色彩の魔術師・ピエール・ボナール展

040618pierre_bonnard1.jpg損保ジャパン東郷青児美術館で開催中の『ピエール・ボナール展』を見て来ました。ピエール・ボナールは、ポスト印象派に分類される画家で、同じくポスト印象派のゴーギャンの影響を強く受けている、ナビ派に属しています。ポスト印象派は、以前は後期印象派と呼ばれていましたが、ポスト、というのが、『〜の後』を意味するということで、後期というと、印象派の一部のように受け取れるので、最近では、ポスト印象派、と呼ばれるようになっています。

印象派が、とにかく目に見える一瞬の印象を画面に収めようとしたのに対して、ポスト印象派は、目に見えるそのままより、自分がどう感じたか、を大切にしよう、という発想に変わってきています。

タイトルにもあるように、ピエール・ボナールは、色彩の魔術師と呼ばれています。それは、彼の描く絵の色彩が、とにかく美しく、また、その色のバランスや調和を計算しつくして、画面を構成したことが、その名の所以です。また、彼は、『ジャポナール』とも呼ばれていました。それは、『ジャポネズム』と彼の名の『ボナール』をかけたもので、彼が、浮世絵に強く感銘を受け、非常に日本画の影響を強く受けた絵を多く残した画家の一人だからです。

確かに、色彩がとても美しく、彼の中には、特異な色彩感覚があるのだというのを感じます。また、絵を描く人にとっては、この色彩感覚は、すごく参考になる、というのもわかります。彼は、『アンティミスト(親密派)』の画家、と呼ばれているように、家庭を描くことが多かったです。特に奥さんのマルトは、彼女が60歳を過ぎても、ずっと入浴の様子を描き続けたし、食卓や、家族、ペットなどを、彼はあくことなく描き続けました。それには、とても好感を持てるのですが、果たして、好きな絵か、というと、疑問なのです。

しかし、この美術館には、素晴らしく豪華すぎる常設展示があって、それを見るだけでもいった甲斐があるというものなのです。もう4回目くらいですが・・・ゴッホの『ヒマワリ』とセザンヌ『りんごとナプキン』とゴーギャン『アリスカンの並木路、アルル』。ポスト印象派御三家です。特に私は、セザンヌが好きなんですよ。何がどうってわけじゃないけど、好きなんです。この三人は、全員好きなので、最後にほくほくして、帰ってまいりました。


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