『川合玉堂展』

040115art1.jpg銀座松屋で「川合玉堂展」を見た。日本画は、あまり見る機会がなかったんだけど、今回、本当に感動した。そこには、わたしたちが無くしてしまった、日本の原風景が、本当に優しい視点で描かれていた。

昔、油絵を習っていたときに、先生から「風景を描くときに、ほんの小さくていいから、生き物の姿を入れると、絵が生きてくる」と伺ったことがある。その後、風景を描くこととは、ずっとご無沙汰しているわたしだけど、でもその言葉はずっと心に残っている。川合玉堂の絵を見て、まさにその言葉が、胸によみがえってきた。

生活する人々、動物たちに対する、慈しみの気持ちが、画面いっぱいにあふれているその絵。雨を描かずに、雨を表現し、ゆらぐ色彩で、霧を、朝むやを、落陽を、吹雪を表現する。見事な画風でありながら、無理なく、心にしみこむ優しさがそこにはあった。時には限りなく細密に、時には柔らかな牧歌的な風情をたたえて、時にその画風は変化する。日本画は、広い域では、水彩画である。水彩の持つ、大いなる可能性に、胸が震えた。

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とっても豪華な図録と、この展覧会限定の筆箋。鴨がかわいくて、うきうきと買ってしまった。


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