鳥図鑑・その12『ヴィゾフニル』

080731vidohunir.jpg北欧神話に登場する雄鶏。
古ノルド語、「木の蛇」の意。
英名: Vidohunir

世界の真ん中にある木(ユグドラシル)
のてっぺんにとまっていて、輝く体で
世界中を明るく照らすとされる。

※ユグドラシル(古ノルド語)は、北欧神話に登場する「世界」を体現する
 巨大な木であり、「世界樹」もしくは「宇宙樹」とも呼ばれる。

館リュルに入るためには、ヴィゾフニルの肉が必要だが、
ヴィゾフニルを唯一殺すことのできる武器レーヴァテインを
手に入れるためにはヴィゾフニルの尾羽が必要であるという、
堂々巡りの謎掛けが出される。

北欧神話に登場する鷹ヴェズルフェルニル
鷲の姿をした巨人フレースヴェルグとしばしば混同される。

画像はヴァイキング時代のタペストリー。

2008/07/31 Thu
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神話伝説の鳥図鑑・その11『シームルグ』

080725shimurugu.jpgイラン(ペルシャ)神話に登場する
伝説の巨鳥シームルグ。
ゾロアスター教聖典「アヴェスタ」では
サエーナ鳥(meregho saeno)。

サエーナとは猛禽の事を指し、
ワシや鷹のような姿をしていたとも、
鳥の体に犬の顔を持っていたともされる。
深い知識と智慧を持ち、人の言葉を解する
ことができたとされる。


画像はエッシャーのリトグラフ『球面鏡のある静物』(1934年11月)
シームルグはエッシャーの作品にしばしば登場する。
   
 
10世紀のフィルドゥスィーの叙事詩『シャー・ナーメ(王書)』中では
英雄ザール (Zal) の養父。
マヌーチヒル王の家臣サームに生まれた男の子がエルブルス山に捨てられ、
その赤子を拾って育てたのがシームルグ。シームルグに育てられ、
後に父サームの元に戻り英雄となったのがザールである。
ザールと別れるときにその羽を与え、燃やせば召還に応じた。
ザールの妻が難産で苦しんでいたときにシームルグが現れ、
無事に子のロスタムを生むことができたとされる。

もともとシームルグは、ウォルカシャ海にある楽園の島に生える
生命の樹に棲んでいたが、この樹が悪魔(ダエーワ)たちに倒され、
枯れてしまったので、エルブルス山に住むようになった。
生命の樹の上でシームルグが羽ばたくと種子が地上や海に落ち、
様々な種類の植物が生え、また雨を降らせたという。

シンドバットの冒険に登場するロック鳥と近縁のものであり
鳳凰ガルーダとの類似も指摘されている。

2008/07/25 Fri
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