本の備忘録 vol.24 Oct.5〜 Oct.9 夢のコラボ。

201005_2318_n.jpg201005_IMG_7722.jpg2020.10.05 Monday
今日は早朝から宮田の撮影仕事にお付き合い。大所帯でオアシス21を貸し切り。『ナゴヤ愛』とも連動して、すごく楽しくエキサイティングなお仕事!言いたくてウズウズ。でもまだナイショ。
なんて書いてたら、Twitterにこんな写真が上がってた。
201005_Bez2.jpg
真ん中の方が手にしているのは・・・

Twitterでパルコのカルロバさんに「ナゴヤ愛」が入荷したと出てきたので、早朝の撮影後お邪魔してみたら、入り口すぐの地元本コーナーに置いて下さってました。トリコさんと「芸処名古屋」に挟まれ、太田先生、大竹さん、Swindさんや岡田さんの会社制作の「シャバーニ」絵本もあって、知り合いまるけでうれしいー!
そして、不思議な縁というか、追い風というのでしょうか。東京の知人経由で本のプロモーションにつながるお話をいただいたり、ビックリするような媒体から取材の申し込みがあったり。ちょっと戸惑うほどですが、一つ一つ丁寧に対応して行きたいと思います。


                  


2020.10.08 Thursday
宮田と付き合い始めた頃、彼はサラリーマンで、小さなコンデジで写真を撮っていた。それでもこの人は面白い写真を撮ると感じた。そう伝えると「自分もデザイナーとかアート系の方向に行くことも考えたけれど、親戚にそんなのがゴロゴロしているので、このレベルが普通なら無理かな、とあきらめてしまった」と言われた。
「あきらめる必要ないんじゃない?」そう年上の余裕をかまして偉そうに言っていたけれど、その時は知らなかったのだ。彼の親族がどんな人たちか。

義母の弟である叔父はその昔、東北新社でCMのプロデューサーをしていて、今も触れれば切れそうなほど眼光が鋭い。結婚してすぐに、汐留のアドミュージアムで宮田と一緒に、叔父の撮ったCMを見てため息が出た。
別の叔父は、あの80年代を代表するビートロックバンド(マジであの4人組)と函館出身の超人気ロックバンド(やっぱりあの4人組)のCDジャケット(私も持ってる!)やステージのアートディレクションを手掛けた人で、ジャケットにもWikiにも名前が掲載されていて震えた。
従兄は京都にある美術系大学で教鞭をとるデザイナーだし、別の従兄も。。。と言い出すとキリがないほどアートな親族なのだ。でも誰もお互いのコネを使わないのが彼らのモットー。みな自力でそこまで行ったのだ。だから宮田がカメラマンになっても「勝手にどーぞ」という感じ。

まぁそんなわけで、大きな仕事をするたびに、誰の評価よりもオットの親族の評価が恐ろしかった。と同時に、彼が「このレベルが普通なら無理だ」とあきらめかけたのも無理はないと思ったし、逆に彼の写真に光るものを感じた自分の目は間違ってなかったと感じた。

今回の本「ナゴヤ愛」、京都で大学の助教をしているデザイナーの従兄から買ったと連絡が来た。それからしばらくして、宮田が興奮気味に画面を見せてきた。それは従兄からのメールで「面白い!取材力が凄い!ナゴヤに行きたくなったよー」と書かれていた。
正直、親族だからといって褒めてくれるような人たちではないので、ああ、これで人に読んでもらっても大丈夫だ、とやっと安心できた。
というか、そこでようやく宮田の両親にも送ることができた。その後義母は元東北新社の叔父にも見せたようだけど、まだ感想は聞いていない。たぶん、デザイナーの従兄ほど素直にはほめてくれないだろうけど。

それでもまぁ、やっとこの親族で認められたような、そんな記念すべき本になったのが、本当にうれしい。売れるとか売れないとかより、ヨメとしてはそれが一番うれしいのだ。


                  


2020.10.08 Thursday
今日は「ナゴヤ愛」に関して、プレ取材的な電話が午後からかかってきて、めっちゃキンチョーした。こんなんでよかったのだろうか。まだ本格的な取材になるかどうかは未定、なのかな?けど、本格的なのが来たらどえらいことに。来ますように!!


                  


201009_IMG_7761_2.jpg2020.10.09 Friday
改めてこの数週間の画像を眺めていて、しあわせだなーと思う。この事態を1ヶ月前に予測できたかといえば、全然。
だってね、売れるわけないって思っていたの。ある人に呪いの言葉をかけられたから。もう反省して、呪いをかけてくる人は身の周りから排除しようって思ったんだけどね。

その上にコロナで世の中がめちゃくちゃになって。春頃は、きっとこんな本出せなくなるに決まってると思って、ピタッと全く書けなくなって。15年越しの企画、やっと通ったけど、こういう運命だったんだなーって。私の人生、そー簡単に上手く行くわけないわって悲観的になって。
でも6月になったら、編集さんが何もなかったように「9月に出しますからね、どんどん書いて下さいよ」って言い出して。ええっ!まだ1/10も書いてないのに!

そこからは死ぬほど大変だったけど、夢みたいだった。火事場のバカ力そのもので、今回の本、ほとんど悩まずにスルスル書けたのだ。圧倒的に数があるから大変だっただけで、苦労した原稿はほとんどなかった。
取材相手とのやり取りで若干修正は入ったけど、編集さんからは毎回「素晴らしい」って褒められて、書きなおすこともほぼなくて。校正者さんからもミス以外直されなくて。それでもどこかで自信がなかった。本当にこんなんでいいのかって。私なんかに本当に面白いものが書けるんだろうかって。

イラストレーターなんだから文章苦手だよねって言われるとカチンとくるくせに、一番そんな偏見を持っていたのはほかならぬ自分だった。やっと気づいたのだけど、私はキレイな絵を描きたいという欲求ももちろんあるけど、それ以上に、誰かにこれを伝えたい、知って欲しいっていう欲求の方が断然強いのね。あと「マンガで笑って欲しい」っていう欲求も割とある。

だからこの本が書けてすごくうれしかった。できれば多くの人に読んで欲しい。お金のためじゃなくてね。だからもうちょっと頑張らなくちゃなーって思う。

本を出すのってすごく危険な行為で、売れなければそれはもう周りから全く相手にされなくなるし、とってもみじめなものなんです。じゃー売れたらどうかっていえば、ちやほやされるけれど、今度は同時に悪霊たちも湧いて来て、呪いの言葉を投げつけられるのね。

私は特に悪霊が湧きやすいたちのようで、大して売れてないのに、ちょいちょい呪いの言葉をぶつけられるんです。んでも、ちょっと待てよって思った。結局呪いの言葉を一番自分にぶつけてるのって、自分じゃね?「売れるわけない」「出せるわけない」「イラストレーターの自分に文章なんて書けるわけない」って呪いを自分で自分にかけていなかった?

この画像はいつか呪いをかけそうになったら取り出して眺めようと思う。もうね、これだけで充分自分は頑張ったって思えるから。大丈夫だよ、ちゃんといいことあるよって思いながら眺めたい。
きっと、この先も辛い時はいっぱいあるだろうから、その時のお守りにする。あ、これがもう呪いなのか!いやこの先、きっと人生バラ色だと思うわ(笑)


                  


2020年9月発売の新刊です。
どうぞよろしくお願い致します♡


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