せなけいこ展

191106_MG_8266.jpg191106_senakeiko_omote.jpg191106_senakeiko_ura.jpgimg3_06.jpg191106_MG_8298.jpg191106_IMG_0643.jpg刈谷市美術館まで「せなけいこ展」を観に行きました。
実はこれまで、おばけの人、切絵の偉大な絵本作家という印象のみで詳しいことは存じあげず。この展覧会はそんな私のような人のために絵本作家以前のせなけいこさんにスポットを当てているのだそうです。
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せなさんは、絵本作家としてデビューするまでにも、雑誌・書籍のイラストや紙芝居、フィルムに光を当てて投影する「幻燈」などの仕事で活躍されておられました。イラストレーターとしても一流だったんですね。
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さすがとてもお上手でしたが、割と渋いものも描かれていました。「幻燈」はのちの絵本の作風を彷彿とさせるようなタッチでした。やはり、絵本作家前夜にものちの絵本活動に繋がるような活動はされておられたんだなーというのがここで感じたポイント。これまであまり知られていなかった資料と共に、絵本デビュー前の歩みが展示されていました。

せなさんの絵本はシンプルなタッチが持ち味ですが、その中でも少しずつ変わって行くのがわかりました。最初の頃はチラシのようにちぎっていて、それが良い味わいでしたが、そのうちはさみで切るようになり、さらにシンプルに洗練されて行きます。はさみで切るよりも手でちぎる方が手間はかかりますが「味わい」を出すことは容易です。それでものちの切絵はキチンと味わいが感じられます。そこがすごいのだなぁ。。。
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ちぎり絵から切絵になることでさらに細かい表現も可能に。おばけの銭湯の入り口が作られていて、うきうきくぐっちゃいました。子供か(笑)

よく使う柄はお気に入りの包装紙で、お弁当やデパートで買い物するとキチンと取って置いたんだそうです。特にお気に入りが上でウサギが着ている緑のチェックの服。こういう包装紙ってどこのかわかるとまずいのかな?なんて思ってたんですが、全然問題ないんですね。そういえば、お笑い芸人が某デパートの紙袋と同じ柄の服を着てることで話題になりましたが、別に叱られたりはしてないですもんねぇ。
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和紙やレースを使ってすかしたり、いろいろな工夫も楽しかったです。せなさんは基本輪郭線を描かれませんが、細かいところは当たり前のように入っていました。といってもペンでササッと入れているのではなく、きちんと切絵で入れておられたので、さすが!!私はそういうところ頑なになりがちで。シンプルなわかりやすさって大事だなぁと感じる次第。。。

あとはお子さんの存在がとても大きいのを感じました。お子さんたちをモチーフに描かれた作品は多く、お子さんは「いい子にしてないとお母さんに絵本にされちゃうぞ」と言い合っていたのだそう。ほほえましいですね。私の周りには子供のいない絵本作家も多く、いてもいなくても、いいものを描けるかどうかには関係ないのかもしれません。でもせなさんの場合は、実際に子と過ごす視点があってこそのこの世界観なのだと感じました。

美術館ホールに設けられた図書コーナーのカワイイテーブル。
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いつのまにか11月。まだとても暖かい日でしたが、美術館のハナミズキの木は美しく紅葉していました。ハナミズキは春に咲く花ももちろん美しいのですが、秋の紅葉はもっと美しいと思います。真っ赤になり切る前の複雑な色合いが水彩画のようで、いつもうっとりします。

美術館向かいのおいしいパン屋さんでのんびりおやつタイムのあと、ゆったりと帰路に着きました。

公式サイト https://www.asahi.com/event/senakeiko50th/

絵本作家・せなけいこ(1931年から)は1969年、37歳の時、子育てをしながら「いやだいやだの絵本」4冊で本格的にデビューしました。シンプルで独創的な貼り絵の手法で生まれた名作絵本の数々は、世代を越えて多くの親子に読み継がれています。代表作『ねないこだれだ』発表50周年を記念した本展では、絵本原画を中心に、スケッチ帳や貼り絵の素材なども併せて展示し、これまでの仕事を振り返るとともに、その魅力を楽しくご紹介します。

会期    : 2019年9月21日(土)〜11月10日(日)
休館日   : 月曜日(ただし、9月23日、10月14日、11月4日は開館)、
        9月24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火)
会場    : 刈谷市美術館(愛知県刈谷市住吉町4-5)
美術館サイト: https://www.city.kariya.lg.jp/museum/
開館時間  : 9:00〜17:00
観覧料   : 前売券・団体(20名以上)券
        一般 700円 / 学生 500円 / 中学生以下 無料
        当日券
        一般 900円 / 学生 700円 / 中学生以下 無料
        ※前売券は、刈谷市美術館、刈谷駅前観光案内所、刈谷市総合文化センター、
         高浜市やきものの里かわら美術館、チケットぴあ(Pコード:769-859)の
         取り扱いのあるコンビニ等で9月20日(金)まで販売。
        ※身体障害者、精神障害者保健福祉、療育の各手帳所持者及び付き添いの方(1名)は
         入場無料。入館の際に手帳をご提示ください。
問い合わせ : 刈谷市美術館  0566-23-1636(代表)
主催    : 刈谷市美術館、朝日新聞社
後援    : 一般社団法人日本国際児童図書評議会(JBBY)、絵本学会、愛知県教育委員会
協力   : 偕成社、KADOKAWA、金の星社、鈴木出版、童心社、福音館書店、ポプラ社

Profile
せなけいこ
1931年、東京都生まれ。童画家の武井武雄に師事して絵を学びながら、「貼り絵」を表現技法として見いだす。カット絵や幻燈、紙芝居などの仕事でキャリアを積み、1969年「いやだいやだの絵本」(福音館書店)4冊シリーズで絵本作家としてデビュー。代表作に、「あーんあんの絵本」(全4冊・福音館書店)、「おおきくなりたい」(全4冊・偕成社)、「めがねうさぎ」シリーズ(ポプラ社)、「おばけえほん」シリーズ(童心社)などがある。
                  


食べたものの記録:9/30(月)〜10/5(土)
まだまだ暑くてビールがうまいけど、果物で秋を取りこんでみていた、そんな時期。
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◇見に行きたい展覧会メモ◇ →展覧会記録■

◆東京◆
フィリップ・パレーノ展
2019年11月2日(土)→ 2020年3月22日(日)ワタリウム美術館
http://www.watarium.co.jp/exhibition/1910pareno/index.html

バスキア展
2019年9月21日(土)〜11月17日(日)森アーツセンターギャラリー
https://macg.roppongihills.com/jp/exhibitions/basquiat/index.html
https://www.basquiat.tokyo/

ミナ ペルホネン/皆川明 つづく
2019年11月16日(土)〜2020年02月16日(日)東京都現代美術館
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/minagawa-akira-tsuzuku/
https://mina-tsuzuku.jp/

◆名古屋◆
ムーミン展
2019年12月7日〜2020年1月末 松坂屋美術館

サラ・ベルナールの世界展
2018年11月23日(金・祝)〜2019年3月3日(日)堺 アルフォンス・ミュシャ館
2020年1月頃まで、全国巡回予定。
https://www.sunm.co.jp/sarah/

不思議の国のアリス展
2020年4月18日(土)−6月14日(日)名古屋市内の美術館(未定)
http://www.alice2019-20.jp/

◆大阪◆
萩尾望都 ポーの一族展
2019年12月4日(水)〜12月16日(月) 阪急うめだ本店
https://www.asahi.com/event/poeten/




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