仏像展二度目

20061125-1.jpg070109ueno.jpg昨日は仏像展に行った。 10月に前期に行ったのに続き2度目。 でも2度行く価値はあった。素晴らしかった。

そしたらなんと、仏関連本で一緒にお仕事したライターさんも、 昨日全く同じ時間に行っておられたそうで、ご一緒できたら、いろいろ解説していただけたのに。残念。 それにしてもすごい偶然。さすが息が合ってるなぁ。

東京国立博物館イベントページ
http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=B01&processId=01&event_id=3460
仏像展公式サイト
http://butsuzo.jp/


おとといのダリ展と一緒に見る予定だったのだけど、仏像展の方が混んでいたし、ダリに魂を吸い取られて、これ以上は無理、と言う感じだったので、おとといは早々と3時くらいに帰って来てしまった。

で、昨日仏像展だけに集中して、一度目は借りなかった、大人気の市原悦子のナビも借りた。 二度目なので、ナビのあるものだけを集中的に見て来たが、ナビなしでは気づかなかった事が、たくさんわかったので、 借りてよかった。

向源寺の十一面観音は素晴らしかった。あんなに美しい仏さまにお会いしたのは初めてだと思った。 円空も木喰も素晴らしい。

早い時間から行ったので、前回見落としていた一階での『一木彫ができるまで』など見られて、おもしろかった。 いろんな木材について、勉強できました。


http://www.maekawa-kayagoban.co.jp/kaya/index.htm
木材について
http://www.jawic.or.jp/kurashi/jtree/s6-kaya.php


そのあと本館を見て、公開中の庭を散策して、東洋館を見て、ガンダーラ仏や中国の石仏を堪能し、表慶館まで見たら、 外は真っ暗だった。 広くて疲れたので、昨日は眠くて日記が書けなかったのでした。


以下はメモのようなもの。

・中国から入って来た木像は白檀だったが、中国にも日本にも 生えない木のため、日本では主に榧(かや)が使われている。 榧は白檀に似て芳香があり、木目が美しい事から使われたが、 白檀より大木になるため、大きな仏像作りも可能になった。

・一木彫は一本の木から作るため、肩など窮屈にならざるをえない部分もあった。
 すべて一本の木から作るものと、中心部分だけ一本で、残りを別の木材で作って組み合わせる作り方があった。

・土地に伝わる神木や由緒のある木材を使って作られる事により、ますます信仰が厚くなった。  ものによっては、彫刻に向かないものもあったようだが、 神木という事で無理につくたれた例も。

・横にノミ跡を残す彫り方を「鉈彫」(なたぼり)といい、木から仏が現れた事を表しているが、主に作られたのは 関東や東北などで、京都などでは作例はほとんど見られない。

・円空と木喰(もくじき)は、共に江戸時代に活躍した僧侶であり、放浪の仏師。

 円空は生涯で20万体の仏像を彫ると決心し、大きなものを一日で仕上げる事もあったという事で、荒削りさが魅力である。

 木喰は、60歳を過ぎて仏師になり、お遍路巡りの出来ない貧しい農民のために、33観音を彫ったのは、86歳のとき。  しかも24日間で彫り上げたらしい。  当時の平均寿命からすると、スーパーおじいちゃんである。 作風はかなり手の込んだもので、丸く丸くという歌も残している。


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