東京都現代美術館(MOT)にて。
『屋上庭園』のあとは、
常設展のMOTコレクションを見てきました。
現代美術館は、
2006年に開館10周年を向かえたのを機に
常設展をMOTコレクションと名付け、
テーマ性のある展示を
行うことに決めたのだそうです。
2008年4月22日(火)〜2008年6月29日(日)までは
「新収蔵作品展『賛美小舎』上田コレクションより」
これは一階に展示されていた作品を
階段上から撮ったもの。
撮影・Polaroid a520(*)
同じものをわたしのCasioで撮ったもの。
こっちはホセソニオのPentaxで。
上:耳を当てて、先っぽから話しかけると、あら不思議♪
下:美術館のエントランス。かっこいい!!
さて、この展示のメイン、岡本太郎の『明日の神話』のラフです。
縦5.5メートル、横30メートルと言う、とにかく巨大な絵を、
1968年に、たったひとりで描き上げた太郎。
そのためには当然、ラフを何度も何度も描きました。
そしてこんな巨大で見事な作品を仕上げたのですが、その作品を展示した
メキシコで、砂漠の中に置き去りにされたテントの中に
簡単なビニールシートがかけられたのみで、何年も放置されます。
その結果、見るも無惨な姿に。
この様子はドキュメンタリーの映像を流していましたが、目を覆いたくなる程
ひどい惨状でした。いくら「芸術は爆発だ!」が名文句の太郎とはいえ
自分の絵がクラッシュするのは耐えられないでしょう。
詳しくはこちら『明日の神話再生プロジェクト』
http://www.1101.com/asunoshinwa/
一年かけた修復の結果、見事よみがえった壁画。
ところどころ、欠けてなくなった部分もあって、それはラフや
いくつか作られたダミーを元に分析して、新たに作り上げたのだそう。
この日は、この太郎の作品を見られただけで、もう大満足。
しかし、やっぱりゆっくり見すぎてしまうわたしたち。
閉館時間を過ぎても、まだ見終わっていません。
それなのに、この美術館は、閉館時間を告げるアナウンスこそあったものの
お急ぎくださいなどと、何度も言ったりはしないのです。
最後の映像が見たくて
(太郎の太陽の塔に立てこもった男へのインタビューでした。
ばかばかしくておかしかった)
画面の前で釘付けになる二人。もう出なきゃ、と心は焦っているので
立ったままだったんですが、そこを美術館の人が通りかかったのです。
先日のこともあり、叱られる!と思ったんですが、なんと
「おかけになって、ゆっくりご覧くださいね」
・・・え??耳を疑ってしまう程ありがたいお言葉でした。
遅くなった自分たちが悪いのですけどね。
でもねでもね、やっぱり美術館にはこうあって欲しい!!!
この出来事で、わたしの中でMOTの株はぐぐぐぐーんと上がりました。
人ってそんなものよね。
どんないい展示でも、不愉快なことがあったら台無しになってしまう。
見習って欲しいものです。科学博物館さん。
ところで明日(7/7)から25日まで、現代美術館は、展示入れ替えで
全館休館になるそうです。お気をつけ下さいませね。