赤福のバカッ

071012akafuku.jpg個人的に残念なニュースです。

「伊勢の名物」とはいえ、ほとんど「名古屋名物」ともなっていた「赤福」が、一度冷凍したものを解凍して販売していただけでなく、冷凍前の製造日をそのまま表示していたことが判明。すごい衝撃が東海(中部〜近畿)地方を襲っていると思われます。

東京に住む名古屋人にもショックです。30年前から偽装ってことは、物心ついてから食べた赤福はどれも信用できないってことではないですか。唯一「おかげ横町」で食べたのだけは、ホントの赤福の味だったのかなぁ。(1993年9月の話。ちょうど14年前。(懐))

13日追記:
このニュースを読んで思ったのは、冷凍・解凍方法に問題がなければ、保健所の検査もスルーしてしまえるって事が怖いです。

で、これ「製造年月日」ではなく「賞味期限」を載せれば、問題はなかったのかもしれませんね。通販のお菓子などでは、冷凍してクール宅急便などで発送するものも多く、品質に問題はないですから。ただ「作ったその日にお届けする」という同社のポリシーには完璧に反していますね、どっちにしろ。

「作ったその日のおいしさを急速冷凍で閉じ込めて」とかなんとかいうコピーを最初からつければよかったんですかね。最近の消費者は、さほど冷凍に抵抗ないと思うんだな。ウソは絶対ダメだけどね。
あー。もう赤福茶屋のかき氷も食べられないのかなぁ、残念。

「赤福」製造日偽装の疑い、農水省など立ち入り調査(10月12日 読売新聞)
「赤福」30年前から冷凍・再包装(読売新聞 - 10月12日 14:56)
「赤福」偽装 ブランドへの打撃深刻(10月13日 読売新聞)
偽装 34年前から 赤福 社長会見(10月13日 読売新聞)





「赤福」製造日偽装の疑い、農水省など立ち入り調査(10月12日 読売新聞)
もち菓子の老舗「赤福」(本社・三重県伊勢市)が、製造年月日を偽って表示、販売していた疑いがあるとして、農林水産省と地元保健所が関係先の立ち入り調査に入っていることがわかった。
同省などは事実関係の解明を進めており、不正行為が判明すれば同社を処分するとみられる。

関係者によると、偽装表示の情報を受けた地元保健所などが、同社の関係者から事情を聞くなどしているという。

赤福は1707年(宝永4年)創業。もちにあんを乗せた看板商品の「赤福餅(もち)」は伊勢土産の代表格となっている。2005年に隣接する愛知県で開かれた愛・地球博(愛知万博)会期中も、JR名古屋駅の売店で最もよく売れた人気商品だった。

赤福をめぐっては2002年6月に、「赤福餅」318個について、「6月26日」と印刷すべき消費期限を誤って「7月26日」と表示して出荷したとして、自主回収したことがある。


「赤福」30年前から冷凍・再包装(読売新聞 - 10月12日 14:56)
■製造日、最長2週間偽装…30年前から創業300年の和菓子の老舗「赤福」(本社・三重県伊勢市)による製造日の偽装表示問題で、農林水産省は12日、同社に対し、日本農林規格(JAS)法に基づき、不適正表示の改善や再発防止策の提出などを指示した。

同社は、製造日に出荷しなかった商品を冷凍保存し、解凍して包装し直した日を製造日として出荷していた。不適正表示で販売された商品は2004年9月からの3年間で約605万箱に上り、総出荷量の18%にあたるという。

農水省によると、同社は看板商品の「赤福餅(もち)」について、包装済みの商品を直接、本社工場内の冷凍庫に運んだり、配送車で東海地方の販売店舗を回った後に残った商品を持ち帰ったりして、冷凍保存。その後、「まき直し」と称して注文数などに応じて解凍し、再包装した日を製造年月日と表示する行為を繰り返していた。

赤福餅の消費期限は、夏場が製造日を含め2日、冬場が3日となっている。同社はホームページで「製造したその日限りでの販売としています」などと紹介していた。しかし、実際には最大で2週間冷凍した後に解凍し、再包装したケースもあった。
農水省の調査に対し同社は、「まき直し」と呼ばれる行為は、1973年から行っていたと説明しているという。

配送車に積んだ商品を工場内に持ち帰り、冷凍保存する行為は、今年1月下旬にやめていたという。農水省は、大手菓子メーカー「不二家」の期限切れ原料使用が問題化した時期と一致しているため、赤福側が悪質性を認識していた可能性があるとみて調べている。

また、JAS法は原材料名について使用した重量順に表示するよう定めており、本来は「砂糖、小豆、もち米」としなければならないのに、少なくとも2000年3月以降、「小豆、もち米、砂糖」と表示し続けていた。
若林農相は12日の閣議後記者会見で、「信用度の高い老舗のメーカーで、このようなことがあったのは、大変重大なことだと受け止めている」と述べた。

赤福は読売新聞の取材に対し「農水省の判断の内容をみて、今後の対応を検討し、会見などできちんと説明をしていきたい」としている。

■赤福
1707年創業で今年300周年を迎えた老舗和菓子メーカー。年間売上高は84億4500万円。主力商品の「赤福餅」は伊勢名物として全国的に有名。商品名は、真心を尽くすことで他人の幸せを喜ぶという意味の「赤心慶福」から名付けられた。

■赤福、販売自粛相次ぐ 製造日偽装で、キヨスクなど
和菓子の老舗「赤福」が自社商品の製造年月日などを偽って表示、販売していたとして農林水産省などの立ち入り調査を受けた問題で、三重県伊勢市の赤福本社には12日朝、全国の百貨店や販売店などから「赤福餅の販売を自粛する」との連絡が相次いだ。JR名古屋駅構内に31店舗の土産物店がある東海キヨスクは、全店舗で販売を中止した。

同市の本店や直営店は午前11時から店を閉めた。本店正面には「お詫(わ)び」として「諸般の事情により、当面の間、臨時休業させていただきます」との紙が張られた。

同社の村田正勝顧客・デザイン課長は、報道陣に対し、農水省と保健所から立ち入り調査があったことを認めたが、偽装表示については「結論が出ていないので、現時点では申し上げられない」と話すにとどまった。


「赤福」偽装 ブランドへの打撃深刻(2007年10月13日 読売新聞)
年末年始商戦に影響も
「赤福」(三重県伊勢市)による製造日の偽装表示問題は、全国の百貨店で販売自粛が相次ぐなど、老舗和菓子メーカーのブランドに深刻な打撃を与えるのは必至だ。伊勢名物として全国的な知名度を誇る「赤福餅」の高いブランド力を築いてきた赤福は、地域の優良企業でもあるが、今回のイメージダウンによって、販売再開後も贈答用や土産物としては敬遠されるとみられ、経営への打撃も長期化する可能性が高い。

赤福の浜田典保社長は12日、伊勢市内で記者会見し、「今年ちょうど300年を迎え、11代目として、赤福餅一筋で作ってきた先輩方に申し訳ないと思う」と陳謝、2週間の生産自粛を表明した。
その上で「365日営業していて1日も休むことなく、やっていることに、自信を持っていたが、もう一度信頼を取り戻すよう全社一丸となって、取り組んで参ります」
と無念の表情を浮かべた。生産自粛期間中に再発防止策を徹底し、販売再開時期を探る方針だ。

ただ、かき入れ時となる秋の観光シーズンを控えたこの時期の生産自粛の影響は大きい。赤福餅の売り上げは、季節、曜日によって、「非常に変動がある」(浜田社長)のが特長だ。イメージダウンが年末年始商戦にも影響を与える可能性が高い。

1707年創業の赤福は、赤福餅が唯一の商品だが、過去5年間で売上高を約78億円から約91億円に伸ばしてきた。借入金にも依存しない堅実経営で知られ、老舗の看板を守ってきた。今回の販売自粛による当面の売り上げ減を乗り切る経営体力はあるとみられているが、偽装表示問題は、競争力の源となっているブランド力そのものが問われる事態だけに深刻だ。


偽装 34年前から 赤福 社長会見(2007年10月13日 読売新聞)
「認識不足」を謝罪 解凍まで工程化
食品偽装が相次いで発覚する中で、お伊勢参りの土産物として全国的に知られる和菓子「赤福餅(もち)」の製造日が、30年以上にわたって偽装されていたことが明らかになった。

創業300年の老舗「赤福」(三重県伊勢市)の浜田典保社長(45)は12日午後、記者会見して「認識不足だった」と謝罪したが、消費者からは「裏切られた」と怒りの声が上がった。一方、東海地方のデパートや駅前の売店などは「赤福餅」を一斉に撤去した。

浜田社長は伊勢市内で記者会見し、偽装表示を認めたうえで、「認識不足だった。表示に対する考え方を改めたい」と頭を下げた。同社は同日、本店など直営21店舗の営業を中止するとともに、工場の操業も停止。農水省の改善命令を受けて、期限の11月12日までに改善計画を提出し、判断を仰いだうえで、再開したいとしている。

浜田社長らによると、赤福餅の一部は、箱に詰めた状態で、氷点下35度で急速冷凍し、通常は1週間、最大でも2週間以内に解凍する工程だった。解凍した商品は、箱の表に「謹製」の文字と、解凍日の入った印を押して出荷。解凍した商品は、再度冷凍しないように消費期限の後ろに「・」(ピリオド)を印字し、通常の商品と区別していたという。

浜田社長は「解凍までが一つの製造工程だと考えていた。(農水省指摘の)製造年月日という認識とは齟齬(そご)があった」と釈明した。
こうした工程は1973年、前社長の浜田益嗣(ますたね)会長(70)の了承のもとで始まったといい、浜田社長は「当時は生産態勢が貧弱で、欠品を出さないよう調整するためだった」と説明。ただ、出荷後に売れ残ったり、返品されたりした商品については、「冷解凍せずに、すべて焼却処分にしていた。再び商品として出ることは一切なかった」と強調した。

また、原材料の重量順の表示について、浜田社長は「うかつなミスだった」と述べ、一連の行為についても、「保健所ともやりとりし、食品衛生上は問題ないと考えてきた」としたが、今後は商品の冷凍や解凍をやめることを明らかにした。

□販売自粛相次ぐ
赤福本社には12日朝、全国の百貨店や販売店などから「赤福餅の販売を自粛する」との連絡が続々と入り、社員らが対応に追われた。

名古屋市内のデパートや売店などでは同日朝から、赤福餅の販売を自粛する店舗が相次いだ。JR名古屋駅構内に31店舗の土産物店がある東海キヨスクでは、全店舗で販売を中止。近鉄や名鉄なども駅構内などでの販売を取りやめた。

また、中部国際空港(愛知県常滑市)内の「セントレア銘品館」でも店頭から姿を消し、同空港広報グループの久保明義リーダーは「地元の名産品の中でも1、2を争う人気商品だが仕方がない」と困惑していた。

観光で伊勢市の赤福本店を訪れた和歌山県串本町、伊勢谷研一さん(78)は、「伊勢神宮に参拝に来たときは、必ず買って帰る土産だった。これからは買うのに二の足を踏んでしまう。名物の和菓子だけに、消費者のことをもっと大事に考えてほしかった」と憤っていた。
また、JR名古屋駅にいた神奈川県小田原市の主婦萩原節子さん(54)は「赤福を買うつもりで土産屋に入ったのに、すごく残念」と話していた。

□保健所「問題なし」回答 赤福側の照会時
一方、三重県薬務食品室は、赤福が数年前、冷凍した製品の解凍日を「製造日」とすることについて問い合わせた際、伊勢保健所が「問題ない」と回答していたことを明らかにした。同室では「保健所の権限の範囲内で判断したもので、不当表示の可能性は考えなかった。農政当局に照会すべきだったかも知れない」としている。

同保健所は9月19、25日、本社工場などを立ち入り調査し、その際、赤福餅について、解凍して出荷する工程があったことを確認した。ただ、冷蔵などの保管・運搬状況も適切で、合理的な根拠に基づいて、消費期限が設定されているなどの理由で、安全性に問題ないと判断した。
配送車内に残った製品を冷凍保存していた点についても、「保存状況などは適切で、食品衛生法上は問題ないと判断した」という。

□加工食品 「製造日」表示義務なし
赤福は、農水省から製造日偽装の指摘を受けたが、食品業界では、菓子類を冷凍・解凍させて店頭に並べる場合も含め、製造日ではなく、「賞味期限」「消費期限」を表示しているケースが多いという。
加工食品の日付表示は、1995年に食品衛生法などの改正で、「製造年月日」の表示義務がなくなり、代わって「賞味期限」「消費期限」などの期限表示が義務づけられた。

東海地方のある食品会社は、97年4月から製造年月日の表示をやめ、「商品の性格に応じて、賞味期限と消費期限を使い分けている」と説明。別の食品会社は「和菓子を冷凍したまま出荷し、店頭で蒸しており、消費期限のみを表示している」としている。

□伊勢名物 観光に貢献
赤福は300年前、伊勢神宮の内宮に通じる「おはらい町通り」に店を構え、1954年に会社組織となった。68年に浜田益嗣会長が社長に就任すると、近鉄、JRの主要駅や百貨店に店舗を出し販路を拡大、広告にも力を入れて「伊勢の名物・赤福餅」のキャッチフレーズで売り上げを伸ばしてきた。

三重県が伊勢志摩を中心とした観光を重点施策に掲げる中、赤福は93年、おはらい町通りに江戸から明治時代にかけての街並みと建物を再現した「おかげ横丁」をオープンさせ、年間三百数十万人の客を呼び込むなど、観光産業に貢献。浜田会長は伊勢商工会議所会頭を務め、典保社長も県などが主催する観光シンポジウムに参加している。

小川斌夫(よしお)同商議所専務理事は「大変残念。市民や観光客に迷惑をかけた」と話している。


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