GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は? GENKYO YOKOO TADANORI

210410_yokoo01s.jpg2021.04.07 Wednesday
愛知県美術館の横尾忠則さんの個展「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」へ。

会期が明日11日までなので焦ってUP。とはいえこの展覧会、愛知がトップバッターで、夏には東京に、冬には大分に巡回予定なので、まだまだこれからのお楽しみなのだ。

横尾さんは2008年世田谷2010年大阪国際2013年豊島に続いて4回目なのに、また行ってしまった。どんだけ横尾さん好きなのだ。

そしてまた千本ノックに打たれてきた。大阪のポスター展の打たれっぷりには勝てないだろうと思ったけど、全然負けてない。すごい作品量。

今一番話題の名古屋ボストン美術館跡で開催中のバンクシー展はまだ行ってないのに。バンクシーも貴重だけど、横尾さんも東海地方では初の大規模個展で、とっても貴重な展示で必見。

世田谷美術館での2008年の展覧会からすでに干支が一周し、その後描かれた最新作は新しい世界観を構築していた。世田谷の図録と見比べると、同じ絵もあり、似てるけどちょっと違った絵もあって。

横尾さんといえば、全身ピンクでかなりピンク(エロ)っぽい女の子のシリーズ「ピンクガール」や、様々なY字路をひたすら描く「Y字路シリーズ」など、何十年も描き続けているモチーフがあることが特徴の一つ。

この「よく似た絵」や「同じモチーフが何度も登場する」のって、描いてて飽きたり、しんどくなったりしないのか、と思うのだ。そもそも巨大な絵を1枚描き上げるって相当パワーが必要。

同じモチーフで描き続けられるモチベーションとか体力とか、ホントすごいなーとただただ感嘆するしかない。


                


横尾さんにはいろいろ好きなシリーズがあるけど、特に好きなのは、アンリ・ルソーへのオマージュ。
これは、ルソーの自画像として有名な作品。
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それを横尾さんが描くとこうなる。
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この絵のタイトルは「正確な寸法で描かれたルソー像」。世田谷でこれを見た時、大爆笑。

念のためいうと、下の方に小さく描かれているのがルソー。
それをわかりやすくするために、元の絵と同じ位置に絵の具のパレットを残している。

思いっきりディスってますやん、て感じですが、ルソーへの愛ゆえに描けるのね、きっと。

今回も展示されております、ルソー・シリーズ。


                


先月の終わりにダリ展に行ってきたばかりなのですが、横尾さんにはダリとの共通点が多いように感じる。
(これは2008年にすでに書いてる)

なんといっても卓越した技術力と幻想世界が融合していること。

そして、絵画の世界にとどまらず、様々な創作活動をしていること。


技術に関しては、2008年世田谷美術館個展の際に「ほぼ日」の糸井さんのインタビューに、横尾さんはこんな風に答えている。

https://www.1101.com/boukenooooo/2008-06-06.html

ぼくはすべて、技術がテーマなんですよ。
もう、技術しかないんです。
イメージなんか、どうでもいいわけ。
やっぱり、絵画は技術です。
イメージは何でもいい。
もう、そこにあるもの、
出会ったもので、いいんじゃないかな。
つい「何を描くか」が先にあって、それを表現するために技術を磨こうとするんだけど、先に技術を磨いてあれば、何を描くかなんてどっちでもいいことなのだ、ということですね。

いやはや、耳が痛い。。。


今回が今までと一番違うのは、改めて、戦争体験や幼児期の想い出が作品にどう影響を与えたかを感じながら鑑賞できたこと。さらに作品世界が理解できたような気がする。

大量の絵画の展示が終わった後には、コロナ禍の中でマスクをつけた横尾作品の画像が大量に紹介されていて、千本ノックは終わらない。壁一面の横尾さんの滝写真コレクション全展示とともに「東海地方初」らしい意気込みを感じた、素晴らしい展覧会だった。


                
『冒険王・横尾忠則 初公開!60年代未公開作品から最新絵画まで』
https://hiyoko.tv/journal/log/museum/eid1351.html
『横尾忠則全ポスターThe Complete Posters of Tadanori Yokoo』(国立国際美術館)
https://hiyoko.tv/journal/log/museum/eid1892.html
豊島横尾館
https://hiyoko.tv/journal/log/museum/eid818.html
画家、横尾忠則。東海地方初の大規模個展!
本展は、絵の好きな少年時代から新作まで、絵画を中心にグラフィック作品を加えた600点以上の膨大な作品によって、横尾の生涯の展開をたどりながら、その芸術の全貌を明らかにします。

[展覧会のみどころ]・・・「GENKYO」をキーワードに横尾忠則の内面や人生を色濃く反映する世界に分け入ります。
第1章 原郷から
コブナ少年が芸術に生きることを決意するまで
横尾忠則は、1936年6月27日、現在の兵庫県西脇市に生まれました。
3歳の時に、実父の兄で呉服商を営んでいた夫婦の養子となります。
歳のいった養父母に一人っ子として溺愛されて育った横尾は、川でコブナ捕りに熱中した西脇での幸福な少年時代を反芻し、のちに多くの作品に描いています。
高校入学後、東京から赴任した美術教師の影響で油絵を始め、美術の道を志した横尾は、西脇市のポスター・コンクールに応募し入賞しました。
高校卒業後は、加古川の印刷所勤めを経て、1956年にデザイナーとして神戸新聞社に入社し、デザインの道に進んでいきます。
第1章では、「原郷」から地上に降り立った横尾の西脇・神戸での青少年期を探ります。
第2章 越境
アートとデザインを往還しながら
1960年、横尾は上京し、精鋭のデザイナーたちが集う日本デザインセンターに入社し、モダニズム・デザインの潮流の只中で技を磨いていきます。
日本の土俗的なモティーフとポップ・アート的な感覚を融合した、人目を引き感情を揺さぶる横尾デザインは、30代には早くも世界的な評価を獲得しました。
また、既成の枠組みや社会通念を軽やかに乗り越え、自由に創造活動を展開する横尾の姿は、若者の注目と支持を集め、「アングラ」の旗手として、三島由紀夫、大島渚、寺山修司、高倉健、浅丘ルリ子といった文化人たちとの交友が始まるようになりました。
第2章では、イラストレーターとしてのみならず、グラフィック・デザインから絵画、版画、舞台美術、建築、映画出演、小説へと越境的に活躍の場を拡げていく横尾の活動を展覧します。
第3章 幻境
森羅万象の画家
1980年代に入って、横尾はグラフィック・デザインから絵画へと活動領域を移します。
いわゆる「画家宣言」です。そのきっかけとなったのは、1980年にニューヨークでピカソの大回顧展に衝撃を受けたことでした。
絵画に専念した横尾は、同時代の新表現主義の海外作家たちから刺激を受けつつ、画家としての自己を確立しようと、様々な試みを行いました。
自然の中の肉体を描き、日本神話のような「大きな物語」に取り組んだり、絵画の中に異質な要素をコラージュし、カンヴァスの上にカンヴァスを重ねて画面を複層化するなどの手法を行ったりしています。
実験的な試みを重ねていくなかで、「滝」の連作や涅槃シリーズ、赤の時代といった、死者や霊的な存在、夢の啓示や宇宙、異世界のイメージを自在に呼び起こし、実在の世界と幻の世界の境を軽やかに行き来する絵画を作り出します。
第3章では、様々な試行錯誤を経て、横尾の作品が森羅万象をモティーフとして受け入れる絵画へと進化を遂げていく様子を見ることができます。
第4章 現況
Y字路の彼方に原郷を訪ねる
2000年以降の横尾忠則の絵画の展開に大きな比重を占める「Y字路」シリーズは、横尾の郷里・西脇で、Y字路(三叉路)の角にあった模型屋が取り壊された跡をたまたま写真に撮ったことから生まれました。
忠実にカンヴァスに写し取られた、ひと気のない夜の町並みには、いつかどこかで通り過ぎたことがあるような既視感と決定的なよそよそしさとが同居しています。
「Y字路」シリーズは、横尾個人の記憶から立ち現れた幻とともに、バブル後の沈滞する現代日本の闇に浮かぶ昭和的世界の亡霊をも描き出しており、多くの人々の心を掴みました。
また、「ピンクガールズ」のように、過去の自作をも次々と引用し、反復や変奏を行いながら数多の作品を生み出す様子は、オリジナリティを何よりも重視する考え方に対する挑戦をも見て取ることができます。
第4章では、80歳をゆうに超えて、なお新たな創造へと向かっている横尾の現在地に迫ります。
WITH CORONA
2020年5月。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、横尾は自分の作品や写真を素材に、マスクをコラージュした「WITH CORONA」シリーズをツイッターとブログで発信し始めました。その数はすでに数百点に及び、いまなお毎日増え続けています。
横尾忠則(1936年生まれ)は、1960年代初頭よりグラフィック・デザイナーとして活動を開始し、日本の土俗的なモティーフとポップ・アート的な感覚とを融合させた独自の表現で注目されました。
1980年代には「デザイナー」から「画家・芸術家」へと活動領域を移し、斬新なテーマと表現による作品を次々と発表して、国内外で現代美術家としても高く評価されています。
 横尾の作品には、自伝的なエピソードや記憶を主題としたもの、自己言及的なものが少なくありません。自己の芸術についての「語り」は、横尾の芸術の重要な要素です。この意味において、最近の作品に現れる「原郷」という概念は、特に重要です。画家が繰り返し立ち戻り、様々なイメージや記憶の連関を見出している、鬱蒼とした森のような領域。この「原郷」こそが、変幻自在でいつも新鮮な驚きをもたらしてくれる、その独特なイメージの原郷なのです。
 東海地方の美術館で開催される、初めての大規模な個展となる本展は、絵画を中心にグラフィック作品を加えた豊富な出品作品によって、横尾の生涯の展開をたどりながら、その芸術の全貌を明らかにするものです。

会場     愛知県美術館[愛知芸術文化センター 10階] https://www-art.aac.pref.aichi.jp/
会期     2021年1月15日(金)〜4月11日(日)[75日間]
開館時間   10:00〜 18:00 金曜日は 20:00まで(入館は閉館 30分前まで)
休館日    月曜日
観覧料    一般 1,500(1,300)円 / 高校・大学生 1,200(1,000)円 / 中学生以下無料
アクセス   地下鉄東山線・名城線「栄」駅/名鉄瀬戸線「栄町」駅下車、オアシス 21連絡通路利用徒歩3分
主催      愛知県美術館、メ〜テレ、朝日新聞社
特別協力    横尾忠則現代美術館、国立国際美術館
企画監修    愛知県美術館 館長 南 雄介

                


2021.04.07 Wednesday
10本ノックTwitter、スタート。

確定申告ついにあとは印刷するだけ!やった!
しかし半分くらいで黄色がなくなり「黒だけ印刷」で何とか!と祈るも、まさかの「残り1枚」で黒が無くなる。
黒だけは在庫があったので取り替えたけどピクリとも動かず。
このカラーもそろってないとモノクロ印刷できない仕様、どうにかしてくれい(大泣)


                


2021.04.07 Wednesday
#ちょやん 戦時中に役者が農家の人から「あんたたちも少しは人の役に立つことしいや」と言われて悩むという図式、このコロナ禍でも同じで。
先日サンドの #プロフェッショナル で「人の役に立つ仕事がしたい」という少年に伊達ちゃんが「仕事って大抵人の役に立つけどね」とさらりと言ってて。

芸術や芸能の分野って、農家や医療などの「わかりやすく」人の役に立つ仕事と違う。でも人は食べるだけでは生きていけないし、人に笑いや涙や感動を与えるのだって「役に立つ仕事」なはず。
詐欺などの犯罪以外は、どんな仕事だって誰かの役に立ってる。クリエイターは、みんな胸張って仕事しよう。


                


2021.04.07 Wednesday
「鬼滅の曲ってなんだっけ?あ、そうだ、ほこら!」「ほむらだよ!」「ほこらはドラクエか!」という「ほこら」「ほむら」区別付かない問題が勃発してるんじゃないか?と思う今日この頃(わたしだけか)。ドラクエ が鬼滅コラボ したら楽しいのにという妄想だけが止まらない。


                


2021.04.07 Wednesday
最近NHKの10時と14時の5分間の体操が夫婦の日課。
ラジオ体操第一 だけでぜーぜー言ってる中年夫婦。なんなら最初の深呼吸的な背中伸ばしだけでも疲れる。
子どもの頃「こんな楽なの体操じゃない」ってダラダラやってて すみませんすみませんすみません未来の私。

ってつぶやいてたら、オットが「ダラダラやってたから楽だったんだよね。今真剣だもんね、僕たち」と言ってた。
確かに!
真剣にラジオ体操、マジ運動不足にいいよ!テレビで見てもラジオ体操!ってとこもいいよねw

                


2021.04.08 Thursday
うっかり生きていてはいかんのだな、と改めて思った。
いい人がいて、いいことをしたいと思っていても、それがすべていい結果を呼ぶとは限らない。
想いが強すぎたり、知識や準備が足りなかったりすることで、思いもよらぬトラブルになることもある。
その結果、壊れなくていい人間関係が壊れたり。

今も面倒な交渉事をいくつも抱えていて、どれも関わる人はみんないい人ばかりで。
でもなぜかうまく行かないことが多くて。
自分自身の仕事や将来を守るためには、キチンと自分の権利を主張したり守る必要がある。
でもその結果、いい人を責めてしまうことになるのが辛くて。今はただただしんどい。


                


2021.04.08 Thursday
今一番欲しい才能は絵でも文章でもなく、いつでもどこでもパタッと眠れる能力、かもしれない。
ひどく落ち込んで、いろいろ作業効率が悪いに決まっているのに、無駄に起きていてしまった。
こういうことは実はよくあるけど寝ようとしたって無理なのはわかってる。
小学生の頃から筋金入りの不眠症なのだ。


                


2021.04.08 Thursday
確定申告続き。昨日インクを買って残り2枚を印刷した。
寝不足で頭がもうろうとしてる中で、マイナンバーなどの書類揃えて。
さて送ろうと思ったら封筒が2枚(夫と二人分)しかない。足りない。
今年は絶対返信用封筒も送らねば。去年と同じ轍は踏まない。
今日は封筒買いに行くまでで、明日送ればいいか。


                


2021.04.08 Thursday
コロナの前からずっと家にいるけど、全然おうち時間を楽しくなんてできてない。
急に家にいることになって時間ができておうち時間を楽しんでる人は、元から家で仕事してる人がみんなそうだと思ってるんじゃないか。
そんなわけない。仕事と遊びの時間を切り離せず、ずうっと仕事してる。不満はないけど。

「仕事が忙しい」というと「いいですね売れっ子で」と言われるけど、仕事とはお金が発生するとは限らず。
・確定申告などの事務的なこと
・見積もりなどのメールのやり取り(徒労も多い)
・SNSやWebsiteなどの管理
・営業のための絵を描くこと
なども含まれるのだ。一人会社なのだよ、フリーって。


                


2020年9月発売の新刊です。
どうぞよろしくお願い致します♡



                  


◇見に行きたい展覧会メモ◇ →展覧会記録■

◆東京◆
佐藤可士和展
2021年2月3日(水)〜5月10日(月)10:00〜18:00 国立新美術館 企画展示室1E
https://www.nact.jp/exhibition_special/2020/kashiwasato2020/
https://kashiwasato2020.com/

トランスレーションズ展 −『わかりあえなさ』をわかりあおう
2020年10月16日(金) - 2021年3月7日(日) 11:00〜17:30 21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2
http://www.2121designsight.jp/program/translations/

20世紀のポスター[図像と文字の風景]――ビジュアルコミュニケーションは可能か?
2021年1月30日(土)−4月11日(日) 10:00〜18:00 東京都庭園美術館(本館+新館)
https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/210130-0411_ConstructivePostersOfThe20th.html


◆名古屋◆
GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は? GENKYO YOKOO TADANORI
2021年1月15日(金)〜4月11日(日) 10:00〜18:00 愛知県美術館(愛知芸術文化センター10階)
https://www-art.aac.pref.aichi.jp/exhibition/000273.html
https://genkyo-tadanoriyokoo.exhibit.jp/

バンクシー展 天才か反逆者か
2021年2月3日(水)〜5月31日(月)10:00〜20:00 旧名古屋ボストン美術館(金山南ビル)
https://banksyexhibition.jp/

トライアローグ
2021年4月23日(金)〜 6月27日(日)※予定 10:00〜18:00 愛知県美術館(愛知芸術文化センター10階)

岩合光昭写真展 どうぶつ家族/ねこ科
2021年4月3日(土)〜5月16日(日)(予定)10:00〜17:00 岡崎市美術博物館
https://www.city.okazaki.lg.jp/museum/exhibition/openexhibition/p026571.html

生誕150年記念 モンドリアン展
2021年7月10日(土)〜9月20日(月)豊田市美術館


◆大阪◆
時間〜TIME BOWIE×KYOTO×SUKITA 鋤田正義写真展
2021年4月3日(土)〜5月5日(水・祝)※会期中無休 10:00〜19:30 
美術館「えき」KYOTO
https://kyoto.wjr-isetan.co.jp/museum/exhibition_2104.html

ミケル・バルセロ展
2021年3月20日(土・祝)−5月30日(日)10:00〜17:00 国立国際美術館
https://www.nmao.go.jp/exhibition/2021/post_miquel.html

原田治 展「かわいい」の発見
2021年7月3日(土)〜8月29日(日)10:00〜18:00 神戸ファッション美術館
https://fashionmuseum.or.jp



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