アリスと誕生日カード

070927card.jpg友達に送ったカード。
できれば手作りして贈りたいものなんだけど、時間がなくてとか手先が不器用だからとか言い訳して、結局買ってしまう・・・

丁寧な手仕事。不器用なワタシにはこんなキレイに仕上げられない!

こんな風な手作り絵本を、いつか誰かに贈りたいな。


          


060928alice_wonder_kitchen.jpgこれは以前「ディズニー・アート展」の記事にも載せた絵で、ちょうど一年前にパレットクラブの授業の課題で「好きな本を装丁する」と言うテーマで描いたもの。
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実際に装丁まで仕上げて提出して、なかなか好評だったんだけど、その大好きなアリスをテーマに、11月にグループ展をすることになった。しかも今回はワタシがDM制作を担当することに!そんなわけでここんとこアリスでアタマがいっぱいなワタシなのだった。

もともとアリスが大好き。ディズニーのアニメが放送されるたびにワクワクしたし、ゴシックやヴィクトリアンな雰囲気が好きなのもアリスの影響だと思う。そうそう、ゴスロリ少女はアリスのモチーフ好きだよね。

ちなみに上の本の元は左。右は、今回資料として使ったもの。

「地下の国のアリス」とその解説書の2冊組。この本はこの色の前のバージョンを持ってるんだけど、金ピカで何とも豪華で、クリスマスプレゼントには最適な作りになってると思う。

もともと「不思議の国のアリス」は、作者のキャロルがアリス・リデルに、自分で描いたイラストも添えた手作り絵本「地下の国のアリス」を贈り、それが評判となって出版されたという経緯がある。
今話題のミス・ポターの「ピーターラビット」が甥っ子への手紙から始まったように、アリスも最初は身近な子供への個人的な贈り物として始まったのであった。

キャロルがリデル家の三姉妹(ロリーナ・アリス・イーディス)にせがまれて作った物語を、アリスにせがまれて本の形にした、というのが「不思議の国のアリス」の始まり。
しかしここで不思議なのは、三姉妹いたら、普通は末っ子の名前で作るのでは?と考えるのは、日本人的な考えなのだろうか。キャロルは真ん中のアリスがお気に入りだったから、アリスをモデルに物語を作ったというのはわかるけれど、末っ子のイーディスちゃんはすねたりしなかったのだろうか。

しかしこれ確かに「アリス」だからよかったのだと言わざるをえない。これが「地下の国のローリーナ」や「不思議の国のイーディス」だったら、ここまで人気は出なかったかもしれないとも思うほど「アリス」と言う名まえと、このファンタジーの世界はぴったりとはまっている。


続きでも、今回資料として使ったものをご紹介しています。


          


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福音館古典童話シリーズ4。
アリスの挿絵は本当に多くの画家やイラストレータが手がけてるけど、最初に描いたのが、このジョン・テニエル氏。
キャロルが彼の絵を「アリスが頭でっかちだ」と言ったり、テニエルが初版の絵が気に入らないからと強引に回収してしまったりと、二人の仲は険悪だったようだけど、アリスと言えばこの絵、と思う方も多いのでは。


同じく福音館古典童話シリーズ9。こちらは「鏡の国のアリス」
「不思議」はトランプが重要なモチーフになってるように、「鏡」はチェスがテーマとなって、あたかも盤上のチェスのゲームのように物語が進んで行くんだけど、ルールがわからないワタシには、おもしろさが、もしかしたら半分しかわかっていないのかもしれない。

でも実はここだけの話、ワタシは「鏡の国のアリス」の方が好きなのだ。それはハンプティダンプティが出てくるというのもあるけれど、なんといっても白い騎士の悲哀(彼はキャロル自身の投影だと言われている)が、ココロにグッと来るから。11歳のアリスを本気で愛していたと言われる、31歳のキャロルが、大人になりつつあるアリスを憂いているので、実はそんな美しいものではないのだけれど・・・・

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これは新書館版の「不思議の国のアリス」
アーサー・ラッカムの挿絵。ラッカムは素晴らしい挿絵画家だけど、これに関しては、アリスのイメージとはちょっと違うような・・・ちょっとおしとやかすぎるような気がしてしまうのだなぁ。


手作り絵本の本。
イラストレーターの水野真帆さんの作品。すっごくかわいい。思わず真似したくなるアイデアが満載。


最後はアリス本ではないけど、まさに挿絵の黄金時代を飾った挿絵画家を集めた豪華本。
ヴィクトリアン時代にはジョン・テニエルが、黄金時代にはアーサー・ラッカム、エドマンド・デュラック、そしてビアトリクス・ポターが登場。
ここでビアトリクスの半生を改めてみて見ると、ピーターが世に出たのは、ワタシが想像していたよりも、ポターが年齢を経てからなのだと知る。

1866年生まれのポターが「ピーター・ラビットのおはなし」を自費出版したのは、1901年35歳のとき。フレデリック・ウォーン社の目にとまり、同社から出版されたのは翌年36歳のとき。

担当編集者だったウォーン家の末息子ノーマンと恋に落ち、結婚するが、たった三ヶ月後にノーマンは白血病で亡くなってしまう。この時代に結婚せず本を出版し、36歳で恋愛結婚だなんて、それだけでも素敵すぎるポターだけど、彼女はそれだけではない。

もともと裕福な生まれで、本の印税を当てにしなくてもよかったというのもあるけれど、本での収入はすべて故郷の湖水地方の維持のために惜しげもなく使い(ナショナルトラストの活動として今も続く)、相談に乗ってもらっていた弁護士のヒーリスと47歳で結婚してからは、もう創作する必要を感じなくなり、ヒーリスとの農場経営に打ち込み、1943年、人生の終わりを迎えると、すべての財産はナショナルトラストに寄付されたのだった。
・・・・かっこよすぎるっ!!

って、アリスの話だったね、これって確か・・・


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