7/30(金)、この日は、すごく感動して、帰って来ました。ボタニカルアートと言う細密画を描いているわたしなのですが、この「クマチカ」のことは、友人たちの大絶賛の声を聞いているにもかかわらず、いつも見る機会を逃していたのです。今回も、横浜市神奈川区の「かなっくホール」まで、わざわざ出かけたのは、これを逃すと、見られないんじゃないかと思って・・・・もう90歳を超えたクマチカ、このかなっくホールのある神奈川区に住んで、近所の公園を散歩し、虫や自然と触れ、日々、創作活動にいそしんでいます。わざわざ、山に出かけなくても、都会に住んでいても、自然と触れ合う機会はいくらでもある、とクマチカは言います。
細密でありながら、独特のタッチで温かみのある世界を作り上げる、その絵の世界は、まさにクマチカワールド。他追随を許さないものがあります。いつまでも、ずっとそこにたたずんで、眺めていたいような世界・・・虫や花が有名ですが、わたしは、動物の絵が好きです。
ライフワークの『ファーブル昆虫記』に絵をつけようと決めてから、もう20枚の絵を仕上げたそうで、残り10枚は仕上げたいと思ってるのだそうです。また、『オズの魔法使い』を絵本にしたのは、世界で彼がはじめてで、衣装なども、彼が自分で想像したイメージで描いたのだそうですが、後年、映画化された映像を見て、その衣装などが、彼のイメージとほとんど同じなのに、驚いたのだそう。他に「不思議の国のアリス」「みつばちマーヤの冒険」などの絵本を見て育ったと言う方も、きっといらっしゃることでしょう。
クマチカ、本名は五郎。千の美しい女性に慕われると言う意味の千佳慕に、ファンの薦めで改名したのだそうです。
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熊田千佳慕( くまだちかぼ ) プロフィール
1911年、横浜市中区生まれ。
1934年、東京美術学校(現・東京芸術大学)卒業。 山名文夫に師事。デザイナー・写真家集団「日本工房」に入社、土門拳らと仕事をする。戦後、細密画技法を会得し、以後今日まで「ファーブル昆虫記」、「みつばちマーヤの冒険」、「ふしぎの国のアリス」の挿画や絵本など、生命感あふれるすぐれた作品を数多く発表。 ボローニャ国際絵本原画展入選をはじめ、数多くの受賞がある。すぐれた観察力と卓越した描写力で多くの人々を魅了するとともに、フランスの「ファーブル友の会」会長から「プチ・ファーブル」と称賛される。横浜文化賞、神奈川県文化賞受賞。 横浜市神奈川区在住。