とっくに終ってしまった展覧会のことを、ここに載せる意味ってなんなんでしょうね?いやもう、自分の記録でしかないわけです。あとは、とりあえず興味を持ってくださったら、次の機会に見ていただくということで。
マイセン展、毎年秋に日本橋三越で行われるのが、恒例になっていますが、今年は、松坂屋でも同じマイセン展が、高島屋ではヘレンド展が開かれて、三越に対抗してきています。そうしたライバルたちの挑戦に、負けていないのが、老舗三越。今度はマイセンだけでなく、日本の磁器絵付けの最高峰・柿右衛門と同時に開催です。和洋の美の競演は、磁器好きにはたまりませんし、ペインターにはなおさら。正直、これはもう、三越の独壇場。松坂屋どころか、高島屋も全然かなわないと思いました。
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マイセンは、ヨーロッパで最初に磁器制作に成功した、最古の窯であり、世界の最高峰の絵付技術を持った磁器メーカーであります。最初、中国や日本からもたらされた磁器は、ヨーロッパで大ブームとなり、同じような磁器を作ろうと、各国の王が躍起になってその工法を研究します。当時のドイツでも、フリードリッヒ・アウグスト1世が磁器に魅せられ、どうにかして自国でそれを生産できないかと、錬金術師ベドガーを幽閉し、研究に没頭させました。ベドガーは、1709年、ついに磁器を完成させます。
そうした歴史を持つマイセンですが、伝統にのみとらわれることなく、どんどん斬新なデザインやスタイルを作り出すことでも知られています。オーソドックスな、シノワズリ(中国趣味)や、マイセンブーケなど以外に、アラビアンナイトや、モダンなブーケの作品など、本当にバラエティに富んだ作品たちを見ることができました。
そして、忘れてはいけないデモンストレーション。今回は、仕事のお昼休みなどにも通ったりして、何度か見ることができました。もうね、神技なんです。すごいんです。周りを取り囲んでいるのは、ほとんどがホビーペインター。みんな、すごーく熱心で、いろいろな質問が飛び交います。その答えの中で、ペインターさんが
「わたしは、随分長いこと絵付けをしているので・・・」
とおっしゃったのですが、何年やってらっしゃるかと尋ねると
「35年」
なんと、わたしの年齢と変わらないくらい、絵付けをなさってるのですね。まだ10年足らずのわたしが、全然かなわなくて当然なのでした。(もちろん、才能や環境も全然違うのですけど(*^^*ゞ)
15歳ではじめたと言うことなので、そろそろ50に手が届くのだと思いますが、若々しくて、本当に素敵な方でした。