自分の努力が報われるということは、その背中に報われなかった多くの人々がいるということ。

190417e-hon_comic_th,.jpg2019.04.18 Thursday
怒涛の締切ラッシュが終わった・・・半分は今作ってる仲間内の冊子で
お金にはならないけど(笑)、何か良いもんできたって感じで清々しい。

まだ修正が入る可能性は高いけど、ひとまず完成すると、ホッとする~。
あとは週明けまでに、レギュラーのイラストを送るだけだ。
週末も仕事なので、明日は宮田の撮影につき合って、私は一日遊ぶ(笑)
(そして、一日遊んで、無事修正もできて、今は平常心(笑)→4/20)



                  


120402_IMG_6383web.jpg140421_2550_n.jpg120402_IMG_6377_s_web.jpg190412_IMG_2347.JPG2019.04.18 Thursday
FBなどのプロフ写真にしようかとも思ったけど
あまりに詐欺なのでここで(笑)
これ7年前の宮田のヴィジュアルアーツの入学式の日の写真。
私は家族として入学式に出席したんだけど
この日聞いた映画監督の河瀨直美さんのスピーチには本当に感動した。
    
内容は、細かいところは覚えてないんだけど、今思うと
今回の東大入学式の祝辞で上野千鶴子さんがおっしゃったことを
別の方向から話されたんだなぁと。

幼くして両親を亡くした河瀬さんは、おばあちゃんに育てられて
そのおばあちゃんが、河瀬さんが映画監督になるのを
ずっと応援し続けて来てくれたというお話。
    
アート系の専門学校に進学することを許してくれる親って
今もそんなに多くはないのだろうと思う。
そんな中、この学校に入学することが出来たそのことに感謝して下さい。
あなたが進みたい道を後押ししてくれる人の存在に感謝して下さい。
河瀬さんは、そんな風におっしゃった。
    
昔、美大に行きたくて、でも親に反対されて諦めたことを思い出した。
それでも今こうして絵の仕事に就けていることは
決して私一人の力じゃない。いろんな人の支えでここにいるんだよね。
    
宮田は今の自分は私のおかげだというけれど
彼が33で写真の道に進むと決めた時、彼の両親は反対しなかった。
義母は体の心配をしたけれど、無理だとは言わなかったし
義父は「決めたことなら思い切ってやれ」と言ってくれた。

そういう両親の元だからこそ、思い切ってこの道に進むことが出来たのだと思う。
感謝です。

あの日聴いた河瀬さんの声を一生忘れないだろう。
色んな多くの人にありがとうと言いたい。

        


この10日間は怒涛の日々で、ずっと書きたくてうずうずしていたけれど
やっと書ける。それが上にも書いたけど、一週間近く前のことになるけど
東大の入学式で上野千鶴子さんが述べた祝辞が話題となっていて
物議も醸し出している。全文を読んで、私は泣いた。
「がんばっても報われない社会が待っている」東大の入学式で語られたこと【全文】

世の中が不公平に出来ているということに、長く生きる程に気づく。
学歴や頭の良さや男女の性差だけじゃない。
見た目での差別なんて学歴や性差以上に人生を左右すると思う。

それでも人は生きて行かねばならないのだ。
自分が持ってるものを甘んじて引き受けて。

成功しても失敗しても、認められても認められなくても
愛されても蔑まれても、お金があっても貧しくても。

そしてそれは、努力だけではいかんともしがたいものなのだ。
頑張れば報われるというのは幻想に過ぎない。

特に心打たれたのはこの部分。
がんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく
環境のおかげだったこと、忘れないようにしてください。

あなたたちが今日「がんばったら報われる」と思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が
あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価して
ほめてくれたからこそです。

世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと
がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。
がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲を
くじかれるひとたちもいます。

私が美大に行きたいと言った時、母は「あんたなんか99%絵描きになるのは無理」だと言った。
父は静かに「無理だと言い切ることはない。この子には可能性があるかもしれない」と母をたしなめてから
「でもうちには、そんな経済的余裕がないのだ」と言った。
いろんな理由でスタート地点にすら立てない人がいるのがこの世の中なのだ。

#フリーランス #仕事の流儀


                  


ここに載せるのもお恥ずかしいですが、50になった記念にまとめてみた(笑)
左96枚は、宮田と知り合った翌年2008年からずっと一緒に見てきた桜。
右の9枚は、やはり2008年からずっと、私の誕生日(4/11)前後に過ごした写真。

この間ずっと画を辞めずに来られたのは彼のおかげだし、その前にもいろんな人のおかげで
私は絵を手放さずに来られたんだね。
190413_2482_n2_sakura.jpg 190413_2482_n2_days.jpg


                  


4/5(金)~4/9(火)
カレー曜日楽しい♪♪♪
プリンアラモードの練習したり、エビフライサンドに挑戦したり、そんな細やかなチャレンジがい日を彩る。
そんな風に着々と50歳の誕生日へカウントダウンを続けて行く。
190405_190407_IMG_2107.JPG190407_190409_IMG_2363.JPG


                  


2015年10月発売の実話エッセイ。アトピーって痒いだけの病気じゃないんです。

アトピーの夫と暮らしています



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◇見に行きたい展覧会メモ◇ →展覧会記録■

◆東京◆
ユーモアてん。/SENSE OF HUMOR
2019年3月15日 (金) - 2019年6月30日 (日) 21_21 DESIGN SIGHT
http://www.2121designsight.jp/program/humor/index.html

東京都現代美術館 リニューアル・オープン記念展
企画展 百年の編み手たち-流動する日本の近現代美術 -
コレクション展 MOTコレクション ただいま/はじめまして
2019月3月29日(金) - 6月16日(日) 東京都現代美術館
http://www.mot-art-museum.jp/renewal2019/

バスキア展
2019年9月21日(土)~11月17日(日)森アーツセンターギャラリー

みんなのレオ・レオーニ展
2019年7月13日(土)~9月29日(日)東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館

◆名古屋◆
日本・スウェーデン外交樹立150周年記念
長くつ下のピッピの世界展 ~リンドグレーンが描く北欧の暮らしと子どもたち~
2019年4月27日(土)~6月16日(日)松坂屋美術館

クリムト展 ウィーンと日本1900
2019年7月23日(火)~10月14日(月・祝)豊田市美術館
https://klimt2019.jp/

ムーミン展
2019年12月7日~2020年1月末 松坂屋美術館

サラ・ベルナールの世界展
2018年11月23日(金・祝)~2019年3月3日(日)堺 アルフォンス・ミュシャ館
2020年1月頃まで、全国巡回予定。
https://www.sunm.co.jp/sarah/

木梨憲武展 Timing‐瞬間の光り‐
2019年9月13日(金)~10月20日(日)松坂屋美術館

不思議の国のアリス展
2020年4月18日(土)-6月14日(日)名古屋市内の美術館(未定)
http://www.alice2019-20.jp/

◆大阪◆
不思議の国のアリス展
2019年3月16日(土)~5月26日(日)兵庫県立美術館
http://www.alice2019-20.jp/

ヒグチユウコ展 CIRCUS(サーカス)
2019年6月15日(土)〜9月1日(日) 神戸ゆかりの美術館

クマのプーさん展
2019年4月27日(土)~6月30日(日)あべのハルカス美術館
https://wp2019.jp/


                  
「がんばっても報われない社会が待っている」東大の入学式で語られたこと【全文】

4月12日、日本武道館で東京大学の入学式が開かれた。

2019/04/12 18:34

「ご入学おめでとうございます。あなたたちは激烈な競争を勝ち抜いてこの場に来ることができました」

「その選抜試験が公正なものであることをあなたたちは疑っておられないと思います。もし不公正であれば、怒りが湧くでしょうーー」

4月12日に開かれた東京大学の入学式の祝辞が、話題を呼んでいる。

「がんばっても報われない社会が待っている」

新入生約3100人を前に祝辞を述べたのは、ジェンダー研究(女性学)の第一人者で、同大名誉教授の上野千鶴子さん。

上野さんは、東京医科大学が女子受験者を差別していた入試不正問題に触れ、「あなたたちはがんばれば報われると思ってここまで来たはずです。ですが、がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています」と述べた。

「がんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください」と言い、社会に根付く構造的差別に目を向けるよう求めた。

東大も例外ではない

さらに、東大入学者の女性比率が「2割の壁」を超えないことを挙げ、「社会に出れば、もっとあからさまな性差別が横行しています。東京大学もまた、残念ながらその例のひとつです」と指摘。

高校生新聞によると、同大の2019年度一般入試合格者のうち、女子は510人で、全体の16.9%だった。17年度の19.3%、18年度の18.2%と比べて比率は下がっている。

「世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひとたちがいます。がんばる前から、『しょせんおまえなんか』『どうせわたしなんて』とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます」

「あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください」と訴えた。

上野千鶴子さんの祝辞全文は、以下の通り。
ご入学おめでとうございます。あなたたちは激烈な競争を勝ち抜いてこの場に来ることができました。

その選抜試験が公正なものであることをあなたたちは疑っておられないと思います。もし不公正であれば、怒りが湧くでしょう。

が、しかし、昨年、東京医科大不正入試問題が発覚し、女子学生と浪人生に差別があることが判明しました。

文科省が全国81の医科大・医学部の全数調査を実施したところ、女子学生の入りにくさ、すなわち女子学生の合格率に対する男子学生の合格率は平均1.2倍と出ました。

問題の東医大は1.29、最高が順天堂大の1.67、上位には昭和大、日本大、慶応大などの私学が並んでいます。1.0よりも低い、すなわち女子学生の方が入りやすい大学には鳥取大、島根大、徳島大、弘前大などの地方国立大医学部が並んでいます。

ちなみに東京大学理科3類は1.03、平均よりは低いですが1.0よりは高い、この数字をどう読み解けばよいでしょうか。統計は大事です、それをもとに考察が成り立つのですから。

女子学生が男子学生より合格しにくいのは、男子受験生の成績の方がよいからでしょうか?

全国医学部調査結果を公表した文科省の担当者が、こんなコメントを述べています。「男子優位の学部、学科は他に見当たらず、理工系も文系も女子が優位な場合が多い」。

ということは、医学部を除く他学部では、女子の入りにくさは1以下であること、医学部が1を越えていることには、なんらかの説明が要ることを意味します。

事実、各種のデータが、女子受験生の偏差値の方が男子受験生より高いことを証明しています。

まず第1に女子学生は浪人を避けるために余裕を持って受験先を決める傾向があります。

第2に東京大学入学者の女性比率は長期にわたって「2割の壁」を越えません。今年度に至っては18.1%と前年度を下回りました。

統計的には偏差値の正規分布に男女差はありませんから、男子学生以上に優秀な女子学生が東大を受験していることになります。

第3に、4年制大学進学率そのものに性別によるギャップがあります。2016年度の学校基本調査によれば4年制大学進学率は男子55.6%、女子48.2%と7ポイントもの差があります。

この差は成績の差ではありません。「息子は大学まで、娘は短大まで」でよいと考える親の性差別の結果です。

最近ノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイさんが日本を訪れて「女子教育」の必要性を訴えました。それはパキスタンにとっては重要だが、日本には無関係でしょうか。

「どうせ女の子だし」「しょせん女の子だから」と水をかけ、足を引っ張ることを、aspirationのcooling down、すなわち意欲の冷却効果と言います。

マララさんのお父さんは、「どうやって娘を育てたか」と訊かれて、「娘の翼を折らないようにしてきた」と答えました。そのとおり、多くの娘たちは、子どもなら誰でも持っている翼を折られてきたのです。

そうやって東大に頑張って進学した男女学生を待っているのは、どんな環境でしょうか。

他大学との合コン(合同コンパ)で東大の男子学生はもてます。

東大の女子学生からはこんな話を聞きました。「キミ、どこの大学?」と訊かれたら、「東京、の、大学...」と答えるのだそうです。なぜかといえば「東大」といえば、ひかれるから、だそうです。

なぜ男子学生は東大生であることに誇りが持てるのに、女子学生は答えに躊躇するのでしょうか。

なぜなら、男性の価値と成績のよさは一致しているのに、女性の価値と成績のよさとのあいだには、ねじれがあるからです。

女子は子どものときから「かわいい」ことを期待されます。ところで「かわいい」とはどんな価値でしょうか?

愛される、選ばれる、守ってもらえる価値には、相手を絶対におびやかさないという保証が含まれています。だから女子は、自分が成績がいいことや、東大生であることを隠そうとするのです。

東大工学部と大学院の男子学生5人が、私大の女子学生を集団で性的に凌辱した事件がありました。加害者の男子学生は3人が退学、2人が停学処分を受けました。

この事件をモデルにして姫野カオルコさんという作家が『彼女は頭が悪いから』という小説を書き、昨年それをテーマに学内でシンポジウムが開かれました。

「彼女は頭が悪いから」というのは、取り調べの過程で、実際に加害者の男子学生が口にしたコトバだそうです。この作品を読めば、東大の男子学生が社会からどんな目で見られているかがわかります。

東大には今でも東大女子が実質的に入れず、他大学の女子のみに参加を認める男子サークルがあると聞きました。

わたしが学生だった半世紀前にも同じようなサークルがありました。それが半世紀後の今日も続いているとは驚きです。

この3月に東京大学男女共同参画担当理事・副学長名で、女子学生排除は「東大憲章」が唱える平等の理念に反すると警告を発しました。

これまであなたたちが過ごしてきた学校は、タテマエ平等の社会でした。偏差値競争に男女別はありません。

ですが、大学に入る時点ですでに隠れた性差別が始まっています。社会に出れば、もっとあからさまな性差別が横行しています。東京大学もまた、残念ながらその例のひとつです。

学部においておよそ20%の女子学生比率は、大学院になると修士課程で25%、博士課程で30.7%になります。

その先、研究職となると、助教の女性比率は18.2、准教授で11.6、教授職で7.8%と低下します。これは国会議員の女性比率より低い数字です。

女性学部長・研究科長は15人のうち1人、歴代総長には女性はいません。

こういうことを研究する学問が40年前に生まれました。女性学という学問です。のちにジェンダー研究と呼ばれるようになりました。

私が学生だったころ、女性学という学問はこの世にありませんでした。なかったから、作りました。

女性学は大学の外で生まれて、大学の中に参入しました。4半世紀前、私が東京大学に赴任したとき、私は文学部で3人目の女性教員でした。そして女性学を教壇で教える立場に立ちました。

女性学を始めてみたら、世の中は解かれていない謎だらけでした。

どうして男は仕事で女は家事、って決まっているの?主婦ってなあに、何する人?ナプキンやタンポンがなかった時代には、月経用品は何を使っていたの?日本の歴史に同性愛者はいたの?

...誰も調べたことがなかったから、先行研究というものがありません。ですから何をやってもその分野のパイオニア、第1人者になれたのです。

今日東京大学では、主婦の研究でも、少女マンガの研究でもセクシュアリティの研究でも学位がとれますが、それは私たちが新しい分野に取り組んで、闘ってきたからです。そして私を突き動かしてきたのは、あくことなき好奇心と、社会の不公正に対する怒りでした。

学問にもベンチャーがあります。衰退していく学問に対して、あたらしく勃興していく学問があります。

女性学はベンチャーでした。女性学にかぎらず、環境学、情報学、障害学などさまざまな新しい分野が生まれました。時代の変化がそれを求めたからです。

言っておきますが、東京大学は変化と多様性に拓かれた大学です。わたしのような者を採用し、この場に立たせたことがその証です。

東大には、国立大学初の在日韓国人教授、姜尚中さんもいましたし、国立大学初の高卒の教授、安藤忠雄さんもいました。また盲ろうあ三重の障害者である教授、福島智さんもいらっしゃいます。

あなたたちは選抜されてここに来ました。東大生ひとりあたりにかかる国費負担は年間500万円と言われています。これから4年間すばらしい教育学習環境があなたたちを待っています。

そのすばらしさは、ここで教えた経験のある私が請け合います。

あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。

ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています。

そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。

あなたたちが今日「がんばったら報われる」と思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。

世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。

あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。

恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。

そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。

女性学を生んだのはフェミニズムという女性運動ですが、フェミニズムはけっして女も男のようにふるまいたいとか、弱者が強者になりたいという思想ではありません。フェミニズムは弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想です。

あなた方を待ち受けているのは、これまでのセオリーが当てはまらない、予測不可能な未知の世界です。

これまであなた方は正解のある知を求めてきました。

これからあなた方を待っているのは、正解のない問いに満ちた世界です。

学内に多様性がなぜ必要かと言えば、新しい価値とはシステムとシステムのあいだ、異文化が摩擦するところに生まれるからです。

学内にとどまる必要はありません。東大には海外留学や国際交流、国内の地域課題の解決に関わる活動をサポートする仕組みもあります。未知を求めて、よその世界にも飛び出してください。

異文化を怖れる必要はありません。人間が生きているところでなら、どこでも生きていけます。

あなた方には、東大ブランドがまったく通用しない世界でも、どんな環境でも、どんな世界でも、たとえ難民になってでも、生きていける知を身につけてもらいたい。

大学で学ぶ価値とは、すでにある知を身につけることではなく、これまで誰も見たことのない知を生み出すための知を身に付けることだと、わたしは確信しています。

知を生み出す知を、メタ知識といいます。そのメタ知識を学生に身につけてもらうことこそが、大学の使命です。

ようこそ、東京大学へ。


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