この展覧会は、行く前からかなり期待していたのですが、期待を裏切らない良質な展覧会でした。現代美術のコレクターとして知られる米国の化粧品会社エスティローダーの会長、レナード・A・ローダー氏のコレクション25,000枚から厳選された350枚を紹介しています。
絵はがきと侮るなかれ、著名な画家のものも多く、浅井忠や竹久夢二のものなど、デザイン的にもとても小粋でしゃれていて、今これを送り合っても、少しもおかしくないほどの、普遍的な魅力にあふれています。
テーマごとに8つのセクションに分かれていました。まずは、絵はがきの誕生。日露戦争当時の絵はがき。軍用機や兵士たちの絵柄は、とても人気があるのだそうです。そして、画家による絵はがき。アール・ヌーヴォーとアール・デコ。ユーモアの世界。年賀状。広告としての絵はがき。
アール・ヌーヴォーは、ヨーロッパにおけるジャポニズムの表現でもあるのですが、その日本でのアール・ヌーヴォーは、欧米人の表現するものとはまた違った、和洋折衷の面白さがあると感じました。また、潔いほどの簡素な美しさやデザイン性の高さを感じさせるアール・デコは、日本の和の美意識に通じるところがあり、いわゆるモガなどを描いたイラストも、すごく洗練されていて、わたしもコレクションしたくなってしまいました。年賀状の干支のものは、これからの季節、なかなか参考になりそうです。
最後に、このチラシの下の丸の中の、モノクロの女性の絵はがき、ユーモアの世界で紹介されていたのですが、どうも「リング」を思い出してしまうのは、わたしだけでしょうか?(笑)
迷うことなく、図録を購入しました。『幻のロシア絵本 1920-30年代』と同じくらい、大切な宝物になりそうです。また、受付でエスティローダーのサンプルもいただけて、ラッキー♪
『逓信総合博物館 ていぱーく』