ニューヨーク・グッゲンハイム美術館展

040831guggenheim.jpg8/31(火)渋谷・Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の「ニューヨーク・グッゲンハイム美術館展 モダンアートの展開 -ルノワールからウォーホールまで-」を見てきました。NY・グッゲンハイム美術館は、正式名をソロモン・R・グッゲンハイム美術館と言い、大富豪ソロモン・R・グッゲンハイムの私的コレクションを収めた美術館です。個人的なコレクションとは思えぬ、幅広いジャンルのコレクションを有する事はもちろん、この美術館の最大の特徴は、その美術館自体の建築物です。あえて、ピカソの絵の載ったチラシではなく、こちらにしたのは、小さく建物が写ってるからなんですが、このユニークな外観は、確かに人目を引きます。

この美術館を設計したのは、建築家フランク・ロイド・ライト。わが国では、旧帝国ホテルを設計した事で、よく知られています。残念ながら、帝国ホテルは近代的な建物に建て直されてしまっていますが、愛知県・犬山市の明治村に、移築保存され、今は喫茶室として利用されています。

グッゲンハイム美術館は、ニューヨーク以外にも、ソロモン氏の姪に当たる、ペギー・グッゲンハイムコレクション(ヴェネツィア)、ビルバオ・グッゲンハイム美術館、ベルリン・グッゲンハイム美術館、ラスベガス・グッゲンハイム美術館などがあります。その中から、今回は、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館と、ペギー・グッゲンハイムコレクションより厳選された作品を見る事ができます。


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副題に「ルノワールからウォーホールまで」とあるように、本当にこの美術展は、ルノワールから始まり、ウォーホールで終わっています。ルノワールで興味深いのは、それがまだ、彼の初期の作品で、サロンの好みを意識した、暗い色調の絵であり、彼らしい印象派の特徴が、まだ表れていない絵である事です。わたしは実は、印象派のルノワールの絵はあまり好きではないのですが、先日、ブリヂストン美術館で、彼の印象派以降の絵を見て、とてもいいなぁ、と感じたのですが、ココに出ている絵も、彼の個性を考えると、面白みのない絵ですが、あまり目にする事のない印象派以前の絵を見られるのは、貴重な事といえるのではないでしょうか。

さて、その後も、名画のオンパレード。セザンヌ、ゴッホ、スーラ、ピカソ・・・誰でも知ってる画家の作品がずらっと並びます。ブラックやレジェをはじめとする、キュビズムの作品も充実しています。また、この美術館の象徴とも言えるカンディンスキーがいくつも出展されているのは、うれしいことですし、ペギー・グッゲンハイムの夫でもあったマックス・エルンスト、クレー、シャガール、キリコ、ダリ、ミロ、リクテンシュタインなど、名前を挙げたらきりがないほどの、そうそうたるコレクションです。

わたしは特に、カンディンスキー、クレー、ミロ、ダリ、リクテンシュタインがよかったです。それに、シャガールの原画を見て、やっぱりすごいなぁ、と思いました。実は、今まではあまり好きではなかったのですが・・・普段は、リトグラフを目にする事が多いですよね。それと、迷路のような作品で有名なモンドリアンが、売れる前は、花の絵を描いていたという事で、青い菊の絵が展示されていて、すごく驚きました。ただ、アートに関するおもしろい試みと言う意味で、森美術館のMoMA展にはちょっとかなわなかったかな?と思いました。


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あとは、このみの問題ですが、音声ガイドに、まるでタレントのようにアナウンサーを使うのはどうかと思うし、最後に浜崎あゆみの歌も入れなくていいです・・・わたしは聴かなかったけど、この分も料金に入ってるのかと思うと、かなり、嫌ですね。美術展には、幅広い世代の人が訪れます。場所が渋谷という事で、若者を意識したのかもしれませんが、それにしても、浜崎あゆみのファン層を考えると、この展覧会のテーマ曲にするのは、そぐわない気がします。

「弐代目・青い日記帳」さんの「ニューヨーク・グッゲンハイム美術館」展
「SAISON de LYCEE(セゾン・ド・リセ)」さんの「グッゲンハイム展(bunkamura)」


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