表参道ヒルズで開催中の梅佳代さんのウメップに行ってきた。ヒルズに梅佳代って、どおなの?とは思うけど、若者に人気と言うポイントは押さえてるのか。
ちなみに、六本木もここも、ヒルズと名のつく場所は、何度行っても自分は場違いだと思う。駅でヒルズに近い出口を尋ねると言う、実に田舎者な行為に及ぶと、鼻であしらうように教えられる。
「私は田舎者じゃないから平気だ」
と、私が言うと
「僕は田舎者だから平気だ」
と、オットが言い、彼の方が恰好いいと思う。悔しい。
そいで、ウメップ、楽しかった!
ああ、写真って楽しいなって、素直に思えた。写真が写真であるがゆえに、素晴らしいのって、美しさではなく、シチュエーションなんだなぁと。美しいモノならば、それこそ、絵でいくらでも作り出せるのだけど、よくここを撮ったな!と言う絶妙な感じは、絵には到底表せない。
何度も大声で笑ったり、ニヤニヤしたり。梅さんのお茶目さに、すっかりやられた1時間程。
梅佳代写真展 - ウメップ -
■日時:2010年8月7日(土)〜22日(日) 11:00〜21:00
※日曜は20:00まで
■場所:表参道ヒルズ スペース オー(本館B3F)
■料金:一般300円/大中高生200円/小学生以下無料
※表参道ヒルズの当日レシートご提示で、一般300円⇒200円でご入場いただけます。
■最新写真集『ウメップ』に関する情報はコチラ⇒ 「リトルモア」HP
今日はオットが、午前中だけお休みなので、表参道までお出かけ。おめかしして、編み上げサンダルはいたら、巨大になったひよこ。
そういえば、先日の人間ドックでは、身長が伸びてて驚いた。163.7cmだったのだ。ずっと、163cmと言い続けて来たけど、実は164cmかも。そして本日はプラス4cm強なのだ。
表参道駅のマルシェ・ド・メトロにて。フードコートだけど、なかなかの充実ぶり。ベトナム料理の角煮や、鶏のネギ塩焼き、ベトナムコーヒー練乳入り、なかなかおいしゅうございました。
暑い中、ランチ難民になるのがイヤで、空いてるから入ったんだけど、今日はどこも空いてるみたい。お盆だもんねぇ。
んでも、アニヴェルセルカフェで、コーヒー1000円と言うのを見て、東京価格を思い知る。
フードコートで充分。練乳入りコーヒー390円、めっちゃおいしかったし、と言いつつ、ヒルズに向かう。
会場前にて。オット。
最近、すっかりメガネ男子なのは、ワンデイアキュビューを切らしてるからなのだそうだ。彼は普段は会社ではメガネで、休みの日はコンタクト。そういう人に初めて会ったけど、実に合理的だと思う。
ちなみに、最近買ったメガネは、あんまり目が小さくならないので、前ほどメガネを外した時の衝撃度が少なくて、つまらん。
展示の一角に、テーブルと感想ノートがあったので、書いて来た。勝手に作ったキャラクター。書いてあるコトは、ホントの話。一応非公開なので、ナイショね。
iPhoneからの投稿
【展覧会】梅佳代写真展 - ウメップ -
【映画】『エターナル・サンシャイン』
ケイト・ウィンスレットは好きな女優さんだ。
『タイタニック』のときは、可もなく不可もなく、だったけれど、その後『ネバーランド』を見て、好きになった。『ネバーランド』と同じ年に撮影・公開されたこの映画を見て、さらに彼女が好きになった。
いい作品に出てる、いい女優さんだと思う。
ジム・キャリーについては、ヘンな顔をするヘンな俳優さん、というイメージ。これはまぁ過去においては、一般的な感想かな、と思う。なんといっても『トゥルーマン・ショウ』の人だから。
でも二人とも、本当によかった。
まずはケイト。
『タイタニック』にしろ『ネバーランド』にしろ、ドレスを着て、時代物の映画に出ることの多いケイトが、赤や青や緑の髪をして、エキセントリックに感情的に、がなりたてる役を演じたんだけど、これがよかった。
彼女はすごくきれいな人だと思うんだけど、たとえば、『コールド・マウンテン』でニコール・キッドマンに感じたようなお人形みたいな感じはしない。すごく人間らしい。ニコールは美人過ぎるのか?それとも、演技力の違い?
『タイタニック』のローズは、演じる人によっては、つまらないお人形になってしまったと思うし、本作『エターナル・サンシャイン』のクレメンタインは、女優の選択を間違えば、下品になってしまったと思う。
一見はすっぱな言動をしながらも、中身は真面目なのよ、というクレメンタイン。ジム演ずるジョエルにも、可愛げない態度ばっかり取ってしまうんだけど、それがなんだか可愛くていじらしい。
このクレメンタインを魅力的にしたのは、やっぱりケイトの力なんだと思う。
そしてジム・キャリー。
とてもコメディを得意としていると思えない繊細な演技。劇中彼自身が何度も言うように「つまらない人生」を送ってきている平凡な男、なんだけど、そんな彼に、なぜクレメンタインが引かれたのかといえば、やっぱり、ジム演ずるジョエルは魅力的だから。
この映画の内容は、ご存知の方も多いと思うけど、ケンカして傷ついたクレメンタインが、自分の脳から、ジョエルに関する記憶を消してしまう。
傷ついたジョエルも彼女に関する記憶を消そうとする。そのうちに、消したくないと抵抗するんだけど・・・
脇を固める記憶を除去する会社のスタッフも、なかなかいい味を出していて、彼らのエピソードも、いいアクセントになっている。
ケイトに恋をしてしまう、危ない人にイライジャ・ウッド。『ロード・オブ・ザ・リング』の彼です。てか、あまりに危ない役で、フロドが吹っ飛びました。最初、彼は唐突に表れるんだけど、そのわけがわかると、ああ!!って思う。
この映画はネタばれはしないつもりでいたけど・・・
もし、映画の意味がわからなくてたどり着いた人のために、下のほうにネタばれを書いておきます。まだ見てない人は最後は読まないでくださいね。
会社の受付嬢にキルスティン・ダンスト。
『マリー・アントワネット』の彼女ですね。全然わかんなかったけど。この映画も見たいと、ずうーーーっと狙ってるんですが、あまりにも女子的なので、いつも遠慮してました。次は見るぞ!!
余談ですが、クレメンタインが髪をオレンジに染めて、ジョエルが「タンジェリン」と呼んだりするシーンがありますが、成熟した果実の果皮の色が黄色〜橙色のものをマンダリン、橙色〜赤色のものをタンジェリンと呼ぶそうです。
そいでもって、マンダリンが、中東を経て地中海沿岸に伝わったものから「クレメンタイン」という栽培品種ができているのだそうで。
クレメンタインこそ、オレンジの名前だったんですね!!
そんなわけで、スタッフなどの紹介の後に
こっそりネタばれです。
続きを読む>>
【映画】『12モンキーズ』
先日、『パルプ・フィクション』を見たときに、「ブルース・ウィリスって、髪の毛があったら、かなり男前よね」なんて話していたんですが、まさにそれを証明してくれた映画でした。
一番びっくりは、ブラッド・ピット。ただの美男俳優かと思っていたら「演技できるんだ!!」と驚いてしまいました。彼への評価が180度変わっちゃいました。
この映画を見ないままだと、永遠に彼のことは、「ただの美男俳優」で終わってしまっていたと思う〜
メイキングで話すブラピを見て「ああ、普通のブラピだ〜〜」って感動しちゃったもんな。
オーシャンズなんて出てないで、こういう役、もっとやってほしい。オーシャンズは、最初ブラピ見たさに見て、ジョージ・クルーニーにしびれて、ブラピを忘れてた。あれは、クルーニーの独壇場よね。
と、この映画と全然関係ないことを語っちゃいましたが。
怖い話です。
舞台は2035年。1997年に世界中に細菌がばらまかれて、世界の人口の99%が亡くなり、残りの1%が地下に暮らす社会。
囚人のコールは、細菌のワクチンを作るために、純粋なウィルスを持ち帰ると言う使命を帯びて1996年に送られる。
細菌兵器をばらまいたグループとされるのが12モンキーズ。
ストーリー自体は、たぶんこういうことなんだろうな、と想像のつくものですが、結末より、二人のラブロマンスとか、12モンキーズの正体とか、映像のおしゃれな感じとか美しさとか、そういったほかの部分にも、いろんな見所のある作品です。
人口の99%が死ぬ細菌ってどんなんなんでしょう?想像しただけで恐ろしいですが、人間は常に細菌と伝染病の猛威にさらされて暮らしているんですね。
過去には、ペストや天然痘やハンセン病。
現代ではエイズ、エボラ熱など。
細菌とか病とか
続きを読む>>
【映画】『宮廷画家ゴヤは見た』
この映画はおもしろかったです。
映画を見るときに、私などは、あんまり監督の名前を気にしたりしなくて・・・監督さんごめんなさい、という感じなんですが、この作品は
1975年『カッコーの巣の上で』
1984年『アマデウス』
で、二度のアカデミー監督賞に輝いたミロシュ・フォアマン監督の作品なんですね〜
というのを、見終わった後に知りました。ついでに、『カッコーの巣の上で』と『アマデウス』が同じ監督の作品というのも、今回初めて知りました。ううう、無知すぎてすみません。
んでも、さすが、予備質知識なしでもおもしろかった!!と思いましたよ。
この映画を知ったのは、『ブーリン家の姉妹』のDVD中の予告で。なんだか、二時間ドラマみたいなタイトルですこと!!と思い、笑いながら借りたんですが、まさかこんな内容とはっ。
時代背景は、最初に兵士のファッションを見て、『ブーリン家』よりだいぶあとの
ロココに近い時代かな〜??と思って見ていたら、途中フランス革命がはじまり、ナポレオン軍が侵攻してきたり、まさにロココ末期から物語は始まります。
ナタリー・ポートマン目当てで見た映画なんですが、かなり強烈です。『ブーリン家の姉妹』も相当いいと思いましたが、このナタリーは、ホント、すごい。
すっごく、陰鬱で救いのない時代のお話なんです。異端尋問で無実の罪でとらわれる恐怖とか、次々と支配者が変わって、そのたびに略奪や虐殺されたり、運命に翻弄され続ける民衆。
この映画は、主人公に二人の人間を据えつつ、実際に描きたいのは、そう言った一連の流れや、人としての弱さなんだろうなーと思いました。
最初のほうは、ディナーで豚肉を食べなかったという、ただそれだけ(ユダヤ教信者は豚肉を食べないので)で、異端尋問されてしまうナタリーが痛々しくて、彼女を救おうとする家族の必死さとか、その寄付だけ受け取って、娘を釈放しない教会の腐敗ぶりとか・・・
もうね、見ていて辛くて、ちょっとここで挫折しそうになりました。
異端尋問と魔女狩りは、厳密には違うものですが、こういうのって、ある意味スケープゴード的なもので、貧しい人とか孤独な人が標的にされたんだと思っていましたが、魔女狩りはそういうものだったようですが、異端尋問は違うんですね。
裕福な商人の娘で、若く美しい女性が罪もなく囚われて、釈明もなく、その後15年にもわたって牢に繋がれたままなんて、なんだかもう、まさに一寸先は闇で、真っ暗闇の世の中だなと。
ナタリー演ずるイネスも、ロレンゾ修道士も実在しないのですが、こういうことは実際にあったのでしょう。
15年後に牢から出られたのも、単にナポレオン軍の侵略で、異端尋問が廃止されたから。でもその頃には、イネスは正気ではなく、また、家族はみんなナポレオン軍に虐殺されていました。牢にいたおかげで助かったともいえるけど・・・
そいでもって、ここで衝撃の事実が。イネスはなんと、獄中でロレンゾ神父の子を産んだと言います。
この辺りから物語はがぜん面白くなって、ぐいぐい引き込まれます。
んで、ここでゴヤが活躍。
もともと、ゴヤは、イネスもロレンゾも肖像画を描いた間柄。イネスが囚われた時に、ゴヤを通じて、イネスの父がロレンゾにとりなしを願ったということもありました。
そこで「拷問での自白は信用できる。なぜなら、無実ならば、神に守られて痛みも苦しみも感じないからだ」と言い放ち、イネスの家族によって拷問され、自分は猿だと自白させられます。
そんなこんなで、国外に逃げ出したロレンゾが、フランス軍の力を借りてすごい権勢をバックに、鼻息荒く帰ってきます。すでに家庭もあるロレンゾに、イネスとその娘は邪魔なだけ。ロレンゾは、イネスを精神病院に入れてしまいます。
んで、ロレンゾもゴヤもそれぞれに、イネスの娘を探します。ゴヤは偶然、町でイネスそっくりの娘に出会います。それが、イネスが産んで、預けられた修道院を脱走して、今は娼婦をしている娘のアリシアでした。
逃げ出したものの、女が生きていくには身を売るしかなかった時代。イネス獄中にいたのは15年なので、アリシアはまだ14〜5歳なのに。
イネス役のナタリーが、なんだか中途半端な金髪なのに、アリシア役は黒髪でいかにもスペイン美女という感じで、こっちのほうがいいなーと思いました。
イネスはすっかり正気を失って、拾った赤ん坊を自分の娘だと言い張ったり、とにかく悲惨のひとこと。ナタリーの熱演がすごい。
そんなイネスを救えなかったことを悔やんだゴヤは、イネスを精神病院から救い出し、必死に母子を会わせようとするのですが、すんでのところをロレンゾに阻まれ、アリシアは軍にとらわれ、アメリカ行きの船に乗せられる道中、イギリス軍の大軍とはちわせに。
また時代は変わり、かつて異端尋問をさばいたロレンゾが、今度は裁かれる立場に。そして死刑が執行されるんですが、拾った赤ん坊を高く掲げて、イネスは何度も叫びます。「ロレンゾ、見て、あなたの娘よ!」
そして、二人の娘アリシアは、イギリス軍の将校と一緒に、それをは知らずに、自分の父親の処刑を楽しそうに見物。そんな娘の姿を認め、イネスの姿を最後に見たロレンゾは、何か達観した感じで、最後に処刑されて行きました。
荷車で運ばれて行くロレンゾの死体を、取り巻いて歌う子供たち。(当時は本当に人の処刑は、老若男女通じて娯楽だったんですね)彼と手をつないで歩いて行くイネス・・・・
あわれとしか言いようがないのですが、イネスは幸せだったのかも。
この時代、正気を失うことでしか、幸せを得られない時代、そんな風に思いました。この時代に生まれなくて本当によかった。
ところで、「ゴヤは見た」賛否両論ありそうなタイトルですが
「イネスの家族がロレンゾを尋問するところ」
「イネスがロレンゾの子供を産んだと告白するところ」
「アリシアが目の前でフランス軍に連れ去られるところ」
「ロレンゾの処刑」
すべて「ゴヤは見た」のです。すごくピッタリなタイトルだと思います。
タイトルバックに流れるゴヤの絵。怖い絵のときに流れる怖い音楽にうなされそうでした。
とにかく描きたい、描いて残したいと言うゴヤの報道画家的欲求も、同じ絵を描くものとしてわかるような気がします。
余談ですが、ゴヤが最初にロレンゾの絵を描くときに
「手は難しいから別料金」
と言われて、すぐに手をひっこめたロレンゾが面白かったのです。
その後、展覧会の近代以前の絵画に手が描いてあると
「別料金」「お金持ちだね」
と笑い合うようになってしまいました。
映画っていろんな楽しみをくれますね。
個人的には、ロレンゾ修道士役の、バビエル・バルデム(また覚えにくい名前だこと)の顔が、どうしても好きになれなくて、どーでもいいのですが、この人、本当に最近、ペネロペ・クルスと結婚したそうなんですね。(本当にどうでもいい)
この映画のDVDの予告に『コレラの時代の愛』があって、タイトルとかのデザインは、めっちゃ素敵なんですが、主演の人の容貌がどうも・・・と思っていたら、コチラの主演も、このバビエル・バルデムさんでした。
51年間、同じ女を思い続ける男性を演じてるんですが、原作は、ガルシア=マルケスの名作だそうで、これは映画じゃなくて、小説で読もうかな。
あと、この映画でナタリーは絵画のモデル役をしていますが、『ブーリン家の姉妹』で妹役を演じていたスカーレット・ヨハンソンは、あのフェルメールの謎に迫って話題になった映画『真珠の耳飾りの少女』を演じているんですね。
当時見に行ったフェルメールの展覧会の感想は→コチラ■
これも一度見てみたい映画です。
続きを読む>>
【映画】『ブーリン家の姉妹』
最初の頃は、ジョニデの出る映画ばっか見ていたり、「ジュード様を見る〜〜〜」とか騒いで見ていたりしていたのですが、映画を毎週数本見ていると、割と同じ役者さんにぶち当たる。
『ショコラ』で優等生な娘&厳しい母親役を演じていたキャリー=アン・モスが、メメント』では一転して薬の売人の女で、気性の激しい悪女役に扮していたり。(一番有名なのはマトリックスでしょうが)
売れっ子さんがたまたま、ということもあるのでしょうが、そうでもなくても当たるのは、我々の嗜好のベクトルと、その役者さんの出演作品の傾向が似てるのでしょうかね。
そんなわけで、最近見た映画によく登場するのが、ナタリー・ポートマン。
上でジュードサマ目当てに見た『マイ・ブルーベリー・ナイツ』とか『コールド・マウンテン』では、どちらも印象的な役で、前者はきれいだったねー。後者はかわいかったねー、とか言っていたら、どちらもナタリー。
なかなかカメレオンな役者さんだね、と言いつつ次は、『リバティーン』のときに宣言したこの映画。いよいよ、ナタリー、主役です。
前置きが長くなりましたが、この映画はおもしろかったです。
なんといっても、ナタリーの壮絶ともいえる演技が光りますが、対称的に描かれる妹のメアリー役のスカーレット・ヨハンソンもいいです。
最初のうちは、メアリーのほうはぼうっとした感じで、なんかあんまり魅力を感じなくて、むしろ、不遇なアン(ナタリー)がかわいそうで、同情的に見ていたんですが、だんだんメアリーのほうに感情移入してきて、ここまでされても、まだ姉に優しくできるこの人はすごい!!と。
だから、ヘンリー8世も、姉のアンは邪魔だったのもあるけれど、だんだん仲も悪くなっていて、処刑までしてしまったのに、メアリーのことは、信頼していたのかな、と思いました。
ヘンリー8世の行動は、単に好色なのか、世継ぎを得るために必死だったのか、悩むところですが、それにしても、せっかく男の子を生んだのに、すでにアンに気持ちの移っていた王が、メアリーと生まれた子を無視して立ち去る場面は、思わず「人でなし!!」と思ったのでしたが、その後の3人の王妃も、似たり寄ったりで(3人目はお産がもとで死去、4人目は容貌が気に入らず結婚を無効にし、5人目はアンと同じく処刑)。。。
しかも、ヘンリー8世は、史上最初に梅毒で亡くなった国王だそうで、(3人目以降の王妃が流産や死産を繰り返したのもそのせいだと言われ、3人目の王妃の産んだ男子は、のちに即位するけど、先天性梅毒で、15歳くらいで亡くなっている)なんなんだと思いますが、国民には今も意外と人気のある国王なのだそうで、すごく博識で教養のある王さまだったそうなんですね。
そんな若き日のヘンリー8世を、エリック・バナが、とっても魅力的に演じています。
テューダー様式のお衣装も素敵で、特にヘンリー8世のお帽子が毎回楽しみで、じっくりお衣装に注目すると、王様って、一日に何回も着替えてるっぽいんですね。王妃は割と同じ衣装だったりするのに。
物語に話を戻します。
かわいそうなのは、アンとメアリーの母と、弟。名門の出の母は、アンやメアリーを出世の道具に使うことに最後まで反対していました。けれど、策士の母の実弟や、数代前は農民だったのを、伯爵家や国王との婚姻でのし上がってきて、娘とはそういうものという夫の言葉に、押し切られてしまうわけです。
その結果、妹のメアリーは、夫がありながら王の愛人となり、庶子を産んで捨てられ、姉のアンは、姦通罪で処刑、そして弟は姉であるアンとの近親相姦の罪で処刑されてしまいます。
悲劇と不名誉が一気に押し寄せて、母は思わず夫を平手打ちし、自分の弟をなじります。
しかし史実によると、この母もヘンリー8世の愛人だったと言う説もあるのだそうで・・・いいお母さん!!なんて映画の中では思っていても、実際は分かりませんねぇ。
救いになったのは、最後に心やさしいメアリーが、彼女を想い続けたスタッフォードと幸せな家庭を築いたこと。この物語、最初はメアリーの幸せな結婚の場面から描かれて、本当に幸福を絵にかいたような感じなんですね。
父やアンは野心に燃えていたけれど、最初のままで十分幸せだったのに。お金だって、普通に生活できればいいはずなのに。ていうか、十分だったと思うんですけど・・・
幸せは権力争いのうちにはないわねぇ、というのがこの映画の感想かな。
続きを読む>>
【映画】『チェ 28歳の革命』
実は恥ずかしいことに、最近までゲバラという人のことを全然知らなかった私。オットが似ていると言われるようになって、はじめて彼に興味を持ったのでした。
あのジョン・レノンをして「世界で一番かっこいい男」と言わしめたゲバラの生き様を描いた映画。さぞかしかっこいいのだろうとワクワク。
主演は、コチラにも出ていたベニチオ・デル・トロ。途中から、どー見ても、古谷一行にしか見えなくなったのは、わたしだけではあるまい・・・
実物はかなりのイケメンだったゲバラだけど、デル・トロ演じるゲバラのほうが、いかにも、な革命家っぽい感じになってるかも。
さて、見てみたわけですが・・・
物語は、のちにカリスマとなったゲバラに金髪の女性がインタビューするシーンと、ゲバラがいかにして革命に加わり、カリスマへとなっていったかを描く過去のシーンとが交互に描かれて行きます。
過去のシーンは、流れがイマイチわからなくても、ゲバラが優れた指導者としての資質に恵まれていたことが読みとれて、だんだん反乱軍が大きくなっていく様子とか、ゲバラが厳しい指導者でありながらも、農民や女性や子供には、とても親切だったことなどが描かれていて、彼の人となりを知るにはとてもよかったです。
何かの資料では、ゲバラはかなり嫌な奴だったというのもあったのですが、同じ革命家の間では、厳しいひとだったんでしょうね。革命家にとって一番大事なのは「愛」だと答えるゲバラ。そこは、なんだか胸が震えました。「愛」のない革命はあり得ないと。
んで、インタビューとか、ゲバラが国際会議(?)に出るところは、当時のキューバのおかれていた情勢などが議論されるんですが、これ、当時の中南米の情勢がわかってないと、なかなか理解するのが難しい。いや、ちゃんと見ていればわかるんでしょうが、ちょっとボケッとしてると、とたんに意味がわからなくなります。
国際会議のシーンは、ゲバラが、第三世界VSアメリカという図式で語っているのに、驚くほど、当時の中南米諸国は、それに追随しなかったというか「ありがた迷惑」的な発言が多くて驚きました。
のちにゲバラは、ボリビアの戦いで、孤立無援になって命を落とすんですが、その伏線がこんなところにも表れています。
それにしても、ちょっと見ていて疲れる映画ではありました。かなりのチェ好きで、当時のことをいろいろと勉強した後でないと、辛いかもしれません。んでも、こうしてまとめていると、だんだん内容がわかってきたような。39歳の後編は、少し時間を置いてみようと思ってます。
続きを読む>>
【映画】『ブレードランナー』
SF映画の金字塔、と言われているそうですが、全然知りませんで、、、お恥ずかしい!!
(上のBlue-rayは、25周年記念エディションだそうで、めちゃ売れしてる。Amazonで769位だって!(2010/9/3)
夫の一番好きな映画なんだそうだ。もう30回くらい見てるって!!
すっごく怖かったけど、二回目はもうちょっと違う視点で見られそう。
未来の地球は、汚染された町という設定やなんだかへんてこなアジアンな雰囲気に、たまらなく惹かれます。
この映画に関して
「見てないか、はまってるか、のどちらかしかない」
と言われてるそうです。
それくらいすごい映画。
E.T.と同じころって。。。私でも中学生。彼は小学校にも上がっていなかった頃の映画。
それでも今なおみんなをはまらせる魅力はすごい。
とっても感想が書きにくい映画なので、これくらいで。好きか嫌いかと言われたら、好きです!
続きを読む>>
【映画】『アメリ』
ひとことで言えば、とにかく「チャーミング!!」映画も主人公のアメリも。
(この映画の成功は、主役を演じたオドレイ・トトゥなくしては、ありえなかったことは、みんな賛同するでしょう!!)
ただ、思っていたのとは、ちょっと違う映画でした。
アメリは、明るく社交的で、誰からも愛される、そんな女の子だと思っていたのです。
そうではなくて、冷淡な父と神経質な母に育てられ、コミュニケーション不全の問題を抱えた、空想好きな、不器用な女の子。
そんなアメリが、周りの人を幸せにすることを趣味にするんですが、自分を幸せにすることには、やっぱり無頓着、臆病・・・
ひょんなことから知り合ったニノの心をつかむのに、アメリはあの手この手を使います。
それがなんともかわいい!!
なのに肝心の最後の一歩を踏み出せないアメリ。
この映画をみんなが愛したわけがわかります。
誰からも愛される女の子が幸せになっても、あたりまえだけど、人の幸せはうまくやるくせに、自分の幸せとなるとトンとダメ。
そんなアメリだから、みんな応援したくなる。みんなが共感を持って迎えたんですね。
この映画は、フランス映画至上最高の大ヒット作となったそう。
もちろんストーリーだけでなく、アメリの暮らすアパルトマンのインテリアも素敵で、(赤がとにかくかわいい!!この映画を見て赤い鍋を買い込んだ人が多いのでは???)
そして何気なくエッチなシーンも出てきちゃうのも、恋愛至上主義なフランスらしいww
これぞフランス、これぞパリ、これぞモンマントル!!ハリウッドには作れない映画だなぁ、と思いました。
続きを読む>>
【映画】『バッファロー'66』
今週は、これと 『コールド・マウンテン』 と 『リバティーン』 の3本を見た。どうも、前の二本は、”この映画を見た意義”みたいなものを、つい考えてしまうんだけど、この映画は見終わった瞬間「好き!!この映画、大好き!!」って思えた。
好きってことは、理屈じゃないんだね。意味とか意義とか関係ない。好きなんだもん。
よく「見る人をみんなハッピーにする映画」っていうキャッチフレーズがあるけれど、この映画こそ、見た人を幸せにするんじゃないかなぁ。
ヴィンセント・ギャロはすごいなぁ。最初のほうのバッファローの朝のくすんだ街に、彼の赤いブーツとレストランの看板などの、赤いパーツだけが浮かび上がって、映像としても、とてもセンス良くてかっこよかった。
よく書かれてるのが、ビリーの両親に会って、食卓を囲むシーンの撮り方。最初、3人ずつ話したりしてるのかと思ったら、カメラ側にいる人を写さないで撮ってるんですねぇ。
この映画は映像も脚本もよいけれど、大成功を収めた要因の、おおきなひとつが、ヒロインにクリスティーナ・リッチを起用したこと。よいよ、よい!!
女の私でも、食べちゃいたいくらいかわいいクリスティーナ。大きなおっぱいと、むっちむちな太ももと派手な化粧と金髪。
アメリカ人なんだから、金髪でもいいはずなのに、真黒な髪のイメージがあるせいだろうか、日本の茶髪に染めた厚化粧の女の子をほうふつとさせる。んでもそれが、かわいく見えるから不思議。
ビリーの母親役のアンゼリカ・ヒューストンも、いい味出していて、(父親もよいキャラだけど、母の強烈さには負ける)、さすがクリスティーナとともに、大ヒット作・アダムス・ファミリーの母娘。そのふたりが、嫁と姑役なんて、なんだか不思議だけど、子役から出てきた子って、ずっとひきずるよね。
最近まで、こんなにいい女優に成長していたことも、知らずにいたクリスティーナだけど、同じく子役から出て、今も第一線で活躍してるナタリー・ポートマンもそうだけど、うまく大人の女優に脱皮して、どんどんいろんな役をこなして、ホント、その活躍に目が離せません〜〜〜
話がそれましたが、この映画はいいです。
主人公・ビリーは、両親には無関心に育てられ、幼稚園から高校まで一緒の初恋のマドンナには、名前も覚えられてなくて、もてたふりをしてるけど、実は女の子と付き合ったこともなくて・・・
どうしようもなく馬鹿でカッコ悪く情けない主人公だけど、心の中はとっても純真でピュア。そんな彼の内面の孤独を、行きずりの少女・レイラは見抜き、愛するように。
彼はバカなことをしようと、彼女の元をいったんは去りますが、思いとどまって、帰ることにします。最後に、ハート形のクッキーと、彼女の大好きなココアを買うシーンは、もう、なんとも胸が震えます。
こうやって、あらすじを文字で書いてしまうと、陳腐この上ないのですが、見るとホントいい。
バカでダメなやつだって、正直でいれば、いいこともある。
ところで、クリスティーナ・リッチの役どころレイラは、名前と28歳という年齢以外、何も彼女に関することは出てきませんが、(あとタップを習ってるね)それでも、彼女の後ろにある半生まで覗かせる、すごい脚本、すごい演技だなぁ。
いろいろ書いたけど、この映画は大好き。この先何十本何百本見ても、かなり上の順位を占めそうな気がします。
続きを読む>>
【映画】『コールド・マウンテン』
『マイ・ブルーベリー・ナイツ』のジュード・ロウにしびれたので、彼の出世作と言うべきこの作品も見てみました。
南北戦争をテーマにした大作と言うことで、『風と共に去りぬ』とよく比較されていますが、『風〜』を見たのは10代の頃なので、今比較はできないなぁ。もう一度見てみようかな、と思いました。『風〜』の原作は、2回読んだんですけどね。
物語の主題は、ニコール扮するエイダと、ジュード扮するインマンの恋愛物語。
たった一度キスを交わしただけの二人が、なんとかもう一度、相手に会いたいと思いを募らせて、お嬢さん育ちだったエイダが、流れ者のルビーの助けを借りて、たくましくなっていくさま、エイダに会うために脱走兵になったインマンの苦難の道のりを中心に描かれています。
ジュード見たさに見た映画ですが、確かに彼はかっこいいし、ニコールは美しいですが、彼ら二人にはあまり心を打つシーンが少ないかなぁ?と言うのが正直な感想。もちろん主役の二人が再会できたところも、最後のシーンも、思わす泣いてしまったし、感動はできるのですが、それよりも、この映画の見るべき点は、ほかにあると思うのです。
この映画には、悪い奴がいっぱい出てきます。けれど、この映画で一番言いたいのはきっと、悪い奴もいいやつも、戦争の中で、生き延びようと必死だと言うこと。
途中、助けてくれたと思った相手に裏切られるシーンが出てきますが、彼らとて、もともとはごく普通に暮らしていた善人だったのに、自分たちが生きるためには、そうするしかなかったのでしょう。
すべては戦争が悪いのだ、とこの映画は言っています。
ナタリー・ポートマン扮する乳飲み子を抱えた未亡人
神など信じないと言いきる船渡しの少女
脱走した息子たちをかくまう隣人家族の悲劇
主人公のインマンとて、脱走兵ですから、大手を振って歩ける身分ではありません。なんかイマイチ心に響かないのは、たぶん、そこが引っ掛かってるんですね。
インマンは、自分の前でスカートをまくりあげる女を前にしても、未亡人に同じベッドで眠ってくれと言われても、エイダに操を立てて、決して手を出そうとしません。略奪とも無縁、敵を倒す時もすぐには殺そうとはしないし、エイダに再会した時も、汚れてしまった自分を恥じるような、そんな清廉潔白な人間です。
それなのに、あんなに簡単に脱走してしまうのが、なんだか不思議でならないのです。
重傷を負って、この先死んでしまうくらいなら、罪を犯しても会いたい・・・・彼をそんな気持ちに駆り立てるほどの愛。そういうことなのでしょうか。うーん。
そんなわけで、主人公の二人にはイマイチ共感できませんが、この映画の見所は、なんと言っても流れ者のルビー。エイダに生きるすべを教えるたくましい女性を、レネー・ゼルウィガーが生き生きと演じています。
彼女だけが賞を取りまくったのも納得です。
続きを読む>>