【読書】『はじめての文学』小川洋子



最近、図書館通いをしている目的は、主に絵本。ときどき、イラストレーションや着物の本を手にとったり、帽子の本を探したりするくらいで、文章の本を借りるつもりは全然なかったのだけど、たまたま「今日却ってきた本」というコーナーに、これと、よしもとばななさんが二冊あったので、三冊、なんとなく借りてきた。

小川洋子さんと言えば、「博士の愛した数式」で大ブレイク。しかし、私は実は未読。まだ彼女の本は全くの未読。相性がいいかどうか、ドキドキしつつ読んだんだけど、おもしろかった!!

このシリーズは、初めて文学に触れる青少年向けに、まとめられた作家ごとの選集だそうだけど、大人が読んでも十分楽しめる。シリーズで12冊出ているので、全部読破しようと思う。


村上春樹 山田詠美 村上龍 林真理子 よしもとばなな 

このあたりは、20代のころに、かなりたくさん読んだと思うけど、もちろん読んでないのも収録されているので、ぜひ読んでみたい。

宮本輝 宮部みゆき

30代のころに、何冊か読んだけど、しっくりこなくて、その後読んでいない。再チャレンジにはもってこいだ。

浅田次郎 重松清 川上弘美 桐野夏生

おハズかしながら、全くの未読。読もう!!

基本的に、推理小説はあまり読まないせいもあるのかな。一時期クリスティにはまった時期はあったので、彼女の作品だけは、ほぼ読破している。


さて、小川洋子さんの作品。

そうだそうだ、文学ってこういう感じだ。決してハッピーエンドなんかじゃない。わかったような、よくわからないようなもどかしさ。
ひっかかりがあるから、考える。読み終わった後に、考え込んでしまわないようなのは、文学じゃないな(笑)

ちょっと「世にも奇妙な物語」みたいに、おかしな世界に迷い込んだ感じだったり(たとえが幼稚でごめんなさい)。そして、青少年が読むにはエロティックすぎたり、そんなのも、いい感じで。
このシリーズと並行して、小川作品を読破したいとワクワクしてしまう私なのだった。

久しぶりに、本を読む楽しみを味わっている。10代とか20代の頃の私は根暗な女の子で、いつも本とお友達だったんだけどなぁ。
「冷めない紅茶」「薬指の標本」「ギブスを売る人」 「キリコさんの失敗」「バックストローク」
おさめられているのはこの5編。どれも、どこか妖しく残酷で妖艶な世界なのに、妙に現実感があるのに、驚かされる。

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【絵本】『くまとやまねこ』『ニワトリが道にとびだしたら』『ちいさなくれよん』『くるまあらいます』


『くまとやまねこ』湯本 香樹実・作/酒井 駒子・絵

2年ほど前の、2008年9月末。紀伊国屋書店新宿本店で開催されていた酒井駒子さんの原画展に行ってきました。このお話はまだ未読でしたが、内容を知らなくても、絵を見ているだけで何度も涙ぐむほど素晴らしいものでした。

タイトルに鳥は出てきませんが、表紙のクマの肩にちょこんととまっているように、鳥は重要な登場人物。だけど、タイトルは「くまとことり」じゃなくて、「くまとやまねこ」。そんなところに、湯本さんがこの物語に託された思いを感じるのです。

一見ちょっと暗く見えてしまう表紙の絵。この絵本の味わいそのままの紙(再生紙なんだそうです!!)に黒と白のアクリル絵の具(?)だけで描かれています。ざっくりと塗りつぶした黒の上に白で、驚くほど繊細にその世界が広がっています。
酒井さんと言えば、現代の絵本作家・イラストレーターの中でもとにかく大大好きな方。好きな理由は、酒井さんも幼い頃から鳥をよく飼っていて、ご自身でも鳥をモチーフにした絵をよく描かれるせいかもしれません。

内容的には、大人向けの絵本と呼ぶべきかもしれません。けれど、原画展には、駒子さんへのメッセージを残せるスケッチブックがあって、そこには小学生からのメッセージも残されていました。
本当にこのお話の深い意味を知るには早くても、よいものは、大人にも子供にも通じるんですよね。



『ニワトリが道にとびだしたら』デビッド・マコーレイ・作・絵/小野 耕世・訳

ニワトリがただ道にとびだした・・・それだけで、町中がどんどん事件に巻き込まれて行きます。なんとか騒動は治まり、大団円かと思いきや、最後が何とも皮肉でおもしろい。

子どもが読んでも楽しいでしょうが、大人が読んでも、とても楽しい絵本です。青・赤・白と3色に押さえた表紙のデザインも、とてもおしゃれ。

作者は『アンジェロ』と同じデビッド・マコーレイ。




『ちいさなくれよん』篠塚 かをり・作/ 安井 淡・絵

一年ほど前に、クレヨンが主人公のお話を書いたことがあります。書いてから、クレヨンが主人公のお話が、予想外に多いことに改めて知った次第ww

このお話もそうです。

このお話は、内容も背景も感動的です。金の星社のサイトによると
「1979年に初版が刊行され、第5刷まで重版されましたが、その後絶版になっていました。ところが、1999年6月にテレビ番組で視聴者の方の思い出の絵本として紹介されたところ、放送直後から復刊リクエストの電話やFAXが殺到しました。
反響の大きさに驚きつつ、すぐに復刊を決め、テレビで復刊のお知らせをしてもらったところ、またまた大反響。20年の歳月を経てよみがえった『ちいさなくれよん』はまたたく間にベストセラーになりました。
物を大切にする心、何か世の中の役にたつために生きること、思いやり、献身的な愛、命の尊さ・・・。絵本にこめられた思いを多くの子どもたちに伝えつづけています。」
という経緯があるんだそうです。復刊のリクエストのおかげで、今も読むことができるんですね。

ホンの小さな存在である、短くなったクレヨンにも、こんなに役に立てることがある。どんなちっぽけな存在でも、ちゃんと役に立てるんだよ、と、そういうメッセージを私は感じたのでしたが、モノを大事にしよう、というメッセージも含まれている・・・かなり奥深い絵本です。



『くるまあらいます』サンドラ&スーザン スティーン(作)/G.ブライアン カラス(絵)

ガソリンスタンドの洗車機に入ってる車の中から、窓の外を見たら、どんな感じだろう??誰もが一度は感じたことのあるこの問いに、イラストとコラージュでファンタジックに答えた絵本。

テキストの大きさや配置などにも独特のセンスが感じられて、素敵です。


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【展覧会】創刊30周年記念 月刊日本橋展

100617_1781863.jpg日本橋店 3F ギャラリー
2010年3月19日(金)〜3月24日(水) 
9:30〜20:30 (※最終日は17時閉場)
<入場無料>

月刊日本橋を彩ってきた、永井保さん、小川幸治さんの原画を展示していました。
ネコの絵がかわいくて、手ぬぐいを買ってしまいました。昔の日本橋の雰囲気なども味わえて、楽しい展示でした。


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【絵本】『ぞうのババール』『おしゃべりなたまごやき』『おおきなおおきなねこ』『アンジェロ』


2010.06.16 Wednesday
『アンジェロ』デビッド マコーレイ・作・絵/千葉 茂・訳
コレも泣いてしまいます。

仕事だけに情熱を傾け、一筋にひたむきに生きてきた老人の
人生の最後に触れ合った、ハトとの物語。

ハト以外に看取られず、孤独に死んだことを
卑屈になど描いてはいません。

どう生きて、どう死んでいくか。

何が不幸で、何が幸せか。

それは人それぞれ。

『海の上のピアニスト』『ガタカ』で感じたことに、通ずるものがあります。


2010.06.16 Wednesday
『おおきなおおきなねこ』せなけいこ・作・絵

せなけいこさんといえば、独特の貼り絵で
おばけシリーズを描いたものが有名ですが
このお話も、ちょっと怖そうな感じではじまります。

んでも、賢いおばあさんは、カッパをやりこめてしまいます。

おおきなおおきなねこ、というのが、なんともかわいい!!


2010.06.16 Wednesday
『おしゃべりなたまごやき』寺村 輝夫・作/長 新太・絵

大好きな絵本。
王様がお茶目で、かわいいったらないのです。

実際には、王様は国の一番偉い人、いろいろ難しいことを
決めているはずなのに、童話の中の王様って、大抵のんき。
この王様も、そんな感じです。

王様の悩みが、たまごやきくらいしかないのでは??
そんなのどかな、のんびりとしたお話。

オチも楽しい!!

鳥好きな私には、たくさんの鶏が登場するシーンに
萌えてしまうのでしたww


2010.06.16 Wednesday
『ぞうのババール』ジャン・ド・ブリュノフ・作・絵/やがわ すみこ・訳

私は高校時代、オリーブ少女を自負していたんですが
オリーブを通じて知った絵本がたくさんあります。

(実際、オリーブという雑誌ほど、自分に深い影響を与えた
ものすごい雑誌はなかったです)
(だから、パレットクラブで、オリーブのデザイナーだった
某先生にお目にかかれた上に、銀座で一緒におそばを
食べることができたのは、卒倒しそうな幸福でした)

タンタンとともに、このぞうのババールは、おしゃれで
かわいくて、大好きだったキャラクター。

なんと、フランス語版を持っているのにもかかわらず
もちろん、読めないので、どんなお話かは、全く知らず。

今回まとめて何冊か読んでみました。

アマゾンのレビューには、ぞうをアフリカの原住民
おばあさんを、欧米の文明社会を表しているから嫌い
というものもあったりして、なるほど、と思いましたが

それでもこの本を読んで、子供に害になると言うことは
ないと思うんです。
銃で像をとらえに来た人間を見て、自然と人間の共存を
強く願う子供になってくれるのでは、と思ったのでした。


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【映画】『海の上のピアニスト』


今回の3本は、コメディと、コメディタッチのサスペンスと笑えるものが続いたので、最後にヒューマンドラマを。
これは感動作ですね。

主人公が、ひらりと帽子を海に投げるシーンが、なんとも印象的です。

登場人物が、みんないいのです。主人公も、友達のトランペッターも、楽器屋のおやじも、主人公の父も・・・・

友達が、主人公を探して必死になる姿
そして
「人は、物語をかたって、それを聞いてくれる人がいるなら、悪くない人生だ」
と言う(ような意味の)言葉・・・


映画を見て、いろんな風に感じる人がいるだろうし、どう感じるかは人それぞれだけれど、この主人公は幸せだし、きっと満足だったんだと思う。
少し前の自分だったら、もう少し感傷的な想いで、このラストを受け入れたんだろうなと言う気がする。

この映画を見て、少し前に、ただ受け身で見ていればいいテレビと違って、ネットは、常に選択を迫られているので、(次をクリックしなければ、先を見ることはできないので、そこに「クリックする」「しない」という選択肢が生まれる)非常に疲れるらしい、という記事を読んだのを思い出した。


自由に選択できるということは、実はとってもしんどいことなのかもしれない。


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【絵本】『キスなんてごめんだよ!』『ぞうのエルマー16・エルマーとおおきなとり』『あいしているから』『赤い蝋燭と人魚』『あしたうちにねこがくるの』


2010.06.12 Saturday
『キスなんてごめんだよ!』エマ・チチェスター・クラーク・作・絵/まつかわまゆみ・訳

キスなんて大嫌い!!だと思ってた
おさるのモモの家に赤ちゃんが生まれて・・・

あったかい気持ちになれます。



2010.06.12 Saturday
『ぞうのエルマー16・エルマーとおおきなとり』デビッド・マッキー作・絵/きたむらさとし・訳

四角く仕切られたカラフルなぞうさんのエルマー。
鳥好きの私が最初に読んだのはこのお話。

悪役がはっきりしてて、優しく明るい仲間たちの
協力で、悪い奴をこらしめる構図は、とっても明快。

ニースなんて場所に住んでいたら
こんな風に明るい絵やお話が描けそうですね。
なんてね。



2010.06.14 Monday
『あいしているから』マージョリー ニューマン・作/パトリック ベンソン・絵/久山太市・訳

泣いてしまいました。

愛しているから、とモグラのモールくんは
この作品の中で二回言います。

けれど、一度目と二度目とでは、全然意味合いが違うんです。

「愛しているから・・・・」
最初は相手に求め、押しつけるだけだった「愛」が

「愛しているから・・・・」
相手が本当に望むことをしてあげたいと思える。

そのことに気付いたモールくんの成長ぶりに涙・・・



2010.06.15 Tuesday
『赤い蝋燭と人魚』小川 未明・作/酒井 駒子・絵

子供のころ、小学校高学年か中学生くらいのころに
小川未明全集を読んだことがある。

日本のアンデルセン??なんて書かれていたけれど、読んでみたら
意外と怖いお話が多くて、驚いた記憶がある。

しかし考えてみれば、童話と言うのはもともとは残酷で恐ろしいもの。
幼い子供への戒めとして語られていた要素が、大きいからなのだそうだけれど。

物悲しいお話と、酒井さんの繊細で重厚なイラストが、素晴らしく調和した
奇跡の一冊。

ところどころに描かれた貝や、魚などの海の生物がとっても素敵だった。

昔読んだのは、誰の挿絵だったのかな。
モノクロで、繊細なイラストだったように思う。

いわさきちひろ版も読んでみたい。





2010.06.15 Tuesday
『あしたうちにねこがくるの』石津 ちひろ・作/ ささめや ゆき・絵

もうこれは文句なくかわいい。

あしたねこがやってくる。

どんな猫??
こんな猫かなぁ??
こーんな猫だったらどうする??

女の子の想像が楽しい。

ささめやさんのイラストも味があって素晴らしい。


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【映画】『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』


ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
きっとこの映画のタイトルは一生覚えられそうにないと思う。

だけど、本当に面白い映画だった。面白くて痛快でおしゃれで・・・

人がたっくさん死ぬのに、全然悲壮感も気持ち悪さもないのがいい。・・・・けれど、それだけに、子供の教育上はよろしくないかも?
まぁある意味、教訓的なものもこじつければ出てくるわけですが。

大人が楽しむ映画ですね。

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【映画】『マルコヴィッチの穴』



最近、ずっと元気でハッピーだった私なのですが、ちょっと、どどーんと落ち込むことがあって、笑える映画が見たくて。
爆笑すると言うような映画じゃないけど、最初から最後まで面白かったです。

特に、マルコヴィッチ自身が入った時が最高。

キャメロン・ディアスはかわいいなぁ。
写真だとイマイチきれいだとは思わないんですが、動いてると、本当にチャーミングですね。

ちょっと不思議の国のアリスを思い出したんですが、予告編見たら、アリスをしのぐ想像力とか書いてて、笑ってしまった。

確かに!


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【読書】『イルカ』よしもとばなな


先日は、死後の世界の話が多いと書いたばなな作品だけど、この話はちょっと趣が違った。

ちょっと世間とずれた感覚で生きてきた主人公
・・・と、たびたび本文中に一人称で出てくるんだけど、私の感覚では、え?そんなにはずれてるかなぁ???と思ってしまう。
・・・そもそも、私自身が世間からずれているのだろうか?自分では、とっても常識的だと思っているんだけど。

物語の途中に、主人公が「自分自身の選民意識がつくづくいやになる」と言うようなくだりがあるんだけど、ばななさんの作品って、選民意識の塊だと思うのだ。「私たちは特別な人たち」みたいな一人称が延々と続いているような。
それがいけないというんではなく、そういう小説のスタイルなんだろうなぁ、と思う。

主人公が恋愛小説家なせいか、セックスに関する考えなんかも、あけすけに書いてて、そういうののほうが、なるほどって思ったりした。
男の人と言うのは、基本的にセックスで、リードしなくちゃいけないわけで、そのためには、こっそり勉強したり、ある程度場数を踏んだりしなくちゃいけなくて
それが、ヘンなビデオだったり風俗だったりするのと、本当に好きな生身の女性相手に、手探りできちんとひとつひとつ学んでいったのとでは、それは違うよなぁ、と思った。

物語の本筋に関しては、ネタばれになってしまうので、多くは書けないけど・・・・今の私ではなく、少し未来の私が読んだら、きっともっともっと感動するんだろうなぁ・・・と、希望的観測で書いてみた(謎?ww)

そんな未来が迎えられたら、もう一度読みたいと思った。


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【絵本】『いぬかって!』『にんげんごみばこ』『おとなしいめんどり』



『いぬかって!』のぶみ

犬買って!!
とお母さんにおねだり。
家には小鳥がいるからダメ!!
とお母さん。

思わず、小鳥が死んじゃえばいいのに
と思ってしまうかんちゃん。

そしたら・・・

のぶみさんの作品は、日々ありがちなエピソードの中に
大事なことをちゃんと盛り込んでいて
とっても好きです。

でもね、のぶみさんの作品で一番好きなのは
次の作品なんです。




『にんげんごみばこ』のぶみ

そんなわけで、私的にはのぶみさん作品では一番のおススメ。

このお話は、本当に考えさせられます。
タイトルもドキッとするけど
内容もドキッとします。

子供にも読んで、考えてみてほしい一冊。




『おとなしいめんどり』ポール ガルドン作・絵/谷川俊太郎・訳

猫と犬とネズミとおとなしい赤いめんどりが一緒に暮らしていますが
働くのはめんどりだけ。
残りの三匹は寝てばかり。
手伝ってと言っても「いやだね!いやだよ!いやだなあ!」という返事ばかり。

しかしある日、3匹とめんどりの立場が逆転します。
そこが痛快です。
絵も味があって素敵です。


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