ユーモアてん。/SENSE OF HUMOR

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190620_IMG_4710.jpg21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「ユーモアてん。/SENSE OF HUMOR 」を見てきました。
とても興味深くて、大いなる刺激を受けました。

絵描きなので、絵のタッチを見せるような展覧会はもちろん見るのは必須だとしても、思考の方向や発想の仕方のヒントを得るってすごく大事で。面白いクリエイターってたくさんいらっしゃるなぁ、としみじみ感心。

私が気に入ったのは、中村至男さん。

「彼女はリンゴを見ている」(2017年)は、女の子の目の前にと右の棚と左の壁に、リンゴやメロン、バナナなどが置かれている。女の子が見ている時には常にリンゴ、という設定。4枚のモニタで、女の子がどこを向くかで、リンゴの位置が変わる。それを「目の前」「右の棚」「左の壁」「女の子の目」の4枚でシンプルに表現してて、絵も可愛くて、面白い!

「7:14」(2010年)は、ある家の7時14分の風景。(画像一番下の真ん中)
トースターからパンが飛び出すテーブルを軸に、角度や場所を変えて見える風景を並べて行くというもの。
家の外からも飛び出すトーストが見え、街路の大きな時計で時間がわかるというのは心憎い。
これ、好きだなぁ〜〜〜〜〜

和田 誠さんの「似顔絵 浅葉克己」(雑誌『話の特集』1990年5月号表紙)は、いろんな人の似顔絵。
わりといろんなタッチで描かれている。安西水丸さんは、学校の先生でもあるので、すぐにわかった。
水丸さんとの共作も展示されていた。(画像真ん中一番右)
タッチは全く違うお二方なのだけど、不思議に木の絵はとてもよく似ている。

クリヨウジ(久里洋二)さんのアニメーション(「LOVE」(1963年)など)はすごく面白かったのだけど
上の方に展示され過ぎてて、首が疲れてしまった。

今回のは昨年の野獣展に比べるとわかりやすくてホッとした。

東京と名古屋の差って、こういうものを気軽に見られるかどうかってことのように思う。
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ディレクター
ユーモアと聞いて...最初は、五大陸の笑いを探して歩く旅をしようと深圳、香港、ニュージーランド、メキシコと探し回ったが意外とむずかしい。30年はかかってしまうなあと氣が付いた。

今、僕の机の上には2017年秋に三宅一生さん、佐藤 卓さんと訪ねた、八ヶ岳の茅野、そこで出会った縄文時代の仮面の女神の等身大の置物がある。三角の仮面をつけた表現だが、毎日見ていても笑える。一万年も前のことを考えると氣が遠くなってしまうが、笑いは現在までずーっと続いている。

時間軸や空間軸を超えて、会場は必ずゴチャゴチャにしたい。こんなモノやあんなモノが交差し交換する。メキシコの旅から帰ってきて、すぐにノーベル賞作家のM.A.アストゥリアスの『マヤの三つの太陽』(岸本静江訳 新潮社 1979年)を取り寄せた。読んでみると...
「あたり一面が骨肉の争いを演じていた。椅子は椅子に突き当たった。ナイフはナイフに、フォークはフォークに、スプーンはスプーンに、ソース入れはソース入れに、皿は皿に、盃は盃に、コップはコップに、ナプキンはナプキンに、爪楊枝は爪楊枝に、灰皿は灰皿に、静止画の果物は天然の果物に、天然の果物は蝋細工の果物に、小ぶりのナイフと小ぶりのフォークをのせた魚料理用の食器一式は魚料理用の大振りの食器一式に、壜は壜に、食卓用水差しは食卓用水差しに、音もなく...それがみんな音もなく、音もなく、音もなく...死にものぐるいの戦いだ......」
このシュルレアリスムの文体が最後まで続く。21_21 DESIGN SIGHTの会場はこんな風になるのでは...。と想像した。

晴海埠頭の作品倉庫から漆塗りの世界地図が出てきた。世界は、この国々で回っているのだ。浅葉克己が地球僻地探検家として、今までに地球を歩き回って見てきたモノ、集めてきたモノたちと、身の回りのモノを並べてみることにした。

すると、モノとモノが共鳴し合い(あるいは不協和音を奏で)、時間も場所も言葉も意味も超えた不可解だが愉快な、訳のわからぬ「何か」を発し始めた。

人間の笑いは、どこから来るのか。ユーモアの本質とはどこにあるのだろうか。ひとりで笑うこともあるが(孤独な笑い、ブラックユーモアというのか)、人間は誰かと会って、これ面白いよねと同意して笑うこともある。時代や国や文化によって異なるユーモア感覚もあるが、すべてを超えた笑いも存在するのではないだろうか。

あまねく地球上に存在するすべてのユーモアの源泉を集めてみたい。表現は異なるかもしれないが、小さな笑い、大きな笑い、爆笑、失笑、艶笑、冷笑、微笑、苦笑...。ひとつひとつを拾いだし、一堂に見てみたい。

.罅璽皀△録瓦鯱造泙擦襦▲罅璽皀△楼鼎ぽ羯ちをひきたてる。
ユーモアの中身は複雑であるが、このふたつを頭の隅に置いて見てほしい。

ユーモアは、コミュニケーションの本質だ。

浅葉克己
21_21 DESIGN SIGHTでは、2019年3月15日より、企画展「ユーモアてん。/SENSE OF HUMOR 」を開催します。展覧会ディレクターには、アートディレクターとして時代を牽引し続ける浅葉克己を迎えます。

世界中を旅しながら、各地で様々な人々やモノたちに出会ってきた浅葉にとって、「ユーモア」とは、コミュニケーションにおける最も大切な感性のひとつです。
本展では、グラフィックデザインを通して人々を楽しませ続けてきた浅葉が国内外から集め、その活動のインスピレーションのもととなっている資料やファウンド・オブジェとともに、浅葉がそのセンスにおいてユーモアのシンパシーを感じているデザイナーやアーティストの作品を一堂に集めます。

価値があるとされるもの、価値が未だ見出されていないもの、人がつくったもの、自然のなかから生まれたもの。時代や国を超えた人々の営みから生み出されたユーモアのかたちと表現を一望することで、私たちは日々の営みのなかにある身近なユーモアを見つめ直すことになるでしょう。そして、そこにあるユーモアの感性こそが、デザインやものづくりにおいて重要な、コミュニケーションの本質のひとつと言えるのかもしれません。

◆会期   2019年3月15日(金) - 6月30日(日)
◆会場   21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2
◆休館日  火曜日(4月30日は開館)
◆開館時間 10:00 - 19:00(入場は18:30まで)
      *六本木アートナイト特別開館時間:5月25日(土)10:00 - 23:30(入場は23:00まで)
◆入館料  一般 1,100円、大学生 800円、高校生 500円、中学生以下無料
      各種割引についてはをご覧ください
◆主催   21_21 DESIGN SIGHT、公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団
◆後援   文化庁、経済産業省、港区教育委員会
◆助成   在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
◆特別協賛 三井不動産株式会社
◆協力   株式会社グリーンディスプレイ、株式会社タマス、公益財団法人DNP文化振興財団 
◆企画協力 中村至男、鈴野浩一/トラフ建築設計事務所、上條桂子
◆参加作家 
   赤木 仁、anothermountainman(又一山人/スタンリー・ウォン)、ロン・アラッド、浅葉 春、
   シュー・ビン、福田繁雄、GOO CHOKI PAR、早川祐太、ジャンピン・ヘ、日比野克彦、細谷 巖、
   井上嗣也、金子國義、加納典明、バスター・キートン、クリヨウジ(久里洋二)、トミー・リー、
   仲條正義、中村至男、ディーン・プール、ダミアン・プーラン、サイトウ・P・ヒロヒサ、瀧口修造、
   玉屋庄兵衛、立石大河亞、上野真未、トミー・ウンゲラー、和田 誠、渡辺紘平、山本修平、四谷シモン、
   ジョン・ウッド&ポール・ハリソン

◆展覧会ディレクター、グラフィックデザイン 浅葉克己
◆21_21 DESIGN SIGHTディレクター    三宅一生、佐藤 卓、深澤直人
◆アソシエイト・ディレクター        川上典李子

◆ご来場に関するご注意
本展では、展示内容の一部に、性的・暴力的表現を含む刺激の強い作品が含まれています。
また、社会風刺の要素を含む作品も一部展示していますので、ご入場前にその旨ご確認のうえ、予めご了承いただきますようお願いいたします。

なお、春画など、特に刺激が強いと思われる作品は、18歳以上の方に限り立ち入り可能なエリアに展示し、18歳未満の方の鑑賞は、ご遠慮いただいております。

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食べたものの記録:6/10(月)〜6/12(水)
え〜ほん展最後の追い込みで、死にそうになりつつ、でも食べるのは辞めない。
途中のソバ屋は楽しい打合せ。よかったなぁ。
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2015年10月発売の実話エッセイ。アトピーって痒いだけの病気じゃないんです。

アトピーの夫と暮らしています



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◇見に行きたい展覧会メモ◇ →展覧会記録■

◆東京◆
The Nature Rules 自然国家:Dreaming of Earth Project
2019年4月13日[土]〜2019年7月28日[日] 原美術館

台所見聞録−人と暮らしの万華鏡−
2019年6月6日(木)〜2019年8月24日(土) 
特別展 宮内省御用達 川島織物と明治宮殿
2019年4月20日(土)〜2019年6月25日(火)
LIXILギャラリー

ジョン・ルーリー展 Walk this way
2019 年4月 5日[金]− 7月 7 日[日] ワタリウム美術館

キスリング展 エコール・ド・パリの夢
2019年4月20日(土)– 7月7日(日) 東京都庭園美術館

ショーン・タンの世界展
2019年5月11日(土)〜7月28日(日)ちひろ美術館東京
http://www.artkarte.art/shauntan/

原田治 展 「かわいい」の発見
Osamu Harada: Finding “KAWAII”
2019年7月13日(土)〜9月23日(月・祝) 世田谷文学館

バスキア展
2019年9月21日(土)〜11月17日(日)森アーツセンターギャラリー

ミナ ペルホネン/皆川明 つづく
2019年11月16日(土)〜2020年02月16日(日)東京都現代美術館

みんなのレオ・レオーニ展
2019年7月13日(土)〜9月29日(日)東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館

◆名古屋◆
キャラクターデザインの先駆者 グラフィック・デザイナー土方重巳の世界展
2019年4月20日(土)から2019年6月2日(日)刈谷市美術館

特別展 星をみつめるどうぶつたち〜はしもとみおの世界展
2019年4月20 日(土)〜 2019年6 月2日(日)四日市立博物館

クリムト展 ウィーンと日本1900
2019年7月23日(火)〜10月14日(月・祝)豊田市美術館
https://klimt2019.jp/

ムーミン展
2019年12月7日〜2020年1月末 松坂屋美術館

サラ・ベルナールの世界展
2018年11月23日(金・祝)〜2019年3月3日(日)堺 アルフォンス・ミュシャ館
2020年1月頃まで、全国巡回予定。
https://www.sunm.co.jp/sarah/

木梨憲武展 Timing‐瞬間の光り‐
2019年9月13日(金)〜10月20日(日)松坂屋美術館

不思議の国のアリス展
2020年4月18日(土)−6月14日(日)名古屋市内の美術館(未定)
http://www.alice2019-20.jp/

◆大阪◆
ヒグチユウコ展 CIRCUS(サーカス)
2019年6月15日(土)〜9月1日(日) 神戸ゆかりの美術館

クマのプーさん展
2019年4月27日(土)〜6月30日(日)あべのハルカス美術館
https://wp2019.jp/

ルート・ブリュック 蝶の軌跡
2019年9月7日(土)〜10月20日(日)伊丹市立美術館
https://rutbryk.jp/

ショーン・タンの世界展
2019年9月21日(土)〜10月14日(月・祝)美術館「えき」KYOTO
http://www.artkarte.art/shauntan/


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