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土偶には、無釉(釉薬をかけないもの)と施釉(釉薬をかけたもの)があり、無釉の代表的なものが、兵馬俑である。作り方は、 陶土を精製 → 造形 → 焼成 となるのだが、焼成の仕方によって、焼き物の色が変わる。酸化焼成(窯の中に多くの空気を含む)をすると、赤色の「緋陶」、還元焼成(窯の中の空気を少なくする)をすると、灰色の「灰陶、黒色の「黒陶」ができる。また、これらの陶器に白泥を塗って、下地を整え彩色すると「加彩土偶」となる。
施釉土偶の始まりは、後漢時代で、最初は単色の「緑釉」「褐釉」であった。これが六朝時代(呉・東晋・宋・斉・梁・陳の六王朝の総称)には、「黄釉」が生まれ、隋〜唐時代にかけて、釉中の鉄分を除去できるようになり、白釉が生まれた。最盛期(684〜756年)には、白(黄)・緑・褐の釉薬を掛け合わせた華麗な三彩土偶が作られるようになり、唐時代を代表する焼き物となる。ここにさらに藍色が加わると、藍彩と呼ばれる。近年、洛陽と鄭州の中間、河南省鞏県で三彩器物の窯址が発見された。しかし、人や馬などの俑はいまだ発見されていない。
以下、解説より
唐三彩は、20世紀の初め、中国・中原地方の開封から洛陽にかけての鉄道敷設工事で、唐墓が発掘された際、世に初めて知られたやきもので、その美しさは多くの人々を魅了しました。それから1世紀近くを経た今日、美術品としての価値はさらに高まり、唐時代(618-907年)を代表するやきものとして知られています。
三彩とは白い素地の上に、緑釉、褐釉、藍釉、白地を生かす透明釉といった2種以上の鉛釉を施した多彩釉陶器を指し、唐時代に完成された「唐三彩」は中でも最も華やかな色調を示しています。形も壺、瓶、皿といった器物だけでなく、武人、官人、騎馬人物、馬、駱駝などの俑が制作され、それらは当時の王侯貴族たちの間で流行した厚葬の風習を反映して、彼らの墓稜を華やかに荘厳するための副葬品でした。そこからは盛唐期の華麗な王侯貴族文化が垣間見えてきます。
本展では、館所蔵の唐三彩コレクション約50点を一堂に展示し、シルクロードを通して東西の文化交流が華やかであった唐時代の、国際色豊かな造形美と意匠をご紹介いたします。