MOE40th Anniversary 島田ゆか・酒井駒子・ヒグチユウコ・ヨシタケシンスケ・なかやみわ5人展

190107_IMG_9583.JPG190107_umeda1.jpg180418moe40thanniversary8es_img01.jpg180418moe40thanniversary8es_img03.jpg2019.01.07 Monday
最終日に滑り込みで、MOEの5人展に行ってきました。
絵本作家さんの展示は割と良く足を運ぶ方だと思いますが、現在活躍中の(絵本の中では)若手の部類に入る作家さんの展示はなかなか見る機会が少ないかも。で、今回はすごく発見が多かったです。

現代のイラストレーターで好きな人を挙げろと言われたら、絶対に外せないのが酒井駒子さん。私の母校・パレットクラブの先生でもあり、13年ほど前に教室で初対面した時の感激と言ったら!トムズボックスの土井さんと一緒に登場した酒井さんの少女のようなたたずまいに、感涙。

実は私とそんなに年齢は変わらないのですが(今回展示されてた作家さんはほぼ同世代の方ばかり)私が対面した13年前には、酒井さんはすでに不動の地位を築いておられて、その場で本を買うとサインがもらえるのですが、ほとんど取り合いで、私も何とか一冊ゲットして、「ひよこさんへ」とサインしていただきましたが、その時の酒井さんの「はて?ひよこ?」という不思議そうな様子が忘れられません。

その酒井さんの原画はやっぱり素晴らしく。確か原画を観たのは、東京時代に見た酒井駒子原画展─絵本『くまとやまねこ』の世界(2008.9.29)以来。ほぼ10年ぶりですね。今回の発見は、画材です。酒井さんが主にアクリルガッシュで描かれているのは知っていましたし、パステルや色鉛筆などを使うのは想像の範疇でしたが、まさか、ボールペンが使われているとは!じっくりどこに使われているのか、真剣に見入ってしまいました。

「よるくま」は酒井さんの中では好きな作風ではないのですが、見ているとよるくまがどんどんかわいく見えてきます。でもやっぱり圧巻は「ロンパーちゃん」白が基調の画面に、色は風船の黄色とほんの少しの赤と水色。それだけなのに、なんて豊かな絵なんでしょう。グッズも、このロンパーちゃんのバッジだけは売り切れで、悔しかった!そして大好きな「BとIとRとD」の原画に、もうただただため息。これはホントアートです。個人的にはこれのアクセサリーが欲しかったなぁ。。。やっぱり鳥LOVE。

作家さんの画材などの持ち物や影響を受けたもの、コメントが所々に展示されていて、それも楽しかった。酒井さんの感想は率直でとてもかわいくて、ご本人らしい感じがしました。また、ご本人自ら描かれた黒板の直筆画は、見られてよかった!!

島田ゆかさんは、今まではカワイイと思えなかったんですが、原画を見ていると、キャラクターに愛着が出てきました。とにかく絵が細かい!それにこれ、水彩ガッシュで描かれてるんですね〜〜〜。ガッシュはなかなかに厄介な画材なので、これでここまで描けるってホントとてつもない画力だと思います。重ね塗りが基本できないので、色は一発で決める必要があり、絵本を書くときに全ての小物の色を作った見本帳を作ったりされていて、その几帳面さに恐れ入りました。これぞプロ。

コメントもすごく真面目な方なんだなーと言う感じが伝わってきました。でも、とにかくあらゆる小物が細かくキャラクターになっていて、子供が見たら楽しいんだろうなぁというのを感じました。絵本ならではですね。でも一生懸命見過ぎて(大人なのに加減ができない)私はくたくたになってしまいました。。。

なかやみわさんは、元々キャラクター作家さんで、消耗品として扱われるキャラクターの世界に疲れてしまい、絵本作家に転向されたそう。どうも周りで、広告系で消耗して絵本作家になった人が多いのですが、やはりここにも。キャラクターはすごく作りこんでおられて、とってもかわいいし、色もきれいで、子供にはこういう世界に触れてすくすく育ってほしいという、見本のような絵本です。

この方は作品によって画材を変えることが多いようで、主な画材は水彩絵の具(と描かれていましたが、パキッとした色合いなので、ガッシュなのかな?)ですが、やぱり線を強調したいところはボールペンを使ってる作品もあって、参考になりました。

ヒグチユウコさんは、何となくこの中では毛色が違うというか、絵本作家というよりは「画家」という感じがするのですが、ご本人も「私は絵本作家なの?」と描かれていて、それまでの3人のメンバーが文字の印刷なのに、手描きで絵も添えて描かれてる物が多くて、なんか和みました。

実は猫の絵を描くことしか存じ上げなかったんですが、主人公の目のしわしわの子は、ぬいぐるみなんですね。あと、猫の脚がタコだったり、ヘンテコな動物がたくさん出てくる「ギュスターヴくん」がツボ。この世界観はこの人にしか描けないわー。そういう世界を自分で見つけて、世間を納得させるって大事なことだと思いました。

ラストのヨシタケシンスケさんまで来た時点で、すでに160点ものイラストを見ているので、結構くたびれてます。しかも、ヨシタニさんって読むものがすごく多いの。それなのに、全然疲れないどころか、読めば読むほどどんどん読みたくなっちゃうところが、さすが当代随一の売れっ子作家。ここ数年出す作品出す作品大ヒットを飛ばしているのもうなずけます。

ヨシタニさんだけ色はデジタルで入れているので、ペン画のみの展示なんですが、ちゃんと文字も手で入れてあるので、作品世界に引き込まれて、退屈に感じない。最初の三人が文字のみだったコメントも、ヨシタニさんは、ヒトコマ漫画みたいにイラスト付きで面白くて、ホントサービス精神がスゴイ人なんだと思いました。

ヨシタニさん、色を入れるのが絶望的に苦手なんだそうで、一時期は自分でデジタルで色を入れてたんだけど、こりゃ駄目だってことで、今はデザイナーさんがいれてるんだって。そんなことってあるんだぁ。苦手なものがあっても、それを補って余りある才能があれば、カバーできるんだなって言うお手本みたいな話ですね。

そんなヨシタニさんは、最初自費出版で絵本?画集?を作って売っていたのだけど、なかなか売れないし、最後は邪魔になってどんどん人に上げていたら、ある人の目に留まって、画集を出すことになったんだとか。それだけ絵に魅力があったってことですが、自費出版ってヘタに売ろうとするよりも、営業と思って配るというのもアリなんだなーと思いました(てか、これを知って真似する人多そう(笑))。そしてそれがきっかけて「絵本を書いてみないか」という話が来て、今があるんだそう。

ヨシタニさんの作品って、とりとめない思い付きがひたすら続いて行くようなものが多くて、この人って子供の頃から変わってないんだろうなー、子供の頃にどんなこと考えてたか、忘れてないんだろなーって思うんですが、最初の画集でその片鱗があったのでしょうね。

そんなヨシタニさんの画材は、コピックの細いペン。コピックと言えばマーカー。こんな細いペンがあったって初めて知りました。私も使ってみようかなぁ。

そして、大阪会場だけの特別展示として、長谷川義史さんの原画が展示されていました。なんて贅沢な!室井滋さんとのトークイベントもあったんだそう。私は長谷川さんは「ぼくがラーメン食べてるとき」が大好きなんですが、それは置いてなくてガッカリ。あれは絶対読むべき本。

大満足で見終わり、グッズコーナーへ。先ほども書いたけど、一番欲しかった酒井さんのバッジは売り切れで、酒井さんが表紙のアリス特集のMOEバックナンバーと、もうマステは買わない宣言してたのに、大好きな「BとIとRとD」につい手が伸び、樋口さんのネコもかわいすぎて、ついお買い上げ。


                  


MOE40th Anniversary 島田ゆか・酒井駒子・ヒグチユウコ・ヨシタケシンスケ・なかやみわ5人展
2018年12月19日(水)〜2019年1月7日(月)[予定]阪急うめだ本店 
http://www.hankyu-dept.co.jp/honten/h/gallery_moe/


MOEは創刊40周年を迎えます。
これを記念して、5名の絵本作家の原画を約40点ずつ、
合計約200点が一堂に会する展覧会を開催します。

世界観や絵の表現方法、作風などもまったく異なる5名の絵本作家たちの「部屋」をそれぞれに設け、絵本原画とともに「大切にしているもの」を展示。さらに絵本づくりへの思いなどを作家の言葉を通して紹介し、それぞれの絵本の魅力に迫ります。またMOEの40年の歴史をたどることで、その時々の絵本の歩みを振り返る展示も。絵本の多様な魅力と、可能性をお楽しみいただく展覧会です。

さらに、阪急うめだ本店スペシャル企画として、室井滋さん、長谷川義史さんのコーナーを特設。お二人が手がけた最新絵本『すきま地蔵』の原画をこの会場限定で展示します。こちらもお見逃しなく!

MOE 40th Anniversary 5人展
島田ゆか 酒井駒子 ヒグチユウコ
ヨシタケシンスケ なかやみわ

2018年12月19日(水)〜2019年1月7日(月)
大阪・阪急うめだ本店
大阪府大阪市北区角田町8-7
TEL. 06-6361-1381
http://www.hankyu-dept.co.jp/honten/h/gallery_moe/

入場料(税込)
当日|一般800円、高校・中学生600円、小学生以下無料
前売|一般700円、高校・中学生500円
※閉場30分前までにご入場ください。
※催し最終日は午後6時閉場。
※2019年1月1日(火・祝)は休業。
                  


2018年のクリスマス。49歳のクリスマスだわ!(懐)
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2015年10月発売の実話エッセイ。アトピーって痒いだけの病気じゃないんです。

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◇見に行きたい展覧会メモ◇ →展覧会記録■

◆東京◆
民藝 MINGEI -Another Kind of Art展
2018年11月2日(金)〜2019年2月24日(日) 21_21 DESIGN SIGHT
http://www.2121designsight.jp/program/mingei/

岡上淑子 フォトコラージュ 沈黙の奇蹟
2019年1月26日(土)〜4月7日(日) 東京都庭園美術館
https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/190126-0407_okanoue.html

テーマ:ユーモア
2019年3月15日 (金) - 2019年6月30日 (日) 21_21 DESIGN SIGHT

クマのプーさん展
2019年2月9日(土)〜4月14日(日) Bunkamura ザ・ミュージアム
2019年4月27日(土)〜6月30日(日)あべのハルカス美術館
https://wp2019.jp/

ヒグチユウコ展 CIRCUS(サーカス)
2019年1月19日(土)〜3月31日(日)世田谷文学館
ほか、全国巡回予定。
https://higuchiyuko-circus.jp/

バスキア展
2019年9月21日(土)〜11月17日(日)森アーツセンターギャラリー

◆名古屋◆
日本・スウェーデン外交樹立150周年記念
長くつ下のピッピの世界展 〜リンドグレーンが描く北欧の暮らしと子どもたち〜
2019年4月27日(土)〜6月16日(日)松坂屋美術館

クリムト展 ウィーンと日本1900
2019年7月23日(火)〜10月14日(月・祝)豊田市美術館
https://klimt2019.jp/

ムーミン展
2019年12月7日〜2020年1月末 松坂屋美術館

サラ・ベルナールの世界展
2018年11月23日(金・祝)〜2019年3月3日(日)堺 アルフォンス・ミュシャ館
2020年1月頃まで、全国巡回予定。
https://www.sunm.co.jp/sarah/

◆大阪◆
荒木飛呂彦原画展 JOJO ―冒険の波紋―
2018年11月25日(日)〜2019年1月14日(月)大阪文化館・天保山(海遊館となり)
http://jojoex-2018.com/

不思議の国のアリス展
2019年3月16日(土)〜5月26日(日)兵庫県立美術館
http://www.alice2019-20.jp/
名古屋は6番目に巡回予定。


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