庭のブルーベリーの木が、あでやかな紅葉に彩られ、朽ち果てていった。ちょうど一ヶ月ほど前の写真。自然はなんと見事に、どんな画家の筆もかなわぬような、色彩の旋律を奏でるのだろう。
クプカさんの『柿の色』で、空の青と、柿の赤のなんとも美しい写真を見て、そういえば、自分も朝のお散歩の途中に、同じような光景のハッとするような美しさに、ふと涙ぐみそうになったのを思い出した。なんと言うことはない、普通の民家の庭先で、誰に見せようとするだけでもなく、枯れた葉もまばらな木に、つやつやと輝く柿の実。
先日の『
サボっています』と言うエントリーに、
eteさんから、
感受性が毎年変化しているように思うんです。今年見て聴いて感じる事が来年同じように感じられるか不安になったりします。というわけでやりたいと思った事はその時にやるようになってきました(^^ゞ。
こんなコメントを頂いて、本当にその通りだと思った。たとえばこの柿やベリーの木を、美しいと思えるのは、今日のわたしだからかもしれない。昨日のわたしも、明日のわたしも、同じようには感じないのかもしれない。
そして、昨日のわたし、若いわたしの感性だけが、すべてだとも思わない。
確かに、年を取るにつれて、若い頃のみずみずしい感受性は、どんどん失われていくのを感じる。だけど、年を取ったからこそ、感じることのできるものも、絶対にあると思うのだ。若い頃のわたしなら、色づいた葉や実を見て、涙ぐむことなど、ありえなかっただろうし。年を取ることで、円熟して、より魅力の増すような作品を生み出したいし、人間としてもそうありたいと思う。
日々少しずつでいい。淡々と、何かに向き合える自分でいたい。
#gardening
イタリア・ルネッサンスを語る上で、欠くことのできない街・フィレンツェ。中世から残る街並みに息づく、やはり中世から残る芸術。古くすすけてしまった作品たちは、脈々と受け継がれてゆく、修復と言う技術によって、現代によみがえり、当時の風を運んで来ます。この展覧会、10/29(金)に早々と行ったにもかかわらず、なかなかここにUPすることができないでいました(^^ゞポリポリ
また、今はあまり凝ったエントリーを書くことができそうにないので、簡単な雑感を述べるに留めることにします。フェルメール以来の東京都美術館。金曜の夜とはいえ、マイセン展を見たあとに行ったので、随分遅くなってしまいました。その上、最初のほうにじっくり時間をかけて見すぎたせいで、最後のほうが駆け足になってしまったのが残念でした。
点数・話題性共に、なかなか内容の濃い展覧会ではあると思うのですが、満足度に関しては、その人それぞれの、嗜好によって分かれるところかもしれません。わたしもちょっと、疲れて眠くなってしまった部分もありました。
金を使った装飾を多用したテンペラ画が割りと好きなので、そのあたりは、なかなか楽しめました。でも今回の展覧会で、わたしが一番心惹かれたのは、やっぱり彫刻です。今回初公開の、ミケランジェロ作とされる「磔刑のキリスト」は確かに、実に精密に作られ、ミケランジェロの解剖学の知識の高さを伺わせます。でもわたしは、その少し手前にあった「イルカを抱く童児」と言う像が好きで、あまりの愛らしさに、しばらくその場にたたずんで、うっとり眺めてしまいました。
また、かの有名なダヴィデ像の複製の頭部が展示されていたのですが、2階への階段を上がって、正面に巨大なダビデの顔が現れたときには、正直、ギョッとしました。ダヴィデの頭部118?。こんなに大きいとは知りませんでした(^^ゞポリポリ
また、ルネッサンスと言えば、忘れてはいけない建築や金工細工、織物や医学・科学に至るまで、この時代のの高い文化をくまなく紹介しているという感じでした。他には、美しいカリグラフィーを使用して丁寧に写し取られた豪華な写本に、心惹かれました。こうした写本ばかりを集めた展覧会を行っても、楽しそうな気がします。
Comments
Tak ... 2004/12/16 11:50 AM
感想の書きにくい展覧会なのに、とてもよく書かれてますね〜。凄いです!!
確かにあのダヴィデ像の頭部の展示位置は、美術館の作為?が見え隠れします。
あそこで眠気覚めました。
ぴぴ@管理人 ... 2004/12/16 07:22 PM
Takさん
よく書かれていますか?ありがとうございます。実は、図録を見て、思い出しながら書いたんですけどね(笑)個々の作品に関しては、割と覚えているのに、なぜか、展覧会としての印象が希薄なのはなぜなんでしょうね。確かに、フィレンツェという都市を伝えるのには、この展覧会は、ちょっと無理があるとわたしも思います。
ダビデとかキリストの展示の仕方などは、確かに作為的で(笑)なかなかおもしろいのに。Takさんのエントリー、笑ってしまいました(笑)
数ヶ月前から、大騒ぎしてきた(笑)チャイナペイントの展示会が、ようやく無事終了しました。これで、本当に静かな日常が戻ってきます。すごくしんどくて、辛くて、逃げ出したくなるような気持ちにもなったけれど、でも終ってみれば、すごく寂しくて、また次へと気持ちは飛んで行きます。何かを生み出す時の気持ちって、そういうものなのかもしれません。来てくださったみなさま、ありがとうございました。ネットを通じて知り合った方も、何人か来てくださって、本当にうれしかったです。
同じチャイナをなさっている、
まやなさん、
こぼびさん、そして、今回初対面となった、
みほさん、
みなとさん(おふたりは、本当にblogのイメージ通りで、うれしくなりました(^^))お忙しい中、わざわざ脚をお運びくださって、本当にありがとう。
それから、以前の会社の友人であり、ここもいつも覗いてくれている
おゆきちゃん、ありがとう〜〜。かわいい真っ赤な花束、お部屋でまだまだ元気だよ〜〜
展示会の様子は、こちらをクリックすると見られます。
2004年11月グループ展