“尋常ではないほどの執着力”と、“何があってもやり通す覚悟”が成功につながる
(村上隆『創造力なき日本』より)
私はまだまだ成功とは程遠いけど、村上さんの言う「尋常でないほどの執着力」と「何があってもやりとおす覚悟」は持ってると思う。イラストレーターって、華やかに見えるかもしれないけど、実際すごく地味な仕事だ。ずっと家にいて、ずっと机に向かってるのが苦にならないような人しか、続かないと思う。会社員みたいに、アフター5(死語?)に飲みに行きたいような人にはムリ。基本、アフターってありませんから。どこで仕事が終わりなんてのがない。とにかく「世に出るんだ」と決めて作品を作り続けることのできる執着力と、一度引き受けたら絶対にやり遂げる覚悟。もうそれしか仕事をする、生きる原動力なんて無い。そのために普通の人が手にしていて当然の幸せとか楽しみを犠牲にするなんて当然のこと。まぁ売れればね、また違うんでしょうけど。
先日の千駄ヶ谷の展示で知り合った、デザイナーY氏から、奥様のお母様をご紹介いただいたのだけど、和装の先生だとおっしゃるお義母様から、この冊子を頂いた。「これ結構面白いのよ。ちょっと古い号なんだけど、よかったら」
「継続は偉大なり」ぱらりとめくると、巻頭から「コボちゃん」で有名な植田まさしさんのお話!漫画を描いてる今の私にピッタリ!求めれば、情報は向こうから歩いてやってくるものなんですね。
コボちゃんは1982年4月1日から連載が始まり、30年以上も毎日毎日描き続けて、1万回を超えるんですって!!!!すっごいねー。そんな植田さんの生活は、朝10時に起きて、14時までにコボちゃんを描き上げて昼食、コボちゃんを15時半のバイク便に乗せて(問題なければ、翌朝の朝刊に載る)、それから他の連載の仕事をして(コボちゃんを始めたころは、他に週刊誌5誌と月刊誌3誌の連載を持っていたんだそう)、18時に気分転換に家族の食事を作って夕食、21時半から0時まで仕事をして、運動不足と息抜きを兼ねて散歩して、寝るのは夜中の3時、と言う生活を、ずーーーーっと続けているんだそうです。そう、息抜きが夕食の準備とか散歩とか、そんな生活なんですよ、こう言う仕事って。
コボちゃんの話が来たとき、週刊誌の連載が大体年間300本くらい4コマを描くので、それと同じと思って引き受けたら、新聞は本当に大変で、やはり、特定の年代の人しか読まない週刊誌と違って、新聞はどの世代、どんな人にも受け入れられなくてはいけないので、表現に制限が多く、最初の頃は没になることも多かったんだそう。なるほどー。私もNHKの仕事で、何度かボツった時に落ち込みましたが、最初はやっぱりそう言うこともあるのね、と、ちょっと安心しました。
また、ネタと言うのは、浮かんだり、湧いて出るものではなく、見つけるもの、と言うお話にも感銘を受けました。ネタを考えるときは、とにかく腕を動かして何かを描くと、何かの取っ掛かりでネタが思いついたり、時事ネタや季節ネタは、関連するものをひたすら検索かけてイロイロ見ていると、何かしらネタが浮かぶものなんだそう。だからネタの渇望を恐れることはまったくないそうです。そういい切れるって凄い!
恐れているのは、ネタかぶり。作品が1万本を超えたあたりから、自分で描いたネタを覚えていられなくなり、ネタかぶりを恐れて、今まで描いた作品をジャンル別に分けて、被らないようにチェックしてるんだそう。そのチェックも大変そうですが。。。とにかく、週1の連載1個も続かなかった私は、反省することしきりですわん。
まぁとにかく、続けるって偉大です。大事なことなんです。続ければいつかはどうにかなるかもしれないけど、辞めればそこで終わりなんですからね。シンプル!