【映画】『ハートロッカー』



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【展覧会】山本容子の劇場 鏡の国

100930_1867371.jpg銀座三越で開催されていた「山本容子の劇場・鏡の国」見てきました。素晴らしかったです!!

山本容子さんと言えば、春のさいたまの展示を見損ねたのがショックで、しばらく何も手につかなかったほど。いわばリベンジ、と言うには規模の小さい展示ではあったかもしれませんが、私には十分満足のいく展示でした。

鏡の国というからにはアリス。
日本では不思議の国に比べて知名度が圧倒的に低いのは、ひとえに鏡の国のテーマとなっている「チェス」が難解であるから。そんなわけで、この展示、最初はこのアリスの世界を、チェスの盤の上で、どのように物語が進んでいくかを展開して行きます。

そこで、山本容子さんは一つの仮説を思いつきます。鏡の国とは、アリスが入りこんだチェスの世界で、真ん中に鏡を置いた状態なのではないかと。だから、その先は、アリスが進んだ=戻ったということになるのではないかと。
会場にはその大きな鏡で仕切られた、鏡の国の世界も再現されていて、アリス気分を体験することができました。


チェスの部屋が終わると、今度は物語順に、モノクロとカラーの版画を楽しむことができます。コレもとっても素敵でワクワクしましたが、私が一番気に行ったのは次のコーナー。油彩です。こちらでは、「鏡の国のアリス」だけでなく「不思議の国のアリス」も堪能できました。

色が本当に本当に素敵だったーーー
特に、チェシャ猫との出会いの場面の、オレンジと水色の空の色がすんばらしー。山本容子=版画だし、そう呼ばれているけれど、でもでも、油彩も素晴らしすぎるっっこんなに素晴らしい油彩が描けるのにあえて版画、というのもかっこよい。画家でも、彫刻がめっちゃうまい人とかいるけど、ちょうどその逆なのね。


素晴らしい展覧会でした。


2010年9月25日(土)

鏡の国のアリスをテーマにしたこの展示
100925alice01.jpgまずはチェスのルールのお勉強から入ったり、楽しい仕掛けがいっぱい!

そのあと向かった、オットの写真の展示会場で
ワタクシ、すっかりお絵描きタイム。
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激写されてしまってました。いやん☆えっちぃ〜〜(どこが??)

そんなわけで、ひよこ流のアリスの世界を、お楽しみくださいませ。


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アートなお昼寝〜束芋:断面の世代 Tabaimo: DANMEN

100827IMG_0196.jpg横尾さんの時と同じ写真でゴメンナサイ。国際美術館で横尾忠則全ポスター展を見たあとは、いよいよ束芋さん。

国際美術館、素晴らしい美術館ですっ。横尾さんの展示だけでも、まるで千本ノックのような大盤振る舞い。あまりに疲れてしまい、途中で休憩を入れて、次は一緒に展示されてた「束芋」展へ。
束芋さんについては、あとで触れることにして。

さて、ここから漫画です。

受付でいきなり「順路は奥ですーー」と言われるんですが、真っ暗!!なんも見えないんです。

肝試しかよっ!!と突っ込みつつ、進んでいくと

最初の展示が、いきなり天井に映像が映し出されていて、床に寝そべってみると言うもの。親切に、一人掛けのソファまで用意されています。

何これ、こんなん寝てまうに決まっとるがねっ!!
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もちろん、寝ました・・・

100831_7073.jpg叱られてる人もいましたが、めっちゃ抵抗していました。
「音楽聴いてるだけや!!」
って、ここ、そういうとことちゃうし・・・

しかし、束芋さん、めっちゃよかったですよ。(→寝てたくせに!)これは楽しめます。

ちょっとここでうんちく。興味ない方は、読み飛ばしてください。

この束芋さんというのは、まだ30代の女性なんですね。本名は田端綾子と言って、3姉妹の真ん中なんだそうです。で、上から「たばあね(田端の姉)」「たばいも(田端の妹)」「いもいも(妹の妹)」というあだ名で呼ばれていたのを、そのままアーティスト名にしたそうです。

この人、すごいのが、春には横浜美術館でこの「束芋〜断面の世代」が開催されたんです。横浜美術館で、こんなに若い人の個展が開かれるのは珍しいと思うんですが、その前にゴス展で見た彼女の作品にピンとこなかったので、見に行かなかったんです。今回もまぁ、横尾さんのついでに見るならいいか、という軽い感覚でした。

何と束芋さん、横尾さんのチケットを買えば、ただで見られるんだがね〜〜〜。横浜では普通に1000円くらいはしたと思うんですが。国際美術館、太っ腹!!
横尾さんを先に見て疲れ切った後に、まったりくつろぎながら見るのにも、ぴったりの展示だと思いますが、束芋さんだけ楽しむなら、なんと400円!!で見られますっ。

さて、17時半ごろまで展示を見て、駅に向かったふたり・・・予定ではこのあと海遊館でさかなくんに会うはずだったんですが・・・どうなるでしょうか??


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『横尾忠則全ポスターThe Complete Posters of Tadanori Yokoo』(国立国際美術館)

100827yokoo1.jpg100827yokoo2.jpg大阪まで遠征したからには、これは見なくては、という展示。
この日のお出かけ日記その1その2にも、かなり展示について触れていますが
一言でいうなら千本ノック!

だってこの展示って
「横尾が初めてポスターを手がけた1950年代から、現在に至るまでの
約60年間に制作された全ポスター約800点を一堂に展示する画期的な個展」
なんだもの!

壁に横に並べるだけでは追い付かず
縦横数枚ずつずらっと並んでいるかと思いきや
もはや壁面だけでは足りず、通路に縦横につなげて
のれんのように展示したりもしておりました。

ただ、2008年世田谷美術館での
『冒険王・横尾忠則 初公開!60年代未公開作品から最新絵画まで』
では、絵画作品が多く、T字路シリーズなど、なかなかにおどろおどろしい
世界観を展開していましたがポスターなので、かなりポップで
見やすいものが多く、その点だけは救われました。

色遣いがThe☆横尾って感じで、やっぱり図録も買っちゃったぜ。
横尾さんラブな夫はご満悦。

時代と才能がうまく合致するってこういうことなんだな。
才能ある人は、高校生からもう仕事してたってこと、ままありますもんね。
それを認める土壌もあってのこと。
でも今はそういうのも逆に加速がついているのかな。
羨んでも仕方がない。自分も描いて描いて描いて発信し続けなくてはね。


2010年度 > 横尾忠則全ポスター
http://www.nmao.go.jp/exhibition/2010/id_0713164356.html
横尾忠則は、1936年兵庫県西脇市に生まれました。幼少の頃から絵画の模写に興味を持ち、高校時代には、地元の商店街や商工会議所のポスターを制作するなど、早くから美術やデザインに対する才能を開花させます。
1960年、日本デザインセンターに入社し、制作の拠点を東京に移すと、その活動の幅はさらに広がりをみせ、独特なイラストとデザイン感覚にあふれる、《腰巻お仙》をはじめとする劇団状況劇場のポスターなどで、たちまち若い世代の支持を集め、大衆文化を代表する寵児となりました。
その後、グラフィック・デザイナーとしての仕事は、ポスターからイラストレーション、ブックデザインなど、さまざまな印刷メディアへと展開し、さらに版画や絵画、映画といった芸術分野にまで広がっていきました。
それら全ての分野における個々の仕事が、その後半世紀を経た今日に至るまで、常に時代の先端的なイメージの創出と、独自の斬新な想像力に満ちあふれたものであったことは、その間の活動の足跡が示すとおりです。
今回の展覧会は、このように広範囲にわたる横尾の仕事の中でも、その出発点であり、また、常に彼の創作活動の中心にあったポスターに焦点をあてるもので、横尾が初めてポスターを手がけた1950年代から、現在に至るまでの、約60年間に制作された全ポスター約800点を一堂に展示する画期的な個展です。
当館では、この10年あまり、横尾の全ポスターを、一部購入を含め、同氏からの大量の寄贈により収蔵し、折に触れ、常設展示や他館の展覧会への貸し出し等により、部分的に紹介してきましたが、その全貌をご覧いただく機会を持つことはできませんでした。
本展は、横尾忠則がこれまで制作した全ポスターに加え、下絵、版下等の資料も展示することで、同氏のデザイナーとしての活動の全体像を観覧いただく絶好の機会となることでしょう。
主催:国立国際美術館、日本経済新聞社
協賛:(財)ダイキン工業現代美術振興財団
協力:富山県立近代美術館、岡村印刷工業株式会社

開館時間 午前10時−午後5時、金曜日は午後7時まで (入館は閉館の30分前まで)
休館日 毎週月曜日 (ただし7月19日(月・祝)は開館、7月20日(火)は休館)
観覧料 
当日:一般 1100円/大学生 500円
前売:一般 900円/大学生 400円
団体:一般 800円/大学生 300円
※ 本料金で「束芋:断面の世代」もご覧いただけます。
※ 団体は20名以上。
※ 高校生以下ならびに18歳未満。
心身に障害のある方とその付添者1名。
いずれの方も無料 (ただし、証明できるものをご提示いただく場合があります)。

国立国際美術館、素晴らしい!
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建物も超カッコイイ!!

                  


100827IMG_0196.jpgさて、金曜日は大阪観光をすることにしたんですが、いろいろ調べて、国立国際美術館で開催中の『横尾忠則ポスター展』と、横浜で見損ねた『束芋』展を見にいく事に。

最寄り駅の福島駅は、大阪からひと駅。なのに、すいてたので、うっかり座ってしまったら、やっぱり乗りすごしました!しかも、オットが、ハッ!と気づいても、まったく気づかなかったひよこ。ダメだがね!

それでも、何とかたどり着いた美術館。横尾忠則さん、素晴らしい!でもね。。。。。

展示の数、多すぎだがね!縦に5枚とか、いらんがね。(正確に何枚だったかは不明)
それでも、一枚残らず、みっちり見てまったら、すっかり、何か吸い取られた二人だったがね!怖るべし、横尾忠則!

しかし、素晴らしいので、大阪近郊の方は、是非是非見に行ってくださいませ。→展示のレビュー■

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【展覧会】ベルギー王立図書館所蔵 ブリューゲル版画の世界展

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この記事を書いているのは、11月8日(月)。東京のBunkamuraの展示に行ったのは、暑い暑い8月のことでした。いくらなんでも記事にするの遅すぎですが、11月23日までは京都で開催中なんですね。(9〜10月は新潟で開催中だったようです。フシギな巡回箇所)

今までにもいろんな展覧会は見てきたつもりですが、こうやっていろんな展覧会を見に行くと、いかに世の中にまだまだ、自分の知らない世界があるかを知ります。
いわゆるファンタジーの世界にはあまり縁がなく、文学もゲームもそして絵画にも触れたことがあまりなかったのですが、幻想的なキモかわいい生物たちのすっかりとりこになりました。

また、最近がぜん版画に興味シンシンなのですが、版画と言うのは、当たり前ですが、原画を描く人と彫る人の二人三脚で、どちらの腕が足りなくても傑作は生まれないと言うこと。んで、最初のうちは、版画って彫るほうが全然大変そうなのに、原画のほうばっかり注目されて彫る人がかわいそう、とか思っていましたが、途中に展示されているブリューゲルの素描を見て「うわっ何この細かさっ」と、び、び、び、びっくり!!

この素描だけでも見る価値あるぞーーーってくらい、素晴らしいモノでした!!
当たり前ですが、彫る人は自分で手を加えたり何ぞせず、素描をそのまま忠実に彫るわけなので、版画の世界の細かさは、そのまま素描の細かさと言うわけです。

この展示、会期の短さのせいもあったのか、平日の昼間に行ったのに、ものすごく混んでいました〜まぁ、数日後には終わりだったせいもありますが。

大抵の方が書かれていそうですが、一番気に入って見入ってしまったのが
「七つの罪源シリーズ」(傲慢、激怒、怠惰、貪欲、大食、嫉妬、邪淫)
「七つの徳目シリーズ」(信仰、希望、愛徳、正義、剛毅、賢明、節制)
このあたりは、みんなが魅入っていたので、全然列が進みませんでした。

しかしおもしろかったです!
今回はブリューゲルさんの展示だったわけですが、何度も名前の登場した大家・ヒエロニムス・ボス。彼の怪物のフィギュアは、いたる美術館のショップでも見られるくらいポピュラーなもの。思わずコレクションしたくなる方も多いでしょうね。
かくいうわたしも、鳥限定で集めたくなりました。


一個だけ思ったのは、点数がちょっと多すぎて、疲れてきてしまったこと!贅沢なこと言うなと叱られそうですが、特に後半、ブリューゲルさん以外の版画もたくさん展示されていましたが、見るからに質が低いものもあって、あまり見る価値がないかも??なんて思ってしまいました・・・それだけブリューゲルさんのが素晴らしいと言うことですが。


ブリューゲル版画展公式サイト

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【展覧会】マン・レイ展 知られざる創作の秘密

100826_1792809.jpg100826_1792810.jpgすっごくおもしろかった。
今年見た展覧会の中でも、1〜2を争う楽しさ。


マン・レイ展 知られざる創作の秘密
Man Ray: Unconcerned But Not Indifferent


展覧会ホームページ : http://www.man-ray.com/

展覧会概要

幅広い芸術活動でその名を世界中に知られるマン・レイ(1890-1976)。
マン・レイの遺族が設立、全作品の著作権を所有するマン・レイ財団所蔵の写真、絵画、彫刻、デッサンおよびマン・レイ自身の所持品を一堂に集めて、2007年から欧州を巡回している展覧会が、この度初めて日本で紹介されることになりました。
「写真家」としてのイメージが強いマン・レイですが、今回は写真はもとより絵画、オブジェなど多岐に渡る分野で活躍した「アーティスト」、そして新しい技法やスタイルを編み出した「モダンアートの先駆者」としてのマン・レイに光を当て、その知られざる足跡を発見する旅へと皆様をご案内いたします。

本展監修者であるジョン・ジェイコブ氏と福のり子氏は4年の歳月をかけてコレクションの全貌を調査しました。その結果、日本展だけに出品される作品約70 点を含む約400点が紹介される運びとなりました。
展覧会はマン・レイの生涯を「ニューヨーク(1890-1921)」、「パリ(1921-1940)」、「ロサンゼルス(1940-1951)」、「パリ(1951-1976)」の四つに区切り、時代にそってマン・レイの作品と、その発想源となったモノやイメージを対置させます。
財団にある豊富な資料の数々は、マン・レイが一つのモティーフを、スケッチから完成作品へとどのように変化させてきたか、あるいは彼が絵画やグラフィック作品に度々写真をベースにしたことなど多くの事実を物語ってくれるでしょう。
これまで一般公開されたことのない作品に加え、スケッチやデッサン、私的な資料に至るまで貴重な関連資料も多数含まれる本展は、マン・レイの広範で意欲的な創造活動、思考回路、そして歴史を追体験しながら、その作品と人生をより深く理解するまたとない機会といえます。

会期
2010年7月14日(水)〜9月13日(月)
毎週火曜日休館
開館時間
10:00から18:00まで
※金曜日は20:00まで。入場はいずれも閉館の30分前まで。
※「オルセー美術館展2010」は土曜日も開館時間の延長を行っていますが、「マン・レイ展」は金曜日のみ
開館延長となりますのでご注意下さい。
会場
国立新美術館 企画展示室1E(東京・六本木)
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
主催
国立新美術館、日本経済新聞社
監修
福のり子 京都造形芸術大学教授
ジョン・ジェイコブ インゲ・モラス財団ディレクター
協賛
株式会社ニコン、株式会社ニコンイメージングジャパン
協力
日本航空
お問い合わせ
ハローダイヤル 03-5777-8600
観覧料
当日券 1,500円(一般)、 1,200円(大学生)、 800円(高校生)
前売券 1,300円(一般)、 1000円(大学生)、 600円(高校生)
団体券 1,200円(一般)、 900円(大学生)、 500円(高校生)


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ワクワクの週末

100819chiket.jpg2010.08.19 Thursday ワクワクの週末

弍代目青い日記帳のTakさんから
こんなにたくさんのチケットいただいた。

シアワセ。
たけさん、ありがとうございます。

また改めてリンクはって
ご紹介させていただきますが
私なんかが紹介するまでもない
スーパーブロガーさんで
ブロガーの鏡のようなたけさんなのだ。

来週末までの展示がたくさんあるんだけど、来週は大阪なので
何がなんでも、今週末に行くのだ!

それには、今抱えてる作業を、どうにかして終わらせねば。

頑張ろう!


iPhoneからの投稿


            


2010.08.22 Sunday 展覧会を3つはしごする。

夫はごく普通の土日休みの勤務なのですが
ここ3週間ぶっ通しで仕事だったのです。

3週間ぶりに土日オヤスミできたので、私も作業をいったん中断して
美術三昧の週末を過ごしました。

その1
原美術館で開催中の「ウィリアム・エグルストン:パリ-京都」展を見てきました。
詳細は→コチラ■

その2
損保ジャパン東郷青児美術館で開催中の「トリック・アートの世界展」を見てきました。
詳細は→コチラ■

その3
松屋銀座で開催中の「ゲゲゲ展」を見てきました。
詳細は→コチラ■

1は、本日日曜まで、3は明日までなので、興味のある方はお見逃しなく!

さて、ワタクシめは、本日は作業に戻りますっ。


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【展覧会】水木しげる米寿記念 ゲゲゲ展

100822_1741854.jpg弐代目・青い日記帳のTakさんにチケットをいただいたので、松屋銀座で開催中の「ゲゲゲ展」(すごいタイトルだ)に行ってきた。
Takさんにいただいたのは、一枚だったのだけど、入口でもう一枚、親子連れの方にいただいてしまった。結局無料で見られてしまった。なんてラッキー。

さて、そんなゲゲゲですが、想像以上によかった。Takさんのブログでは、激混みとあったので、ちょっと行く気持ちがひるんでいたのですが、Twitterで、イラストレーターの方が「ゲゲゲ、絵うますぎ、やばい」とツイートしてるのを見て、これは行かねば!!と思ったのです。

確かに激混みでした。昨年の手塚治虫展も混んでましたが、漫画の原画を展示は、原稿を読むので、絵を見るだけの展示に比べて時間がかかるので仕方がないにしても、この混み方はすごいっ。やっぱ朝ドラ効果か、ゲゲゲの潜在的人気のせいか。

ホント、絵うますぎです。特に洞窟とか山とか岩とか、生い茂った植物とか。点描とか点描とか点描とか・・・・圧巻です。
超多忙な連載の合間に、妖怪図鑑的なのを1000枚以上描かれてて、それのモノクロとカラーと両方の展示が素晴らしい〜

カラーは、水色とグリーンの中間みたいな色が多用されてて、ちょっと珍しいし、そのさわやかな色合いのせいで、妖怪のおどろな雰囲気が緩和されているのかも、と思う。

この展覧会、水木氏の画業60周年ということで、彼の代表作である「鬼太郎」「かっぱの三平」「悪魔くん」の3つに焦点を当てているんだけど、この3つ、制作時期が集中していて、全部1960年代後半〜1970年代にかけて描かれている。
それも、週刊少年マガジンなどの週刊連載だったんですね〜
当時のマガジンは黄金期と呼べるもので、同時期に掲載されていたのが、「巨人の星」「あしたのジョー」「天才バカボン」豪華すぎるラインナップ。

上のものとは時期はずれますが、この時期のマガジン掲載の漫画にはほかに「仮面ライダー」「サイボーグ009」「ウルトラマン」す、すごすぎるっっ。

最後に出ていた水木氏の年表でも、この時期を「超多忙期」と呼んでいる。この頃活躍された漫画家の多くは、この週刊誌連載で無理をして短命の方が多いと聞く。
そんな中で、米寿を迎えられた水木氏は、素晴らしい。さすが、妖怪?!

年表では、70歳過ぎの水木氏のことを「妖怪期」と呼んでいて笑ってしまった。人気の妖怪アンケートをとると、必ず水木自身も入ると言う。(ちなみに、美輪明宏さんもはいるらしい)

そんな水木氏のモットーは、仕事が大事、仕事をするには健康が大事。健康のためには睡眠が大事。
2時間半しか寝ないで出かけた私は痛く反省。昨晩はぐっすり眠りました。


100822_1741855.jpg鬼太郎茶屋で食べた鬼太郎ソフト。ちゃんちゃんこの色と同じです。お味はチョコバナナ!!ネコ娘クッキーもグー。

紙芝居作家としてスタートしてる水木氏。就職しては何度もクビになり、学校は退学になり、そんな彼も、絵の情熱だけは誰にも負けなかったんですね。
私も頑張ろう、と思いました。

水木しげる米寿記念 ゲゲゲ展
8月23日(月)明日まで!!

開催期間:8月11日(水)〜23日(月)
開場時間:午前10時〜午後8時(入場は閉場の30分前まで、最終日は午後5時に閉場)
場所:東京・松屋銀座8階大催場
入場料:一般1000円・高大生700円・中学生以下無料
前売り券:一般700円・高大生400円


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【展覧会】トリック・アートの世界展 −だまされる楽しさ−

100822_1851300.jpgコレを書いてるのは11月8日(月)。
この展覧会に行ったのは、永遠に終わらないかに思えた戦後最高に暑い夏のこと。

久しぶりの損保ジャパン東郷青児美術館。めっちゃ混んでました。
この美術館、損保ジャパンのビルの42階にあるんですが、一階でエレベーターに乗るまでに数十分待たされました。考えてみると、この美術館に休日に来たのは初めてのこと。

人気の美術展はいつもこんな感じなのかな。しかし、エレベーターで待たされる分、中に入ってからはそんなに混まずに、ゆったり見られるのは、悪くないかもです。

ただこの日(8月21日)の私たちは、すでにこの展示を見て、この展示を見た後に、銀座に出て、ITO-YAで絵の額装をお願いして、さらにコレも見て帰るつもりだったので、全部見られるかどうかドキドキでした。
てか、元気でしたねぇ。よく3つも見られたもんだ。

さて、展覧会の内容についてですが、実はワタシ、一生の不覚ともいえる、2009年Bunkamuraのだまし絵展、見損ねたんです!なので、この展覧会、すっごく楽しみでした。

ただ、この展覧会は昨年のに比べれば、かなり小粒な内容となってました。だからこそ、3つ見られたと言うのもありますが。数日後に、「ブリューゲル版画」と「マン・レイ」のはしごしましたが、このふたつは、ふたつだけでもうお腹いっぱい。3つなんて絶対無理でしたから。

100822_1851303.jpg森村泰昌
《肖像(ヴァン・ゴッホ)》 1985年
カラー・プリント

最近気になってしょうがないこの方の作品が見られて大満足。森村さんと言えば、いろんな著名人の扮装をして撮った写真が作品と言う、ユニークな作風で注目を集めるアーティスト。

顔の濃い我がオットは、こんなネタ(『国際結婚だったんだがね?!』)にされてしまってますが(笑)その後、ゲバラが気になって仕方ない私たち。

森村さんは、このゴッホ以外に、ピカソ、ダリ、ゲバラ、そしてフリーダ・カーロなどに扮していて、それが違和感がないのがすごいっ。この方も日本人としては濃い顔だからなんでしょうねぇ。

100822_1851302.jpg上田薫
《なま玉子J》 1978年
油彩・アクリル、キャンヴァス

すごいリアルです、絵とは思えません。2010年現在の写真技術でしたら、こういう瞬間を切り取ることは容易ですが、この時代にこの写真を撮り、さらにそれを写し取ると言うことはすごかったわけです。

ものすごい超スーパーリアルと言えば、三尾公三さん。私はこの人の絵にくぎ付けになってしまいました。すごすぎです。画像なくて残念ですが、ググッて見てくださいませ。

100822_1851301.jpg河口龍夫
《無限空間におけるオブジェとイメージの相関関係
又は8色の球体》1968年
石膏・ミラー・ガラス・蛍光灯

一概にトリックアートと言っても、エッシャーみたいないわゆる「だまし絵」だけではなく、あるものを、何か別のものに見せる、とか、角度を変えると別のものに見えるとか、ニンゲンの錯覚とか、いかに人がちゃんとモノを見てないかとか、そんなことを訴えかけてくるアートが満載の展示でした。

昨年の展示に行ってないので、あんまり語ることはできませんが、Bunkamuraは、古今東西の主だった「だまし絵」を系統立てて、かなり突っ込んで展示していたのに対し、今年の損保ジャパンは、そのモダンアートの部分に絞って展示していると言う感じです。


どちらかと言えば、アカデミックなルネッサーンスな絵画よりは、モダンアート好きな私にとっては楽しい展示でしたが、正直、入場料1000円前後の展示って微妙で、終わりに来ると「え?もうこれで終わり??」的な物足りなさが残ることがあります。

コレが入場料1300円超えると、これでもかってくらいの展示量だったり。あまり下世話に金額を語るのもなんですが、その辺で展示の量は推し量ることはできるので
参考までに。ただし、展示の質と量は違うので、そのあたりもくれぐれもお間違えなく。

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【展覧会】ウィリアム・エグルストン:パリ-京都

100822_1741833.jpg原美術館で開催中の「ウィリアム・エグルストン:パリ-京都」展を見てきた。最近すっかり、写真展づいている我々である。

ウィリアム・エグルストンという人は、写真を芸術にまで押し上げた第一人者ということらしい。芸術とは何ぞや、と問いたくなるのであるが、ただの記録ではなく、そこに想像の余地があるモノ、物語性のあるものが、芸術と呼んでいいものなのかな、と思う。

美しい写真というわけではなく、むしろ猥雑な街の雑踏や、ゴミや、日常的なものを切り取ることによって、そこに一種の面白さを見出す。
普通の人がありふれたものとして、なんとなく通り過ぎてしまいがちなものを、切り取って見せることのできること。それが写真を芸術に押し上げているのだと思う。

それには、全部を映しきらないこと。隠したり、寄ったり、引いたりして、見る人を、ふと戸惑わせる。これはなんだ?とひっかりを見せたら、それは成功。
本当は違うかもしれないけど、こうかもしれないと、想像や妄想を膨らませられたら大成功。

おお!と思ったり、にやにやしたり、うなったりしながら、自由な創造世界を楽しんだ。


ウィリアム・エグルストン:パリ-京都
あす、22日(日)まで。

原美術館

会 期
2010年6月5日(土)〜8月22日(日)
休館日
月曜日(7 月19 日は開館)、7 月20 日

開館時間
11:00 am-5:00 pm (祝日を除く水曜日は8:00pmまで開館/入館は閉館時刻の30分前まで)
観覧料金
一般1,000円、大高生700円、小中生500円/原美術館メンバーは無料、学期中の土曜日は小中高生の入館無料/20名以上の団体は1人100円引

地図はinformationに。


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