重版と絶版のハザマ。

先日、本がAmazonで売り切れましてん。

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金曜日までは5冊あったのが、日曜にはまさかの売り切れ。
いつもここでさっさと入荷するんですが、今回は時間がかかりました。

「このまま重版!重版!重版!」と、呪いのようにつぶやきましたが、出版社からは連絡はなく、水曜日に3冊入荷。
いつもは10冊くらいはいるので、今回は少なかったねーと。

今はAmazonからは自動発注になっていて、出版社側からできることは無いんだそうです。
出来る限り在庫をそろえて要望があればすぐに送るようにしてるそうですが。。。

それから一週間経って、途中1〜2冊入っては売れて行き、また残り2冊。

「重版出来」と言うドラマが放送されて、がぜん一般の人々にも身近になった「重版」と言う言葉。
「夢の印税生活」と言うほど、重版ってよくあることのように思われているかもしれないですが
今、出版されている本の中で、重版されるのって、2割程度と言われていて
もしかしたら実際には1割程度しかないと言う話もあるそうなんですよね。

売れる本は売れてるんです。
ていうか、最近は装幀買いで知らない本を買うと言う人が減っていて
みんな話題作や売れている本しか買わない。冒険しないんですね。
最近売れている本の傾向として、本の内容的にも「事件が起こらない」モノが増えているそうで。

本の中身も知名度も冒険なしかぁ。
人生なんて平凡なものなんですから、本くらい冒険したって罰は当たらんと思うのですが。

ま、そんなわけで、そもそも出版不況で本が売れない上、売れる本ばかりに集中している。
だから他は全く売れない、という状況になる。

なので、逆に言えば、市場に出ている本のうち8〜9割は重版しない訳で
重版しないからと言って、私の本が特別売れていないと言う訳では無いのですが
重版がかからない=いずれ絶版になり、自分の本が手に入らなくなるという恐ろしい事態になる訳なんですわ。

え?本って売り切れたら重版されるんじゃないの?
絶版って、何年も売れなかった本がなるんじゃないの?って思ったアナタ。
私もそう思っていました。

でも違うんです。

出版社は、本を一冊出版するのに数百万かけます。重版で増刷するのもタダではありません。
売れる見込みがなければ、たとえ売り切れても重版はかからないのですー。

「え?でも、初版分が売り切れたんだから、売れるでしょ?」
と思うでしょう?でも違うんです。

重版がかかる決め手は、最初の一週間の売れ行きにかかってるんだそうです。

もちろん、それを覆すくらい、その後盛り返せば可能性はあるけれど
最初そこそこで、そのままゆるゆると売り入れたとしても、出版社は
「この本はこれ以上売れない」
と判断するんだそうですよ。

やっぱり、最初が肝心なのですね。

とはいえ、一年近く経っても、こういう順位を瞬間でも取れるのは、やっぱりありがたく、ホッとする。
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先週はすごい週だった。
まず、月曜日に大きなコンペの話が舞い込み、いつものことだけど、もう決まったような気になって
勝手にワクワク仕上がったものを想像してはニヤニヤする。
歴代の担当イラストレーターさんが皆さん売れっ子揃いでひるむけど、候補になったんだから、選ばれる可能性はあるはず。

火曜日は何でもないところで壁にぶつかり、コーヒーを思いっきりかぶって、買ったばかりのシャツが染まるという災難な日。
いや自損事故なんですけどね。
しかし、どうやったらあそこでぶつかるのか。もはや生きる自信を失うレベル。

水曜日は、大手出版社から、まとまった仕事の打診。木曜日に電話で詳細を伺って決定。
うわー。何か来てる来てる???と、盛り上がって、ビールで乾杯。
一日置きに朗報と災難が起きそうで、木曜日はドキドキしたが特に悪いことは起きず。

金曜日はまた朗報があるか?と思ったが特にそう言うことは無く。
ただ、1か月半ぶりのマスコミ飲み会で、主催のK氏の今回の来名した案件が
私が最近よく知り合うようになった方々とのプロジェクトだったということ!
あまりの世間の狭さ、タイミング的なピンポイントさに、気絶しそうになった。

でもいろいろ楽しみだ。

どんな時も上を向いて歩いていれば、人生はホント面白い。


                  


2015年10月発売の実話エッセイ。アトピーって痒いだけの病気じゃないんです。


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