8/6(金)、風俗資料館の後に見に行きました。途中、お茶を飲んだりしてたんで、結構遅い時間になってしまって、常設展だけ見ようかと思ったんですが、会期が8/15までということで、せっかくなので、見ていこうということに。代わりに、常設展は見れませんでしたが、それは後日見に行きました。
そうそう、実はこの展覧会には、最初はあまり興味はなかったのですが、門のところに、今までに見た人の感想などが書き出されていて、それを読んでいるうちに、興味が沸いてきちゃったのでした。やり方うまいかも、西洋美術館。運良く、6時からの解説を聞く事ができました。
まず、日本人は、クリスチャンは少ないと思いますので、キリスト教的な、常識って、あまり知識として持ってないと思うのですが、聖杯というのは、最後の晩餐で、キリストが「ワインを我が血とし、パンを我が肉とする」として、使徒に分け与えるときに、ワインを注いだもの。そのときに、キリストが「この晩餐は、自分の死後も行うように」と言う言葉を残したため、信者は、キリストの死後も、聖杯に注がれたワインを飲むと言う儀式を行うようになり、それがミサなのだそうです。ミサって、お説教を聴くものなのだと思っていました(^^ゞポリポリ
今回出展されたのは、すべて旧東ドイツの教会で使われていたもので、贅を尽くした、素晴らしい工芸作品がずらりと並び、もううっとり。時代後とに、少しずつ変化していくデザインの様子なども、解説を聞くと、とてもよくわかって、おもしろかったです。興味ない、などと思っていたわたしですが、洋食器のデザインに生かせそう?などと、ちょっとインスピレーションが沸いて来たりもして、見てよかった、と思いました。
また、今回の展覧会の開催に当たって、どういった経緯で物事が運んだのか、についても、解説の方が、興味深い話をしてくださいました。この聖杯に象徴されるような、教会が権勢を誇って、贅の限りを尽くせたのは、はるか昔の事で、特に社会主義時代は、とても貧しい教会が多かったそうです。しかし、当時は、東ドイツのどこもかしこも貧しく、それが普通であったので、貧しい事を恥とか、つらいとはさほど感じなかったのだそう。
でも今、東西統一がなされ、豊かな西の文化が入ってくると、貧しい事が、急につらく思われ、換金化が容易な、こうした聖杯などを、横流しすると言う事が、心配されています。そういった意味での資金源、また美術品としての聖杯の認知を求めて、旧東ドイツ側にとっても、願ってもない展覧会といえるのだそうです。知らないほうが幸せってこと、あるのかもしれませんね(って、そういうまとめ?)
聖杯 -中世の金工美術
会期:6/29(火)〜8/15(日)(終了)
国立西洋美術館
西洋美術館、9/10(金)からは、『マティス展』が始まりますよ〜。これは、見逃せませんっ!