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花を育てていると思い出すのは、吉本ばななの「キッチン」の続編。主人公が、ある人から「自分の限界を知りたいときには、何かを育ててみるといい。そうすると、自分にどれだけのことができるか、わかるから」と言われるくだりがある。
あー、何でこう、花を枯らしてしまうのだろう。何でどんどん、庭が荒れていくのだろう。そう思うたびに、自分の限界を思う。
同じ話の中で、主人公が料理を習いに行って、どんどん上達して、認められていくことに、最初はとまどうのだけど、だんだん納得する。「そのわけがわかった。自分と周りの人たちとの、料理にかける意気込みが、あまりに違いすぎるのだ。」周りは、花嫁修業程度の気持ちで習いに来ている女性ばかりで、そんな中で、本気でプロを目指そうとしている自分とは、上達に差があって当然だと言うのだ。
同じことを、同じ期間、同じ金額を支払って行っても、自分がどうして行きたいのか。目的を持っているのといないのとでは雲泥の差なのだ。目的や行き先は、見えたと思うと、またすぐに見失う。うつろいやすいもの。でも、たとえ何度見失っても、決してあきらめずに、また見つけて行きたい。一度決めたことなら、少し形が変わっても、どこかで、目的地にたどり着きたいのである。
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