東京都現代美術館にて、6/27まで開催されていた、『オノ・ヨーコ展』を見て来ました。世界的なビッグバンド・ビートルズのメンバー、ジョン・レノンの夫人として、「世界で最も有名な日本人女性」「最も有名な未亡人」とされるオノ・ヨーコですが、そのアーティストとしての顔は、あまりに知られていませんし、海外に比べ、日本での認知度、評価はとても低いものです。
知ってるようで、彼女の事は意外に知らないものでした。
・父親は銀行家で、学習院大学に入学したセレブな家庭のお嬢様であること。
・最初の結婚相手は、日本人作曲家の一柳慧、2度目の結婚相手は、映画監督のトニー・コックス。
・ジョン・レノンは3度目の結婚相手。
・オノ・ヨーコは、小野洋子と書く。
彼女の芸術は、ただ絵を見て、きれいと感じるというような、従来の芸術とは、まったく一線を画すものです。作り手が一方的に作品を作って、見せるのではなく、見る側の参加があって、初めて彼女の作品は完成するのです。「インストラクションと呼ばれる指示文や言葉とオブジェを組み合わせた、インスタレーションなどが多い。」と書かれると、何のことやら?と思うだろうけれど、たとえば「キャンバスに穴を開けて、そこから水を少しずつ床にたらして、その跡を見る」というような指示があったら、それを想像してみます。その想像が、その指示を見た者の頭に中に像として結びついたときに、この作品は完成する、ということなのです。あるいは、この指示通りのオブジェが展示されていたりします。自分の想像通りだったり、まるで違うものだったりするのも、とても面白い。
テレフォン・ピースという作品は、会場に電話が設置されていて「オノさんからかかってきますので、取ってお話してください」と書いてあった。思わず、近くにいた係の人に「本当にかかってくるんですか?」と尋ねると「はい、今日も一時間半ほど前に、かかってきました。随分大勢の方がお話されましたよ」・・・惜しい!!ああ、でも、オノ・ヨーコと電話で、話すことなんて何もないしなぁ・・・・・でもやっぱりね、ちょっと惜しかったです・・・えへへ。
気になった作品
・「アメイズ」・・・靴を脱いで、中の迷路を進む。外からは、ガラス張りで、よく見えるのに、中に入るとわけがわからなくなる。
・「カッティング・イベント」・・・観客がヨーコの服をはさみで次々に切り裂いていくパフォーマンス
・「プレイ・イット・バイ・トラスト(信頼して駒を進めよ)」・・・全部が 白のチェスの駒。プレイしていくうちに、敵と見方の区別がつかなくなる。実際にプレイするジョンとヨーコの映像も見られました。
・「フライ」・・・女性の裸体の上を、蠅が飛び回る様子を淡々と記録した映画。
・「クリーニング・ピース」・・・手前の石の山から、一つの石を、喜びの山か、 悲しみの山に積む。最後にどちらが大きくなるか・・・わたしは、喜びの山に積みました。悩みや苦しみはあっても、生きてるって喜びのほうが多いと思うから・・・
左/東京都現代美術館の外観とエントランスホール。
中/モダンアートの美術館らしい、美術館自体が、大きなアート作品のよう。庭にもオブジェが。
右/コレもエントランスホールなのですが、実は作品だったと、撮った後で知りました。「イクス・イット」死からも生命は芽生える・・・
オノ・ヨーコ展詳細
東京都現代美術館