- 植物図鑑の表現革命 - ボタニカル・フォト展

050506botanical_photo.jpgやっと最新の展覧会までたどり着きました。でも終わっています(泣)5/8(日)まで上野の国立科学博物館で、開催されていた(常設展示扱い)『ボタニカル・フォト』展に行ってきました。

今まで、植物図鑑と言えば、絵画で作成されるのが普通で、細部までの細かい描写は、写真より人の手による絵画の方が、優れているとされていました。でも、デジタルカメラの出現で、写真による細部の描写が可能になり、植物学的な作品が作られるようになってきました。その後、試行錯誤を繰り返し、芸術的な域まで高め、鑑賞価値を認められるようになってきたということで、この展覧会が開催される運びとなったそうです。さて、わたしはその「絵画」で人の手によって、植物学の世界を表現するボタニカルアートを描いています。そんなわけで、この「ボタニカル・フォト」はいわばライバル。興味津々で見て参りました。   

   
感想はといえば・・・・

やはり、絵にはかなわない、というところでしょうか。最初の方の作品は特に、クリアな部分と周りのぼかした部分の境目が、あまりに不自然で、何だかテクニックが下手な合成写真を見ているようです。イマイチだと感じたのは、ヤマブドウ、カキラン、ウメ、スズラン、そしてハマナス・・・あまりに派手過ぎて、目がチカチカします。

逆に、いいな、と思ったのは
ホオノキ・・・自然で、本当に絵画のよう。
スイセン・・・露がきれい
ノコンギク・・・露がきれい。一面の花が折り重なって、中に総苞やそう果が描かれているのがポイント。
タデスミレ・・・花のアップの中に、全体図がすっきりと収まって、きれい。
ハス・・・構図が素晴らしい。ありとあらゆるハスのパーツが組み合わされている。縦方向に構成されていてかっこいい。
ドクダミ・・・八重と一重の花、赤い葉などをバックに、特徴あるしべをクローズアップしているのがおもしろい。全体図のアーチがきれい。
ナンバンギセル・・・花の特徴を生かして、外向きに左右対称にした構図がいい。
ミズバショウ・・・外に向かう構図がいい。ちょこんと描かれたカエルも心憎い。
ユキワリソウ・・・いろんな種類のユキワリソウがいっぱい。これだけ多くの種類を細部まで描くのは、ものすごく大変。

他にも、アジサイ・オオウバユリ・カタクリなどがきれいだった。

・・・・結局、結構よかったってこと???


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