カメラマンやイラストレーターは便利屋ではない。

160814IMG_4783.jpg土曜日の朝、荷物が届いて、オットがゴソゴソ開けているので、誰から?と聞くと
一年くらい前に、梅沢登美男さんの出たライブを撮影したときに
会場に花を活けておられたお花の先生からだそうで。
その先生から、いったい何が?と思ったら、先日、頂き物の靴下があるのだけど
贈りたいので住所を知らせて欲しいとメールがあったんだそう。
開けてみたら立派なブランドの靴下が4足。

よくよく話を聞けば、まぁ、いつものことだけど(笑)
その先生とお話して、超聴き上手なオットは多分ほぼ聞き役だったようで。
で、その方のカメラで写真を撮ってあげたという。

たぶん、プロのカメラマンに写真を撮っていただいたんだから
そのお礼に、ということなのだろう。
さすがお花の先生、律儀にこの一年、お礼をしなくてはと思っておられたのかもしれない。

当然と言えば当然なんだけど、それを当然としてくれない人というのが、世の中にはとても多いのだ。


                  


うちのオットは、常にカメラを持ち歩いているけれど、それは、別に記念撮影のためではない。
一緒にいる私ですら、いつでもどこでも撮ってもらえると思っているわけではない。
(まぁ私の場合は、撮って欲しくないシチュエーションでも勝手に撮られているけれど(笑))

彼は今回Fip-FMモーチャーカメラ部でのスナップ撮影の講師を務めている通り、スナップ撮影を得意としている写真家だ。
だから、常日頃から、「作品」としての写真を撮っているのである。

でもたまに、イベントなどに顔を出すと、当然のように「撮ってくれ」と言う人がいるのだ。

別にね「プロだからお金をもらわないと撮りません」とまでは言いませんよ。
しかし、プロの写真家が一日に撮る写真の量って、半端ない。
大変失礼な言い方ではあるが、素人の方には想像が付かないほどの量なのだ。

普通の日常でも、毎日数百枚撮るんですよ。想像できます?
ましてやイベントなどでは、千枚以上撮ることもあるのです。
昔のフィルムで言えば、36枚撮りのフィルム100本とか、それくらいを普通に撮るんです。

で、スマホで撮った写真みたいに、撮ったものをすぐにメールで送れる訳では無いんです。
一度PCに取りこんで、専用のソフト(Photoshop)で調整して、サイズもすごく大きなもので撮るので、送るために小さくして
と、最低でもこれだけの作業が必要なんですよ。

それを1000枚以上ある写真から、探して、加工して、リサイズして。。。
一回くらいいじゃんって思うかもしれませんが、ちょっと想像してみて下さい。
あなたは今日一回頼んだだけかもしれないけど、うちのオットは出かけるたび毎回頼まれるんですよ。

それ毎回やってたら、体が持たないんです。

私が上記の様な理由を説明して
「うちのカメラで撮ってもいいけど、いつ渡せるかわからないから、あなたのスマホで撮ってあげる」
という言い方をしても、怒る人っているんです。
「ケチ」って思うんでしょうね。

「カメラ持ってるんだから撮ってくれればいいじゃん」というふざけたことを言う人もいます。
だったら、スマホ持ってるんだから、それで撮ればいいでしょう。


なんか、勘違いしてるようですが、カメラで写真撮ること、タダだって思ってません?
お金かかってないんだから、イイじゃんって思ってません?


プロが機材にどれだけお金かけているか、考えたことあります?
うちはそこまで高いカメラは使ってませんが、それでも、一台数十万はします。
そのカメラを、いつ依頼されても良いように、きちっとメンテして最善の状態維持するって大変なことなんですよ。
もちろん何かあった時のために2台・3台と所持するのは当たり前。

さっき出てきたソフトのPhotoshopも、以前は10万円以上する高額ソフトでした(現在は月額制でさらに維持費がかかる)。

PCだって、ネットが出来ればいいというスペックでは足りません。
HDやメモリ、モニタも大きなものが必要だし、画像の加工は非常にPCを酷使するので、こちらも常にメンテが必要。

ざっと考えても、これだけのことが必要なんです。
あと、カメラは消耗品で、一回シャッターを押す度に寿命が縮まります。

というわけで、あなたの記念撮影は、決してタダではないということを、覚えて置いて下さい。
当然、本来ならプロに頼めば料金が発生するということも忘れずに。


                  


まぁね、これって、イラストも同じで。
簡単に似顔絵描いてくれとか、私が猫の絵を描いていると「ウチの猫の絵を描いてくれ」とか言ってくる人がいますが
申し訳ないですが、基本、適当にお茶を濁して無視します。

タダだったら、誰だって描いて欲しいんですよ。
あなたは一人くらいいいじゃんって思うかもしれませんが、あなたひとりに描いたら
「わたしも」「わたしも」って言って来られることくらい想像できますよね。

そんなことになったら、責任とってくれます?
たぶん、描いたら、自慢しちゃうでしょ。宣伝になるしいいでしょとか言って。

言っときますが、タダで描いた絵なんて、何の宣伝にもなりませんので。
「ああ、タダで描いてくれる人なんだ」
って思われるだけですので。


以前、売れなかったころ、宣伝になると思って、知り合った出版関係者の方のプロフを無料で描いたことがありますが
一個も仕事なんか来やしませんでした。
その後、プロフ画像目当てのFB申請がやたら増えただけです。

その関係者の皆さま、今現在は無料でのプロフ画像は一切描いていませんので、ご了承下さいませ(笑)


まぁね、お金を払ってでも描いて欲しい人は、最初にちゃんとお金の話をしてきますからね。

「描いて描いて」って人のことは、無視するし、私の中では
「私をタダで絵を描く便利屋だと思ってる人なんだな」
という判定を下して終わりです。


                  


そんなわけで、お花の先生からの贈り物は、本当にうれしい出来事でした。

最初きいたときは、たった数時間ご一緒しただけで、一年後に思い出していただけるってすごいなぁとも思った。

私のインパクトが強いのはホント、ペンネームだけで、黙っていたら本当にすぐに忘れられてしまうと思うのだけど
オットはしゃべらずとも、こんなに印象に残るのだ。
フリーランスとして、本当にウラヤマシイ才能だと思う。

#フリーランス #仕事の流儀 #イラストレーターの仕事


                  


160820akayu_onsen1.jpg2014年8月20日  山形・赤湯温泉にて。
「すっかり気持ち良くなった私が、「規則正しい生活」と言おうとして
うっかり「礼儀正しい生活」と言ってしまったら
ひよこ様ひよこ様と言って、敬礼してくるオットがうざい。」

山形県高畠市にある浜田広介記念館で展示をしたのは
もう二年も前のこと。
その際に、数日山形に滞在したのは本当によい想い出。

特に赤湯温泉のこのお宿は最高でした。
私こう見えて、若いころは宿にコダワリがあり過ぎて
1泊数万する宿に普通に泊まっていた「宿フェチ」だったんです。

特にクラシックホテルが好きで。
今は廃墟になってる有名ホテルの写真が先日見つかったので
今度上げてみようかと思っています。

そんな私が泊まったホテルの中でも、この赤湯温泉の御殿守は最高の宿でした。また泊まりたい。。。

上杉の御湯 御殿守
http://www.gotenmori.co.jp/
じゃらんでも★4.5
http://www.jalan.net/yad321384/


                  


2015年10月発売の実話エッセイ。アトピーって痒いだけの病気じゃないんです。


#「アトピーの夫と暮らしています」の感想


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そして続いていく。

160811_IMG_4552.jpgここのところ、長文続きだったので、今日は手短に。

先日、数年前にお仕事を頂いたクライアントからお引っ越しのご案内が届いたので
ご無沙汰しています、とお返事してみたら

以前お仕事したものの売れ行きが好調で
また秋くらいに、是非お仕事依頼したいとのお返事♡♡♡やった〜!!

朝目覚めて布団の中でぼーっとしていたら電話が鳴って
あれ?いつもと違う音?と思ったら、以前、お仕事ご一緒して
今は育休に入ってらっしゃる編集さんからFacetimeが来ていて
慌てて取るが間に合わず。

その後何とか連絡が取れて
お子さんが間違ってかけてしまったとのこと。

でもちょうど、編集さんと連絡を取りたいと思っていたので
ありがたいアクシデントだった。
というか、ここで連絡が取れたのって、絶対意味あることだよね?くらいの勢いで思う。

フリーランスで働いていると、会社員のように継続してずっと同じ人と関わって仕事をするということが少ないのだけれど
数年の月日を経て、途切れたようなお付き合いが、こうしてまた繋がっていくのは、シアワセなことだと思う。

そんなシアワセな繋がりが幾つか続いてうれしかったので、記してみた♡

イラストの仕事というのも、今は本当に厳しく、不安要素は一杯だけれど、ここが正念場。頑張って行かねばね。
でも、こうして繋いで行かれれば大丈夫。そして続いていく。


#フリーランス #仕事の流儀 #イラストレーターの仕事


                  


160606kazuyo-1.jpg載せるのがすっかり遅くなったけど
仲良しの絵本仲間、宮知和代ちゃんの初絵本が6月に出版されました!

彼女はもう本当に素晴らしい才能&感性の持ち主!
すでに重版も決まったそうで、すんばらし!
是非どうぞよろしくお願い致します♡

「おたのしみ じどうはんばいき」(宮知和代・アリス館)


                  


ハーゲンダッツのスペシャルパッケージ的なものをアホみたいに2種類も買い込み、うちってエンゲル係数高いかも?と思う。。。
冷凍庫を圧迫してるので、サクサク食べなくてはいけないのだが、ハーゲンダッツを毎日食べるなどと言う贅沢は
とてもできない貧乏性。。。
160806_IMG_4339b.jpg
ソルティバニラは激ウマで何度もリピ買いしている。
ラベンダー&ブルーベリー、こう来たか!と言う感じで、結構おいしいのだが
ラベンダーいらなくね?と思っちゃアカンのかね(笑)



                  


2015年10月発売の実話エッセイ。アトピーって痒いだけの病気じゃないんです。


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イラストレーターとコミュニケーション能力。

160803_IMG_4409.jpgイラストレーターの適性として、必要なものに
「コミュニケーション能力」が挙げられると思う。
イラストレーターなんて、絵さえ上手ければ、誰でもなれるんでしょ
と思う人は多いかもしれない。

けれど、絵が(そこそこ(笑))上手いのは当然として
フリーで仕事をするには、高い営業力も必要だし
必要最低限のビジネススキルも持っていないと厳しい。
自宅で効率的に仕事をこなすには、高い自己管理能力も必要だと思う。

営業力やビジネススキルは、どちらかというと仕事を得るまでの話で
実際に仕事を始めた時に試されるのが、コミュニケーション能力、なのである。


                  


140225_6958_n.jpgオットのアトピーが一番悪化していた時に派遣で働いていた会社は
とてもシンドイ職場だった。
派遣会社に登録に行ったのが12月の半ば過ぎで、その当日に仕事が決まって
やったー!と喜んでいたのだけど、やはりそうそううまい話があるわけはない。

私の前にいた女の子が、急に辞めることになったとは聞いていたが
よくよく聞けば、上司とウマが合わず、毎日バトルが続いた挙句
3月末の契約を破棄して、12月末で辞めることになったのだそうだ。

仕事は、上司とマンツーマンで行うもので、実務をしつつ上司から
直接指示を受けることになり、引継ぎもなかったので
彼女のことは、別の同僚から聞いただけだったけど、それはもう毎日毎日
切れまくって大変だったそうで。

私は3月末の予定が、一か月延長になるほど、その上司とはうまくやれていて
「いい人が来てくれてよかった」
と言われて、悦に入っていたのだが、そんな扱いも最初のうちだけだった。

その上司のことは、私の前任者以外の女性もみんな嫌っていて、その理由が、何を言ってるかわからないというもの。
専門用語ばかりやたら並べて難しいことは説明するのに、肝心な実務に必要な部分ははしょってしまうという
理数系男子にありがちなパターンだったのだ。

私も、いや、聞きたいのはそう言うことじゃなくて、とは思ったけれど、持ち前の好奇心旺盛な性格のせいか
上司の専門的な話も嫌いでは無く、ところどころ、へぇ、そうなんですね、と合いの手は入れつつ
相手が何を言いたいのかを何とか聞きだし、理解しようとして、実際にどうにかなったのだ。

私自身、決して人間関係が得意なわけではないので、何で自分にできることが他の人にはできないんだろう?と
逆に不思議ですらあった。

でもふと思ったのだ。

そうか、もしかしたら、イラストの仕事をするうちに、コミュニケーション能力が身についたのかもしれない。
ここでいうコミュニケーション能力とは、正確に言うと、人と仲良くする能力とはちょっと違う。

相手が何を言わんとしているのかを、読み取る能力、なのである。

これがないと、正直イラストレーターとして仕事をするのは厳しい。

イラストの仕事と言うのは、好きなものを好きなように描いてお金がもらえる訳では無い。
クライアントの「こういうものを、こういうイメージで描いて」という抽象的な言葉を視覚化して表現することなのである。

ある言葉を聞いて浮かぶイメージは、ある程度までは、共通の認識としてはあるかもしれないが
細かいディテールにまで及ぶと、やはりそこには個人差がある。

簡単なものでも
「リンゴを描いて下さい」
と言われたら、大抵の人は赤いリンゴを描くだろうけれど
「犬を描いて下さい」
と言われたら、柴犬を描く人もレトリバーを描く人も、ダックスフントを描く人もいるかもしれない。

それ以上に
「美味しそうなリンゴ」「アートな感じのするリンゴ」「人懐っこい犬」「さびれた街をとぼとぼ歩く孤独でお腹を空かせた犬」
などとバリエーションが広がれば、描く人によって出来上がりはさまざまになる。

けれど、正解は一つなのだ。
イラストレーターが好きに描いてよい職業では無い以上、クライアントがOKを出すのが正解なんである。
たとえ、全国共通で、リンゴは赤、となっていても、クライアントが「黒」と言えば黒ななのだ。

そのクライアントの「正解」を上手く導きだし、クライアントの期待を超えるものを描くには
クライアントの意図を正確に読み取ることがまず必要なのだ。

それと、イラストレーターは、打たれ強さも必要だ。
大人になって普通に生きていると、あまりダメ出しされることってないんではなかろうか。
よほど仕事で失敗した時以外に、人から叱られたり、否定されることって少ないのではないか。

けれど、イラストの仕事は、まず一回でラフが通ることは少ない。
大抵ダメ出しされ、否定されるところから仕事が始まるんである。

前出の上司は頭がイイだけに、こちらに要求するレベルも高く
「陽菜さんは、ミスはほとんどないからいいんだけど」
と言いつつ、一回うっかりしてしまったミスについてネチネチ言われたりしたのだが
否定されるのにはなれているので、冷静に受け止められたのではないか、と思う。

しかし、幸か不幸か、その嫌われ者の上司と妙に仲良くなってしまったおかげか、いつの間にか社内で
二人で孤立するようになって行ったのだった。いやホントしんどかった。

結局女性陣とは「仲良く」できていないので、そういう意味での対人スキルはまだまだだったな、と思ったり。

そういえば、翌年もこの会社からは仕事の打診が来たのですが、丁重にお断りしました。
上司Kさん、ごめんね。


この会社のことを考えると、冬が永遠に終わらないように感じたこととか、春が本当にうれしかったことを思いだす。
140214_3882_n.jpg140331_4623_n.jpg140421_2550_n.jpg
ちょうどこの会社で3か月目に入った、忙しさのピークの中で、戸田恵子さんの本のイラストの依頼があり
とても光栄なお仕事で、よいお仕事をさせていただいたのではあるが、スケジュール的にはずれにずれ込んで
ちゃんと納期に間に合うのかとキリキリ胃が痛み、ついには不整脈が出たりと、ホントイロイロ大変だった。

この写真では笑顔ですけど、実は不整脈を抱えていたのでした。

でもおかげで、版元の編集Uさんとも、編プロの編集Dさんとも、今でも連絡を取り合う仲!ありがたやー。


#フリーランス #仕事の流儀 #イラストレーターの仕事


                  


160803_IMG_4399.jpgうれしいことに、本を買って下さったというのでご一緒にパチリ。
颯爽とした美女でございます。
まったく生活感なくカッコよくお仕事されているKさん
二児の母と知った時は驚いた!!

小学生の息子さんが拙著をすごく気に入って下さったそうで
息子の名前を書いてください♪と最初頼まれて
結局、ご本人も旦那様もお嬢さんの名前も全部描いてました。
旦那さまもお読みくださったそうで、何だか照れまするー。

Kさん、ありがとうございました♡


                  


2015年10月発売の実話エッセイ。アトピーって痒いだけの病気じゃないんです。


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『迷う門には福来る』〜迷うって大事なこと〜

160613_6230_n.jpg2016.06.13 Monday
あまりに面白過ぎて、思わず地下鉄を乗り過ごしそうになった。。。
著者に似てきてる?!

2016.06.22 Wednesday
久田さん 最後、ホロッとしました。。。面白かった!
次回作も楽しみにしてます*\(^o^)/*

上記はFBでの私の投稿。
『迷う門には福来る』の著者のひさださんとはFBで繋がっていて
リアルタイムで感想を伝えることが出来た。

ひさださんは、名古屋市内で働くカリスマ書店員さんである。
昨年秋からお邪魔しているNSK(名古屋書店員の会)で知り合った。

NSKは、(基本名古屋在住の)本にまつわる人々(書店員・作家・書店営業・編集者)がゆるくつながる会だ。
NSKに出るまで、私は書店員さんが、お店の壁を超えてこんなに仲がイイとは思わなかったし
作家さんと書店員さんが、こんなに密にお付き合いしてるとも想像したことが無かった。

NSKに集う人たちはみんな愉快で、とても心が豊かな方が多い。本をたくさん読んでらっしゃるのもその理由の一つだと思う。
やっぱり本を読むって、情緒をはぐくむうえで、すごい大事なんだなー。
書店員さんの読書量って半端ない。もうホント叶わない。

しかし書店員さんは、基本「読む」(売る)人で、書く側に回ることはまれだ。
そんな中、ひさださんが、本を書くことになったのは、タイトル通り、その「迷いっぷり」の素晴らしさから。
ご本人はとにかくマジメに一生懸命生きている!ただそれだけなのに、なぜか彼女の周りは事件だらけ。
生きてるだけでネタになる。うらやましいくらいである。

彼女の「迷いっぷり」は本当に見事で、読む人の期待を裏切らない。これマジか?マジだったら、この人、本当に大丈夫か?
ここまで来ると、ネタなんでは?と疑いたくなるくらいの迷走ぶりであるが、ご本人を存じ上げてるだけに
それがネタではない紛れもない事実だということも分かっている。

そして、一生懸命な人は、やはり素敵だ。たとえ、とんちんかんで周りを事件に巻き込んで大迷惑をかけても、それでも
ひさださんが愛されるのは、やっぱり彼女が一生懸命だからだ。

だって、ひさださんは、例えばただ「東京に行って帰ってくる」というだけで
一体普通の人の何倍のパワーを使っているだろうか。

ひさださんにとっては、生きることが人の数十倍もの試練の連続なのだ。それくらい人生は過酷なのだ。
本の一冊くらい出せたって、お釣りがくるくらいだ、と思う。

なのに、ひさださんはいつも楽しそうだ。ひさださんの周りにいる人たちも楽しそうだ。
この本が出た頃にはまだひさださんとはお知り合いになってなかったので、私はくしくも登場できなかったが
次回作には是非名を連ねて頂きたいものだ、というのが今のところの私の野望。


             


ところで、この本の本筋とは違うけれど、迷うって本当に「福来る」なんじゃないかって思った。

先日、自転車の3人組の小学生男子を見かけた。交差点で信号を渡ったところで、一人の子が猛ダッシュで左折。
残された二人は「おーい!!グーグルマップが右だって言ってるぞー」と叫んでいたが、ひるまず走り続ける様子に根負けして
間違っていると知りつつ、後を追って行った。

その様子を見て、思わずいいぞいいぞ!とほくそ笑んでしまった。

今は小学生も、ネットで地図を見て、迷わず目的地に行く時代なんだね。確かにその方が合理的で無駄がない。
だけど、本当にそれでいいの?

迷うことでしか見えない景色ってあるんじゃない?

若いころ、特に子供の頃は、迷って飛んでもない場所に出たりして、ちょっとだけ怖い思いをしたり
自分がまだまだだって思うような経験をするって、大事なことなんじゃないかって思う。

この年になって思うのは、物事を断定的に言い切る人ほど、狭い世界しか知らないなぁってこと。

狭い世界しか知らないと、自分の判断基準になるサンプルが少ないから
「そんなこと絶対にある訳ない」「そもそもそんなこと常識だから」
みたいな言い方をしがちなんだよね。

でも、少し広い世界に出てみると、自分が思うより色んな人がいることに気づくし、小説より奇なる事実を目の当たりにする。
多くの人に知り合うほど、まだまだ世界には、変わった人がいるし、ビックリする出来事があるもんだなぁと思うようになる。

世界は本当に広いし、できれば、できるだけ広い世界を見た方がいいじゃんって思う。
そこにはもちろん、苦しいこともたくさん待ち受けていると思うけれど。

自分にとって居心地のいいぬるま湯で、楽に生きて、井の中の蛙で生涯を終えるのも
それはそれでいいのかもしれないけれど、でも本当にそれで幸せ?

想定内の出来事に想定内の人生。
確かにさ、それはそれで幸せなのかもしれないけどさ

でもきっと、そういう人には、絶対に訪れない。

迷って、惑って、思い悩んだ末に与えられた、神様からの贈り物。
迷う門には、福が来るんだよ。


#フリーランス #仕事の流儀 #イラストレーターの仕事


             


それにしても、読んだ本を書いた人に、直接感想を伝えることが出来るなんて、よくよく考えれば、すごい時代が来たもんだ。
昔はさ、せいぜい編集部あてに手紙を書くくらいで、絶対に著者に届くとは限らなかったし。


雨の中、川沿いの道を歩く。とぼとぼ。。。
こんな美しい景色を見られるなら、迷うのも、悪くはない。
ゆっくりゆっくり歩くことでしか、見えない景色もあるもんね。
160802_IMG_4288c.jpg


                  


160802_IMG_4006.jpg
一番気合いが入っていたはずの朝ご飯写真がないのは、最近フルーツを切らしていたから。
味噌アイスは何故か、カフェオレ風味な気がした。なかなか美味な気がしたので、確認のためにもう一回買う。
弁当が縦に並んでるのが、自分的にはすごく嫌(時系列的に仕方ないのだが)。


                  


2015年10月発売の実話エッセイ。アトピーって痒いだけの病気じゃないんです。


#「アトピーの夫と暮らしています」の感想


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東京の書店さん情報〜出版してみて感じたこと〜

151204keibundou_shinjyuku.JPG『アトピーの夫と暮らしています』の担当編集・PHP田畑さんから
ある日、メールが届きました。

啓文堂新宿店さんで本書が展開されている旨
営業の担当者から連絡が入りました。

POPについては、以前、陽菜さんが教えてくださった
他社の営業の方の持ち込みによるものということです。
その方にも改めて御礼をお伝えいただけますと幸いです」

なんのこっちゃ、と思いますよね。

本は、出版社の編集部で作りますが、本を売るのは営業部の仕事です。
営業さんは、書店を一軒一軒回り、新刊の受注をします。

書店営業の方は、出版社の壁を超えて、皆さん仲が良くて
自社の本でなくても、お互いに書店さんで「この本いいですよ」と
オススメし合ったりされるようです。

私の本が出た時に、友人で某版元営業のA氏が「ひよ子さん、POP送って下さいよ」とおっしゃるので
素直にお送りしたのです。そしたら、数日後、冒頭の啓文堂書店新宿店さんに5冊入荷していただいたと連絡があり
さらに数日後、2冊売れたとご報告があったのでした。

Aさんのお名前を出したいのですが、ここまでして下さってると
「お前自分とこの本売らずに何やっとるんだ」
と、会社から叱られてしまいそうなので、お名前は伏せておきますが

担当編集の田畑さんには、トークショーでお会いした時に
「他社の営業さんが、東京の書店さんを回って下さってるので、見おぼえないPOPで展開されていて
(PHPの)営業の方が、驚かれるかもしれません」とお伝えしたところ
「そんな話、初めて聞きました!」と、田畑さんにもビックリされたのでした。

その後、Aさん情報によると

池袋ルミネのくまざわ書店さん
西国分寺のオリオン書房さん

でも入荷して下さるそうです。
東京ではレア(笑)な、私の手描きPOPに出会える貴重な(?)お店ですので、よかったら脚を運んでみてくださいね。


            


PHPの営業の方の名誉のために付け加えると、決してPHPの営業の方がサボっている訳ではないのです(^^;
とても刊行点数の多い出版社なので、どうしても全部の本、特に新人には手が回らないこともあります。
特に私は名古屋を重点的に営業していただいているので、どうしても東京は手薄になるのだと思います。

書店さんでも、他の出版社の営業の方からも「PHPの営業さんはきちんとやってくれるから、安心していいですよ」
と何度か耳にしたくらいなので。そうでなければ、いくら地元とは言え、なかなか平積みにはしていただけないですよね。
多くの方にバックアップしていただき、本当に感謝です。


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