第1回 なぜ今人々は都心に住居を求めたがるのか?(東洋経済オンライン) http://toyokeizai.net/articles/-/50248
なるほど、です。ただ仕事をすると言う意味では、ネットがつながっていれば、イラストレーターなんてどこでもできるわけです。ではなぜ、わざわざ東京に住むのかって言えば、営業に有利ってこともあるけれど、やっぱり、インプットできる機会が、地方にいると、おおげさじゃなく、1/100くらいに限られてくるわけです。
友人たちの展示を見に行きたくても行けないはがゆさとか、見たかった展覧会がことごとく名古屋を飛ばされた時の屈辱感とか。日々葛藤です。ある程度小金があって、いつでもひょいと東京に行ける余裕があればいいのかもしれないけど、だったら、住んじゃったほうが早いかぁって思ってしまう。。。まぁでも、理想は、夏は函館、冬は台湾に住んで秋と春だけ仕事する、ですが(笑)
今、成長力のある街はどこなのか。
――三浦さんが今、都心部で注目されている街はどこでしょうか。
三浦 成長の伸びしろがあるという点では、例えば北千住が挙げられます。
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今、東京の東側の街のブランドイメージは、昔と比べて西側との格差がなくなってきています。今度、千代田区で猿楽町を神田猿楽町、三崎町を神田三崎町にと、「神田」の名前を復活させる案が出ているように、むしろ「下町っぽさ」が日本的な伝統であったり、江戸文化に近いというブランドイメージをつくれる時代です。
その意味で、今後、ポテンシャルがある街として、北品川、日本橋、御徒町、蔵前、馬喰町周辺も付け加えていいでしょう。まだまだ都心部でも開拓できる場所はたくさんあるのです。
――「住みたい街ランキング」の常連である吉祥寺や自由が丘はどうでしょうか。
三浦 実はブランド力のある街は、住民の高齢化が進んでいます。
しかし家賃が高いので若者はブランド街には住むことが難しく、人口は減っています。住みたい街とは、実際にはなかなか住めない街なのです。
ブランド街は、これからは観光地として生き残っていくことになるでしょう。それは海外からの観光客も含めてです。特に自由が丘は羽田空港にも近い。外国人を呼ぶにはいい立地です。
吉祥寺も、サブカルの聖地である中野ブロードウェイ、三鷹のジブリ美術館などと
連動すれば、外国人を呼ぶことができるでしょう。
子育て支援とSOHO支援がこれからの街づくりに必要
――人口減少時代を迎え、これから街が生き残るには、そこに人が訪れるだけではなく、そこに住んで次世代を再生産してもらえるような街づくりが必要になりますね?
三浦 そうです。今街に必要なことは、簡単に言えば、子育て支援、そしてSOHO(在宅で仕事をする)支援でしょう。私も共働きをしていたころは、ドア・ツー・ドアで50分くらいの通勤時間で、子供を保育園に迎えにいく生活はとてもハードでした。
――三浦さんが考える都心部の街の魅力とは何でしょうか。
三浦 やはり文化ですね。消費は地方でもネットでもできる。しかし文化体験は東京集中ですからね。毎日展覧会に行っても、コンサートに行っても行き切れない。さらにおいしい飲食店があれば、なおいいですが(笑)。そして、落ち着ける場所があることでしょう。