だからあのときやめておけばよかったのに

その昔、名古屋にいた20代前半のウラ若きワタクシは、大手スーパーゼネコンと呼ばれる会社で、CADオペレーターをしておりました。もう15年ほども前のことになるかな。当時もやはり、名古屋の地下鉄の談合事件が持ち上がり、あとで本社の経理課に監査が入ったなどの怖い話を聞きました。

こうした談合は営業のほうで行われているのか、設計部は静かでしたが、毎日毎日、ウヨクの方達が、会社のあるビルの周りをぐるぐると周り、「おまえらは、地下鉄工事から手を引けー!!」と叫んでいるのが7階まで聴こえて、みんなで震えておりました。爆弾などしかけられるんでは?とドキドキ。

今にして思えば、そのビルは他社のものを間借りしておりましたし、ほかの企業も入ってるビルで、そんな物騒なことは起こりえませんが、若く浅はかだったワタシは、ありえもしないことを一人妄想しては、興奮状態で皆と語り合ったものです。

そして普段エリート風を吹かせた男性たちが、飲みに行くのにも、バッジをはずして小さくなっていたのが印象的でした。でもさ、みんなそんなバッジ知らないと思うんだけど。自意識過剰てなものでっせ。

とにかくさ、結局、全然反省してなかったって事だよね。事件は会議室で起きてるんではない!!・・・ですが、設計部のみんなの真摯な仕事ぶりを知っているだけに。
(しかも、ゼネコンにとって設計は「おまけ」で、実質的にお金にならないので、スゴく肩身が狭い思いをしている)
現場の方たちが気の毒でならないのだなぁ。


名古屋地下鉄談合、大林組に罰金2億…仕切り役も有罪判決
(読売新聞 - 10月15日 10:20)


 名古屋市発注の地下鉄工事を巡る談合事件で、
独占禁止法違反(不当な取引制限)の罪に問われ、
共同企業体(JV)の幹事社だったゼネコン5社と
各社の営業責任者5人の判決が15日、名古屋地裁であった。

村田健二裁判長は、大手ゼネコン「大林組」に、求刑通り
5社の中で最も重い罰金2億円、談合の仕切り役だった
同社名古屋支店元顧問・柴田政宏被告(71)(別の談合事件でも起訴)に
懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役3年)を言い渡した。

大林組以外の4ゼネコンはいずれも求刑通りで、
「鹿島」(東京都港区)と「清水建設」(同)が罰金1億5000万円、
「奥村組」(大阪市)と「前田建設工業」(東京都千代田区)が罰金1億円。
4社の営業責任者はいずれも懲役1年6月、
執行猶予3年(求刑・懲役1年6月)とした。
独禁法違反でゼネコンが刑事罰を科されたのは今回が初めて。



■今までの経緯
名古屋地下鉄談合 6社営業担当 立件へ(2007年2月25日 読売新聞)
◇地検 27日にも強制捜査
名古屋市発注の地下鉄工事を巡る談合事件で、
名古屋地検特捜部は、談合の仕切り役が支店顧問をしていた
大手ゼネコン「大林組」(大阪市)と、落札した共同企業体(JV)で
幹事社だったゼネコン5社の営業担当者ら6人前後を、
独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で立件する方針を固めた。

特捜部は、27日にも公正取引委員会の告発を受けて、
強制捜査に乗り出す。ゼネコンが独禁法違反で立件対象になるのは初めて。
ゼネコン業界が「決別宣言」した2005年12月以降も
談合が続いたとみられ、ゼネコン各社の談合体質が改めて問われることになる。

◇法人責任も追及
談合の対象となったのは、昨年2月と6月に入札が行われた
名古屋市営地下鉄6号線(桜通線)延伸工事の5工区。
2月に4工区、6月に1工区の入札が行われ、
「ハザマ」(東京都港区)、「前田建設工業」(千代田区)、
「清水建設」(港区)、「鹿島」(同)、「奥村組」(大阪市)が
幹事社をしていた五つのJVが19億5000万円〜62億1000万円で、
それぞれ落札した。

関係者によると、JVの幹事社は、受注を希望する工区などについて、
事前に、談合の仕切り役とされる「大林組」名古屋支店元顧問・
柴田政宏被告(70)(別の競売入札妨害事件で公判中)に伝え、
この希望を受けて柴田被告が受注する企業を決定していたという。

特捜部と公取委は先月下旬、大林組や鹿島など6社の本社や名古屋地区の
支店を捜索。談合の窓口になった各社の営業担当者らからの事情聴取を
続けていた。

その結果、特捜部などは、柴田被告の受注調整に従うというルールに
基づいて談合を繰り返していた行為は、独占禁止法3条が禁じる
「不当な取引制限」に当たると判断した。

「日本建設業団体連合会」「日本土木工業協会」「建築業協会」の
建設業3団体は05年12月、会員企業に対して、「独占禁止法の順守」を
呼びかける文書を流すなど談合との決別を宣言していた。

特捜部などは、その後も、各社の談合防止の取り組みが不十分だったと
みており、独禁法の両罰規定を適用し、各社の法人責任も問う方針。


工区替え 隠ぺい工作 名古屋地下鉄談合(2007年3月1日 読売新聞)
◇「鹿島」「清水」で調整 大林組にだけ報告
名古屋市発注の地下鉄工事談合事件で、名古屋地検特捜部に
独占禁止法違反容疑で逮捕された大手ゼネコン「鹿島」と
「清水建設」の営業責任者が、両社を幹事社とする共同企業体(JV)の
落札予定工区を入れ替えていたことが分かった。
同市などに談合情報が寄せられたことを受けた隠ぺい工作とみられ、
2006年2月の入札前日、談合の仕切り役だった大手ゼネコン
「大林組」名古屋支店元顧問の側近にこの事実を伝えていた。
特捜部では、05年12月のゼネコン業界による「談合決別」宣言後も
談合が続いていたことを裏付ける事実とみて調べを進めている。

関係者によると、入れ替えられたのは、同市営地下鉄6号線(桜通線)
延伸工事5工区のうち、06年2月に入札が行われた、
「徳重第1」(予定価格約66億9300万円)と
「徳重第2」(同約64億6000万円)の2工区。
独禁法違反容疑で逮捕された大林組名古屋支店元顧問、
柴田政宏被告(70)(別の談合事件で公判中)が、
ゼネコン各社の受注希望を調整し、鹿島を幹事社とするJVが徳重第1を、
清水建設を幹事社とするJVが徳重第2をそれぞれ落札することに決まっていた。

しかし、同年1月下旬、同市に5工区の落札予定JVを名指しする
談合情報が寄せられ、市は参加予定のゼネコン責任者らから事情を聞くなどの
調査を実施した。鹿島と清水建設の営業責任者は、入札結果が情報通りに
なることを避けるため、受注工区を入れ替え、両工区の入札前日の2月7日、
柴田被告の側近だった大林組名古屋支店元副支店長(59)
(別の談合事件で有罪確定)に入れ替えたことを伝えたという。
談合を仕切った同支店側に事前に報告し、了承を得るためだったとみられ、
特捜部は、入れ替え工作に柴田被告が関与していた疑いもあるとみて調べる。

読売新聞の取材に対し、地元ゼネコンの関係者は「落札結果を見て、
事前の予定と入れ替わっていることを初めて知った」と証言。
鹿島と清水建設の営業責任者は、工区を入れ替えたことが外部に漏れないよう、
大林組にのみ事前連絡し、ほかの参加社には知らせていなかったとみられる。

◇逮捕の5人は 各社のチーフ
建設業界では、業務担当の責任者を「チーフ」、補佐役を「サブ」と呼ぶが、
逮捕された5人は、それぞれ各社のチーフだった。

地下鉄工事のように発注額の大きい公共事業では、柴田被告を頂点に
各社のチーフが受注を調整。柴田被告は、売上高など各社の「格」と、
現場付近で過去にも受注実績があるかどうかの「立地」などを考慮し、
最終的な裁定を下していた。

ゼネコン関係者によると、鹿島の浜島容疑者と清水建設の河島容疑者は、
業務担当歴は10年程度。「会社の格は大林組と同等だが、ドン(柴田被告)の
意向には2人も従わざるを得なかった」という。

中堅ゼネコン「奥村組」の後藤容疑者は特に柴田被告からの信頼が厚く、
後藤容疑者も「側近」を自認。柴田被告に直接面会できない地元業者は、
後藤容疑者を通じて受注希望を伝えたり、柴田被告に会えるよう仲介を
頼んだりしていたという。

一方、準大手ゼネコン「前田建設工業」の柴田容疑者は業務担当歴が浅く、
ある関係者は「あまり目立たない存在だった」と話していた。


名古屋地下鉄談合 公取委32社一斉調査(2007年6月13日 読売新聞)
◇JV参加 落札協力
名古屋市発注の地下鉄工事をめぐる談合事件で、公正取引委員会は、
入札に参加した共同企業体(JV)を構成するゼネコンなどについて、
独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で一斉調査に着手した。
同事件では、大林組、鹿島、清水建設、奥村組、前田建設工業の5社と
各社の営業担当者が名古屋地検特捜部に告発され、同法違反罪で
起訴されている。公取委は5社に加え、先月、未着工区間を落札した
五洋建設などの関与も含めて談合の全容を把握し、排除措置命令や
課徴金納付命令を出す方針だ。

調査対象は、昨年2月と6月に行われた同市営地下鉄6号線(桜通線)
延伸工事計5工区の入札で、参加JVの構成企業は、5社と、準大手や
地元建設会社など計32社に上る。

JVは3社構成で、5工区の入札では延べ22JVが参加したが、
公取委と特捜部の調べで、大林組名古屋支店元顧問・柴田政宏被告(71)や
落札したJVの幹事社の担当者ら計5人(いずれも公判中)が、
各社の実績などを基に落札JVや入札価格を決めていたことが判明した。

一方、告発から外れた各社も、柴田被告のとりまとめに従う形で、
他社の落札に協力していたことから、公取委は32社すべてが関与した
可能性もあるとみて、入札参加の有無や応札価格などを申告させる報告命令を
各社に送付するなど調査を始めた。

公取委の調査対象には、先月の入札で、市営地下鉄6号線延伸工事の
未着工区間4工区を平均落札率57%で落札した五洋建設(2工区落札)、
銭高組、青木あすなろ建設の3社も含まれている。公取委は今後、談合への
関与を確認したうえで、3社に対し、名古屋市が入札の指名停止条件としている
排除措置命令を出す可能性が極めて高い。

しかし、同市は先月の入札時点では、公取委の処分が出ていないとして、
刑事告発の対象となった同工事5工区の入札に参加していた五洋建設を始め、
いわゆる“グレー”企業にも入札への参加を認めた。
公取委が措置命令を出した場合でも、さかのぼって指名停止処分を行うことは
出来ないため、3社の落札は有効となる。

刑事責任の追及後、独禁法違反容疑で行政調査が行われた事例としては、
東京地検特捜部が昨年3月、競売入札妨害罪で関係者を起訴した
「防衛施設庁官製談合事件」があり、公取委は約60社に計約30億円の
課徴金納付を命じる方針で詰めの調査をしている。


名古屋地下鉄談合 鹿島、清水建設に罰金1億5000万求刑
(2007年8月23日 読売新聞)
名古屋市発注の地下鉄工事をめぐる談合事件で、独占禁止法違反
(不当な取引制限)の罪に問われた大手ゼネコン2社と営業責任者2人の
公判が22日、名古屋地裁であった。
検察側は「鹿島」(東京都港区)と「清水建設」(同)に罰金
1億5000万円を求刑、鹿島名古屋支店元次長・浜島哲郎被告(57)と、
清水建設名古屋支店元営業部長・河島嘉被告(61)に懲役1年6月を求刑した。

この事件を巡っては、大手ゼネコン「大林組」(大阪市)など、
談合に加わった共同企業体(JV)の幹事社5社と各社の営業責任者5人が
起訴された。公判は各社ごとに分離、審理されている。

検察側は、鹿島と清水建設に対するそれぞれの公判で、
「東海地方のほぼすべての業者で構成する高度に組織化された
談合システムの中で、最上位に位置していた」と指摘し、
「業界の良きリーダーとなるべきスーパーゼネコンでありながら、
日常的に談合を繰り返した」と厳しく非難した。


柴田被告に懲役3年求刑 名古屋地下鉄談合(2007年8月25日 読売新聞)
◇大林組には罰金2億
名古屋市発注の地下鉄工事をめぐる談合事件で、独占禁止法違反
(不当な取引制限)の罪に問われた大手ゼネコン「大林組」(大阪市)と
同社名古屋支店元顧問・柴田政宏被告(71)の公判が24日、
名古屋地裁であった。検察側は、同社に罰金2億円、柴田被告に
懲役3年を求刑した。

検察側は論告で、柴田被告について、「東海地方のほぼすべての建設業者が
参加する大規模な談合組織の頂点に君臨し、独自のルールに基づいて談合の
具体的内容を決定、指示し続けた」と指摘。

大林組についても、「約30年間にわたって柴田被告を名古屋支店に
擁することで、東海地方の最も有利な工事を談合で安定的に受注し、
暴利をむさぼった」などと、厳しく非難した。

この事件では、大手ゼネコンなど5社と各社の営業責任者5人が起訴され、
すでに求刑のあった4社は、罰金1億〜1億5000万円、営業責任者は
それぞれ懲役1年6月。談合の取りまとめ役だった柴田被告は、
同市発注の下水道工事を巡る談合事件でも競売入札妨害罪に問われており、
最も重い求刑となった。


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