花と緑の物語展

040924modern_french.jpg9/22(水)、久しぶりに現代美術館に行って来ました。先週末に始まったピカソ展のせいか、平日の午前中にもかかわらず、すごい人でした。まずは、夏から開催されていて、この週末に会期を終えた『花と緑の物語展』を見ました。かなり混雑していたはずなのですが、スムーズに見られたのは、とても贅沢な展示をされていたから。スペースを十分に取って、ゆったりと展示され、中にはひと部屋に1〜2枚という部屋もありました。やはりこれくらいだと、ゆっくりと絵を鑑賞したという気分になれます。

あまり派手な展覧会ではないですが、好きな花がモチーフと言う事で、楽しく見ることができました。また、日本の大企業が所有している絵画が多く出展されたと言う事でも、とても貴重な展覧会だったようです。そうした企業は、大切に社長室などに絵をしまいこんで、なかなか人目に触れる事がないそうで。また、大企業は絵を長く貸し出してくれないので、この展覧会は巡回する事なく、この東京都現代美術館で終わりなのだそうです。

○農民画で有名な、ミレーの初期の初期の「華やかな様式」時代の神話的作品
○バラの品種名にもなってる、ファンタン・ラトゥールのオールドローズが美しい作品
○独特の雰囲気が素敵なルドンの静物画
○印象派以前のモネの風景画
○ミロのテンペラ画、
○今回、初めていいと思ったピサロの風景画
○やっぱり怖くて幸せそうでない、シャガールの『婚約者たち』の絵

気になった絵を上げてみました。それにしても、すごく空間が広々としてよかったです。その後に見たピカソ展は、多分普通なのでしょうが、妙に狭く感じて気の毒だったかも。特に、モネの睡蓮の部屋と、まるで「オランダ・フランドル展」のフェルメールのような、ひと部屋に一枚だけ展示されたルソーには、なんて贅沢なんだぁ〜〜〜!!と感動してしまいました。

ルソーといえば、素朴派に分類される画家で、正式な教育を受けずに画家になった人で、それだけに、子供の絵のような無邪気さが魅力だったりします。ピカソは、このルソーを敬愛していて、ルソーが60代のときに、まだ20代のピカソが、彼を自宅サロンに招いて、多くの人の前で賞賛した事があるそうですが、そのときに「この世で偉大な画家は、君、ピカソと、僕のふたりだ」と言ったそうですが、そういうことをおおらかに言えるところが、ルソーの魅力を伝えていて、とてもほほえましいエピソードだと思います。

また、この展覧会の図録は、すごく素敵でしたよ。デザインや装丁がすごく凝ってるんです。買うつもりはなかったのに、ついつい買ってしまいました・・・最初のほうの、花の絵の採点がおもしろかったです。

「弐代目・青い日記帳」さんの「花と緑の物語」展


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