を読んで、そういえばワタシもFなんて
使ったことあったっけ?としばし悩む。
子供の頃には当たり前に使ってきた鉛筆。
今は鉛筆は絵を描くときしか使わない。
文字を書くときはもっぱらボールペンで
かつていつも使っていたシャーペンも
めったに使わくなったものだ。
(ちなみに普段はシャーペンではなく
シャープと呼ぶ→どうでもいいよ!)
たぶん世の中のほとんどの大人は
鉛筆はめったに使わないんじゃ?
と思うけど、どうなのかしらん。
だから「お気に入りの芯の記号は何?」なんて聞かれても、困っちゃうかしら?
そこであえて答えてみると、ワタシのお気に入りはHなんす。
HBだとちょっとやわらかすぎんの。
おおまかな下絵をBか3Bでざくっと描いて
それを消しつつちゃんとした線をHで入れていくのが好き。
植物画をやってるときは、6Hなんてのも使ってた。
細かいから芯が尖ってないと描けないのだ。
下に引用したコネタを要約すると、各記号の意味は
B(black)は画家の求める濃い鉛筆のグループ
H(hard)は製図家の求める硬い鉛筆のグループ
その中間がHB、さらにHとHBの間がF(FIRM(引き締まった))
ということらしい。
どうやらHとならんで、Fもワタシ好みである可能性が!
ワタシの嫌いなやわらか鉛筆たちは、実は画家のために
作られたものだったのですね。ひゃぁぁぁ〜〜〜
鉛筆の「F」っていう謎の存在について | エキサイトコネタ
「鉛筆は2BかHBを使いましょう」って言われてた小学生のころ
文房具屋で見つけた『F』の鉛筆に、かなりテンションが上がった
記憶がある。Fって何だよ! と。新しい鉛筆が出たのか!? と。
さっそく親に言って、その謎めいた鉛筆を買ってもらった。
ところが使ってみると、これがなんとも普通。濃さも書き心地もHBと
そんなに変わらないし、高級感があるわけでもない。テンションは
一気に下がり、一度使っただけで、その後「F」が鉛筆立てから
出ることはなかった。
大人になってから、記号の意味を知った。『B』はBLACK(黒い)
『H』はHARD(硬い)、そして『F』はFIRM(引き締まった)。
Fは最新のもんじゃなく、昔からあるHとHBの間の濃さの鉛筆だった。
ただ、疑問は残った。どうして意味ありげに、Fなんていう別格っぽい
記号がつけられてるのか。BとHだけで片付く話じゃないんだろか、と。
疑問を解決すべく、日本鉛筆工業協同組合に問い合わせたものの
鉛筆の規格はドイツで決められたから、調べてみないと分からない
とのこと。そこで、文献を探してみることに。すると、鉛筆の歴史が
詳しく記されている『鉛筆と人間』(ヘンリー・ペトロスキー著)っていう
本に、Fが誕生するまでの経緯が書かれていた。
19世紀、鉛筆の濃さの表し方は、国や業者によってさまざまだった。
数字で表す業者や、H(HARD)とS(SOFT)で表す業者など、いろんな
規格が乱立していた。
そんな中で、ロンドンにあるブルックマンっていう鉛筆製造業者が
『B』と『H』で表示した鉛筆を作った。
画家が求める濃い鉛筆のグループをB、製図者が好む硬い鉛筆の
グループをHとして、濃さと硬さのランクを数字で表した。
多くの人に使われ始めると、BとHの間にニーズがあることが分かって
いくつかの製造業者が『HB』を作った。そして、HBとHの間に『F』が作られた。
つまりBとHっていう、まったく別モノのラインが最初にあって
その間の濃さを埋める過程の中でHBが生まれ、さらにFが生まれた。
濃さとしてはHHBなんだけど、3文字での表示はスマートじゃないからか
新しくFって記号が作られたってわけだ。こうして、19世紀の段階ですでに
Fは誕生していた。
この記号は世の中に浸透し、しばらく乱立してた濃さの表示は、20世紀に
なって統一されたという。
ちなみにこの先、新しい鉛筆の記号が生まれる可能性はあるのか
三菱鉛筆株式会社に伺った。
「現在の鉛筆で、すでにきれいなグラデーションになっておりますので
さらに細かく定義するのは、技術的に難しいと思います」
手作りだったら、微妙に違う濃さの鉛筆を作ることはできるという。
でも、鉛筆は大量生産する必要があるから、品質が維持しづらいんだとか。
新しい記号が生まれる可能性は、あまりなさそうだ。
謎めいた鉛筆記号『F』。その誕生の裏には、結構お勉強になる鉛筆の
歴史が詰まってました。
(イチカワ)