映画「オズの魔法使」といえば、ドロシー役のジュディ・ガーランドの愛らしさがまず最初に浮かびますが、原作のドロシーは10歳くらいの幼い少女で、最初天才子役・シャーリー・テンプルが候補だったのに、諸々事情で話が流れ、16歳のジュディに話が来ます。欧米の16歳なんてそりゃもう、ぼん・きゅ・ぼんですから、ジュディは胸を小さく見せ、幼く見せるのにすごく苦労したんだそうで。ま、それはいいのですが、作中で元気いっぱいに踊っているように見えるジュディですが、実は覚せい剤の使用で、頭がラリッた、ハイな状態で踊っているだけなんだとか!ひょえーーーー。見る目が変わってしまいます。
しかし、これは当時(1930年代)のハリウッドでは普通のことだったそうで、ハリウッドスターを休みなく働かせるために、事務所側からドラッグの使用を命じられることが多かったそうです。ジュディの場合は、肥満気味だったので、ダイエット用の薬として覚醒剤(アンフェタミン)を使用、そのせいで眠れなくなり、今度は睡眠薬(セコナル)を常用するようになったというから、めちゃくちゃですよね。そして、事務所と契約した時、まだ13歳だったジュディは、すでに事務所のプロデューサーと性的関係があったために、ライバルを押しのけて、契約を勝ち取ることが出来たんだそうで。13歳で枕営業かぁ。それって普通??何だか頭がくらくらします。
一番の衝撃は、ジュディは生涯で4回結婚してるのですが、最初の夫との離婚原因が「ジュディがあまりに変態的な性行為を求めたため、夫が軽蔑した」というのです。軽蔑されて離婚の原因になるほどの変態的な性行為って??想像すると夜も眠れません(フガフガ)。けれど、いろいろ読み解くと、娘のライザ・ミネリの言うように「母はハリウッドに殺された」というのも、よくわかる気がします。子供の頃から、ショービジネスのある意味狂った世界にいれば、感覚がおかしくなっても無理はないでしょう。また、ジュディは生涯自分の容姿にコンプレックスを持っていたそうですが、華やかな世界で生き残るのはとてもシビアで、薬物に走ってしまう気持ちは、わからないでもないなぁと思います。
あと面白いなぁと思ったのは、ジュディが同性愛者に寛容で、彼らに理解を示したので(彼女自身もバイセクシャルだった)、彼らのアイドル的存在だったそうです。なので、彼らの隠語で「ドロシーとお友達」というのは同性愛者のことで、デモなどの際には、必ず「虹の彼方に」がかかるんですって。そーだったのかぁ。。。
(あ、これ全部、有名な話?だったらすみません。。。)
さて、これはまだ覚せい剤の害がまだよくわかってなかった時代のお話。1930年代は、ハイになって馬車馬のように働くために、薬剤が利用されましたが、1960年代になると、今度は、ドラッグ(主にLSD)による幻覚を作品に反映させるために、芸術家たちが薬物を自ら利用する時代がやってきます。それがサイケデリック・アートと呼ばれるもので、一番わかりやすいのがサイケデリック・ロックですね。ビートルズもイエローサブマリンとかの頃はサイケデリックロックの時代だったそうですね。おおー。
歴史上、ヴィクトル・ユゴーやオノレ・ド・バルザックのコーヒー、アルフレッド・ド・ミュッセやポール・ヴェルレーヌのアルコール、ギ・ド・モーパッサンのエーテル、ジャン・ロランのコカイン、テオフィル・ゴーティエやシャルル・ボードレールのハシシ、トマス・ド・クインシーの阿片等、創作上の霊感を得るために薬物や嗜好品を用いた作家、詩人、評論家は少なくなかったそうですし。そうした中で、LSDの登場はそうした人たちに少なからず影響を与えたそうです。アメリカでは、LSDは1960年代初頭には薬局に置かれるようになっていたので、誰もが気軽に試してみることが出来たのです。
私はずっと、ミュージシャンが薬物に走ってしまうのは、ヒット曲を生み出さねばと言うプレッシャーによるものと思ってましたが、そういう点もあるけれど、こう言う意味合いもあったんですね。私もクリエイターの端くれ、サイケデリックな体験、特に共感覚(色彩を聞き、音色を見る等)には興味がありますが、精神的な作用については個人差があり、不快感を持ったり不安感で死にたくなる人も多いようだし、かといって多幸感で依存するのも怖いし、やっぱやめときます(笑)→当たり前。
私は多分すっごく依存しやすい人間なので、ギャンブルも煙草もやりません。あんまり買い物もしないし、お酒もたまにしか飲みませんし。こー書くとつまんないやつみたいだけど(笑)ま、ブログやSNSに依存してるくらいで、ちょうどいいんでしょうねぇ。今は依存してないけど(笑)
自分用メモ。
<企画展>没後10年「長新太の脳内地図」展(ちひろ美術館・東京)
2015年5月27日(水)〜8月2日(日)
一年後くらいに刈谷市美術館に巡回する模様。
その刈谷市美術館では、こんな展示が開催中。去年とかおととしは宇野亜喜良さんやってたのね!
宮西達也ワンダーランド展 ヘンテコリンな絵本の仲間たち
【会期】 2015年4月25日(土曜)〜6月7日(日曜)
でもそれより行きたいのは安曇野!
<企画展>『はしれ、トト!』 조은영(チョ・ウンヨン)の絵本づくり展
2015年9月26日(金)〜2015年11月30日(月)
韓国の絵本画家チョ・ウンヨンは、デビュー作『はしれ、トト!』で、馬が好きな少女の競馬場での一日を描き、ブラスティラヴァ世界絵本原画展グランプリに輝きました。本展では、絵本原画とともに、制作過程の資料を展示し、画家の大胆な絵本づくりを紹介します。3年前、かわら美術館で見たブラスティスラバのあの馬の絵の制作過程!コレ見たい!行きたい〜〜!!
同時開催のこれも見たい!
◎ちひろ美術館コレクション 10人の絵本画家 10の絵本づくり
ナンセンスの世界を築いた長新太、物語を視覚的に演出した赤羽末吉、コラージュを駆使した色彩が魅力のエリック・カール……、本展では、10人の絵本画家の作品を制作過程の資料とともに展示し、十人十色の絵本づくりを紹介します。
全然関係ないけど、この本、ほしー。作りたい―。