ぐるぐるめぐるル・コルビュジェの美術館 Fun with Collection 2004

040819western_art.jpg上野の国立西洋美術館は、松方コレクションを展示するために作られたということですが、サブタイトルに「美術館には何を見に行きますか?」とつけられた今回のこの展覧会は、常設展示を、絵ではなく、建物を見に行く、という趣旨で展示を試みた、画期的な展覧会です。

ル・コルビュジェは、この西洋美術館を設計した建築家の名前。彼は、人の体から建築を考えました。美術館も、体を使った万能物差し「モデュロール」で、みんなの体に、ぴったりに作られているのです。堅苦しいありがちな美術館の概念を破った、遊び心いっぱいの仕掛けが、この美術館の随所に見られます。たとえば、寝椅子に横たわって、1階の吹き抜けのトップライトを眺めてみる。そしてまわりの彫刻を見てみると、なるほど、今までとは少し違った目で作品を見られるような気がしてきます。

もちろん、普段の常設展示はそのままに、楽しむ事ができます。そして、西洋美術館の常設展は、実に質・量ともに非常に充実しています。え?まだ部屋があるの?と最後には言いたくなるくらい、本当にたくさんの展示室があって、松方コレクションの膨大さを窺い知る事ができます。そして、近年になっても、どんどんコレクションは増えていっています。中世のテンペラ画に興味があるので、その作品がいくつか見られたのも、わたしは、とってもうれしかったのです。


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