ヘラルド・コレクション 流行するポップ・アート

041206pop_art.jpg渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで、12/26(日)まで行われている展覧会です。若者の街・渋谷にふさわしく、会場内も、ほとんどが若い人たちでした。会期中無休で、19時までやっていると言うことで、月曜日の夕方に行きました。

以前は、モダンアートはわかりにくいし、手がかかってない(気がする)し、やたら派手だったりするし、なんだか苦手、と思っていたのですが、ここ1年で、ガラッと考えの改まったわたしです。特にポップ・アートは大好きで、ウォーホールは偉大だと思うし、リクテンシュタインの異常な高値も、わからないでもないと思ったりします。

でも、この展覧会は、ちょっと予想と違っていました。リクテンシュタインが、なんだか「らしくない」作品一点だったのに、ちょっとがっかり。一緒に行った友人は「MORI美術館の展覧会(MoMA展)は多すぎて疲れたから、これくらいでちょうどいい」と言っていましたが、わたしの中では、MoMA展は、今年見た展覧会ベスト3に入るくらいよかったので、それには適当に言葉を濁して、さらっと見ていました(^^ゞポリポリ

ポップ・アートは、当時流行していたカンディンスキーなどの「豊かな表現力をそなえたスタイルの抽象画」に対抗するように出てきたスタイルで「現代の生活に満ちあふれているもの、外面的な要素の強いもの」「思想的なものや、内面的なものは何もない」ということを定義としています。それは、ダダのデュシャンの『レディメイド』と共通したものであり、初期のポップアートは、ネオ・ダダ、つまりダダ的な反芸術性を引き継いだものであるのです。

退廃的なモノ、安っぽさ、現代生活の断片的なものを寄せ集めたものがポップアートで、このポップアートとダダ以外の芸術がより高い創造性や芸術性を重視しているのに対して、このふたつだけは、クリエイティブではないこと、自らは表現しないで、すでにあるものを使うこと、非創造性を強調することで、他との一線を画しています。

とこう書くと、非常になにやら難しいのですが、見る分には、単純に楽しい展覧会です。人によっては、お金を返せ、と思う人もいると思いますが(^^ゞポリポリ

そして、最初に「手が込んでいない(気がする)」と書きましたが、たとえば、あみ点を描くことで、印刷されたものをイメージしたリクテンシュタインは、古典作品を自分流にアレンジしていますが、あの「あみ点」には、非常に時間がかかっていて、モネの「積み藁」のアレンジなどは、確実にモネより手の込んだ作品であることは間違いありません。

最後に、この展覧会でわたしが一番心に残った作品は・・・というか、もうこれを見てしまったら、これしか頭に残らなかった作品は、図録を買わなかったので、タイトルも作家名も忘れてしまいましたが、裸の男女が絡み合いつつ眠っている彫刻作品。わざわざ、あんなものが、あんなところに、あんな状態で作られていて、しかも、回り込まないと見られない展示の仕方。女性はみんな回りこんでいたのに、カップルの男性は見ていませんでした。それがすごくおもしろかったです(笑)


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