絵本の魔術師 エリック・カール展

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『絵本の魔術師 エリック・カール展』を見に、GWの松屋銀座に行ってきました(いつの話?)会場は思ったほど混んでいなくて、じっくり楽しむことができました。

カールさんと言えば『はらぺこあおむし』ですが、今回はこの展覧会のためにあらたな『あおむしくん』の絵を描き下ろして、その制作風景の様子を映像にして公開するなど、カールさんの独創的な創作の秘密の明かされた、貴重な展覧会でした。その映像の最後で、絵本でも最後に登場する色鮮やかな蝶が羽を広げて飛び立つ様子は、とっても見事で美しく、何度でも見たいくらいでした。

この独創的な絵本のヒントは、どこの事務所にでもある「穴あけパンチ」にあったのだそう。絵本やお話を作るヒントは、身の回りにあふれている、それを見つけ出せるかどうかなんだなぁと改めて思ったのでした。

080530duck.jpg鳥好きの私は、『あおむしくん』より『あひる』に萌えておりました。
ぬいぐるみとポスターを買いました。

会期:松屋銀座8階大催場
会場:4月29日(火)〜5月12日(月) 10:00〜20:00
   (最終日は17:00閉場・入場は閉場の30分前まで)
入場料:一般1000円 大高生700円 中学生以下無料
お問合わせ先:03-3567-1211


トリモノ帖での紹介文:http://hiyoko.tv/torimono/books/eid168.html

   
            


今回の展示はざっとこんな感じの構成でした。

第1章:ひろがる絵本の世界
第2章:音の出る絵本
第3章:しかけ絵本
第4章:エリック・カールの創作世界

カールさんの色鮮やかな切り絵ですが、カールさん自身が描いた、いろんなパターンのモチーフを描いた大量の紙(ティシュー)が、アトリエの引き出しに色ごとにしまってあって、緑がほしいな、と思えば、緑の引き出しから、ありとあらゆるニュアンスの色紙を取り出してきて、感覚やイメージ、バランスを考えながら配色をして行くと言う感じでした。

手順はざっとこんな感じ。まずは下絵を描き、ひとつずつパーツを切り離して、その度に色紙をそのパーツの形に切り、切り離された下絵をあてがいながら、新しい用紙にパーツを貼付けて行くのです(こんな説明でわかるかしら?)。

カールさんはしかけ絵本だけでなく、音のなる絵本も作っていて、これはきっと、子供はわくわくするだろうなーと思いました。世代的にはカールさんの絵本を読んで育っていてもおかしくないですが、私は子供の頃ほとんど絵本を読まない子でしたので。

展示の最後の方は、近年制作しているアート作品(「インディペンデント・アート」)でしたが、これらを売る気はまったくないと言い切るカールさん。白衣を着た堂々とした威厳ある様子は、画家と言うよりお医者様のよう。
ワークスとは違った自分の創造力を楽しむためだけのライフワーク、そんなものを私もいつか持てるようになりたいと思ったのでした。

http://www.matsuya.com/ginza/topics/080512e_aomushi/index.html
世界のベストセラー、国内でも約300万部の売り上げを誇る絵本『はらぺこあおむし』。
色鮮やかなコラージュ(切り絵)と穴があけられた楽しいしかけ絵本は、多くの子供たちに愛されてきました。
作者のエリック・カールさんは、『はらぺこあおむし』をはじめ、豊かな色彩感覚と光や音をも駆使した独創的な作風から『絵本の魔術師』とも呼ばれています。本展では、『はらぺこあおむし』から最新作までの絵本原画や制作過程を伝えるスケッチ類、そして近年取り組んでいるアート作品など約100点を展示します。
さらには、『はらぺこあおむし』を描く様子を撮り下ろしたオリジナル映像や資料も紹介し、エリック・カールさんの創作世界を紹介します。楽しさと驚きに満ちあふれた絵本の世界をどうぞご堪能ください。

【エリック・カール:プロフィール】
ニューヨーク州生まれ。
1935年、家族と西ドイツに移住。
1946年から4年間、シュトゥットガルト造形美術大学で学ぶ。
1952年、アメリカに戻り、絵本作家のレオ・レオニの紹介でニューヨーク・タイムズのグラフィックデザイナーとして働く。
1968年に絵本『1、2、3 どうぶつえんへ』を発表、ボロ‐ニャ国際図書展グラフィック大賞を受賞。
1969年、『はらぺこあおむし』でアメリカ、イギリス、フランスなど各国で表彰される。
1971年より絵本製作に専念、『たんじょうびの ふしぎな てがみ』、『うたが みえる きこえるよ』などを発表。
1985年、来日。
2002年11月、ボストン近郊にエリック・カール美術館が公開。

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